将来予測が不能なVUCA時代を象徴するようなコロナ禍が起こり、先行きはますます不透明になってきた。多くの企業が対応に追われ右往左往する一方で、イノベーションを起こし飛躍を遂げようとしている企業があるのも事実だ。これを受け、従業員エクスペリエンス分野で世界をリードするクアルトリクス合同会社が人事・組織にフォーカスしたオンラインセミナー「『イノベーション、事業変革を起こす組織と人事』〜従業員と組織をつなぎ、今を勝ち抜く戦略人事とは〜」を2021年3月3日に開催した。本セミナーでは、『世界標準の経営理論』の著者で早稲田大学大学院 教授 入山 章栄氏、ニューノーマル時代の働き方・オフィス改革を大胆に続ける、富士通株式会社 執行役員常務 総務・人事本部長の平松 浩樹氏、クアルトリクスのEXソリューションストラテジー ディレクター市川 幹人氏が講演。あわせて、3者によるパネルディスカッション(ファシリテーター:ProFuture株式会社 代表取締役社長 寺澤 康介)も行われた。

プロフィール

  • 入山 章栄 氏

    入山 章栄 氏

    早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール 教授

    慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で、主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.(博士号)を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。2019年より現職。専門は経営学。「Strategic Management Journal」など国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。著書は「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)「世界の経営学者はいま何を考えているのか」(英治出版)「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」(日経BP社)他。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のレギュラーコメンテーターを務めるなど、メディアでも活発な情報発信を行っている。



  • 平松 浩樹 氏

    平松 浩樹 氏

    富士通株式会社 執行役員常務 総務・人事本部長

    1989年富士通株式会社に入社、主に営業部門やプロダクト部門などのビジネスパートナー人事を担当。2009年より役員人事の担当部長として、指名報酬委員会の立ち上げに参画。2015年より営業部門の人事部長として、営業部門の働き方改革を推進。2018年より人事本部人事部長、2020年より現職。ジョブ型人事制度、ニューノーマル時代の働き方・オフィス改革に取り組んでいる。



  • 市川 幹人 氏

    市川 幹人 氏

    クアルトリクス合同会社 EXソリューションストラテジー ディレクター

    シンガポール国立大学経営大学院修了。住友銀行(現三井住友銀行)、三菱総合研究所を経て、ヘイコンサルティンググループ(現コーン・フェリー・ジャパン)およびウイリス・タワーズワトソンにおいて、従業員意識調査チームの統轄責任者を歴任。様々な業界のリーディング企業に対し、プロジェクト全体の企画から、調査設計、実査準備・運営、集計分析、結果報告、アクションプラン策定のためのワークショップ運営まで、豊富な経験を有する。クアルトリクスでは、従業員エクスペリエンス分野推進のディレクターを務める。



  • 寺澤 康介

    寺澤 康介

    ProFuture株式会社 代表取締役社長/HR総研 所長

    1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。

冒頭、本セミナーを主催するクアルトリクス合同会社のカントリーマネージャー熊代 悟氏が挨拶。「働き方、人事、会社運営のあり方など、新型コロナによって変わらざるを得ない状況に直面しています。人事が戦略的な活動をすることで、企業がいかに変化を成し遂げられるか、理解を深めていただければと思います」と呼びかけた。以下に3者の講演、パネルディスカッションなど当日のオンラインセミナーの様子をレポートする。

従業員エクスペリエンス管理(EXM)にまつわる3つのトレンド

クアルトリクス合同会社 EXソリューションストラテジー ディレクター 市川 幹人氏

なぜ従業員エクスペリエンス管理(EXM)の注目度が高まっているのか


近年、従業員エクスペリエンス管理(EXM)の注目度が高まっています。なぜEXMは重要なのでしょうか。従業員は仕事を通じ日々さまざまな体験をしており、その体験をどのように受け止めるかによって、態度や将来の行動が変わると考えられるからです。やりがいがある、学ぶ機会があるというプラスの体験ならば、エンゲージメントの向上につながります。一方、つまらない、仕事の意義を感じられないなどマイナスの体験が積み重なると、業務の質の低下や離職につながります。

業績という観点から見てみましょう。EXが改善されることで、貢献意欲や革新性、生産性の向上が促され、商品・サービスの質も向上します。この結果、カスタマーエクスペリエンス(CX)も改善され、最終的に企業の業績向上につながります。その分、人材へのさらなる投資が可能となり、好循環が生まれます。EXMは企業にとって非常に重要な活動で、世界の経営学者はもう20〜30年も前から「従業員第一」を主張していました。


この後、下記のトピックが続きます。
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クアルトリクス合同会社 EXソリューションストラテジー ディレクター 市川 幹人氏
●働く人の「自立」こそが、生産性の高い組織には必要

早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール 教授 入山 章栄氏
●緊急事態宣言下のテレワークで判明した「良い副作用」

富士通株式会社 執行役員常務 総務・人事本部長 平松 浩樹氏
●ニューノーマル時代の人事の役割とは

パネルセッション
●変化に対応するために必要なのは、「とらわれない」こと

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