人材育成、能力開発、キャリア形成を最適化。「職種図鑑」によるキャリアの“見える化”で個人力・組織力をアップ

第8回 日本HRチャレンジ大賞(2019年実施) 授賞企業インタビュー

今後どう自分のキャリアを形成してよいのかわからない、先輩社員を探して聞きに行くにも限界がある…そんな若手社員のニーズを汲み取り、社内の組織機能や職種事例、多様なキャリア機会を可視化した「職種図鑑」。「第8回 日本HRチャレンジ大賞」では『人材育成部門優秀賞』を受賞し、社内の「仕事」と「人」を横断的に理解できる百科事典のようなツールを展開することで、社員のチャレンジ精神やモチベーションの向上に貢献、離職防止にも効果的な取り組みであると評価された。この「職種図鑑」の制作過程や成果、また今後の展望について、ソニーマーケティング株式会社 人事総務部 統括部長 黒木 貴志氏、及び人事総務部 人材開発課 嶋谷 康太郎氏に話を伺った。

第8回 日本HRチャレンジ大賞『人材育成部門優秀賞』

ソニーマーケティング株式会社

「職種図鑑」による社内の組織機能、職種、キャリア機会の見える化
(社内キャリア形成・ロールモデルの百科事典として社員に公開)

社内に存在する「職種の情報」や「様々な職務経験の事例」を体系化し、多様なキャリアの実現可能性を可視化することで、キャリア形成に向けた社員自身のチャレンジ精神や行動を喚起するとともに、モチベーションの向上、リテンションにも寄与する取り組みであると評価されました。

ゲスト

  • 黒木貴志 氏

    黒木貴志 氏

    ソニーマーケティング株式会社
    人事総務部 統括部長

    人材サービス会社で営業業務等を経験したのち、ソニーに入社。ソニーでは、国内外のセールス・マーケティング系組織における人事全般、本社人事としてソニーの人事諸制度の企画、グローバルAP地域HR責任者として海外駐在などを経験。
  • 嶋谷康太郎 氏

    嶋谷康太郎 氏

    ソニーマーケティング株式会社
    人事総務部 人材開発課

    名古屋で店舗セールスを経験後、TV、ウォークマン等のマーケティングを担当。ロシア赴任時には、エリアマネジャーとして二つの支店を担当する。現在は、人事総務部でセールス・マーケティングの経験を活かし、研修や「職種図鑑」のような人材育成関連の施策を担当している。

「仕事編」と「社員編」の2軸展開。「点」から「線」のキャリアプランを描く

――今回「職種図鑑」とは、どのようなものでしょうか。また、どのような経緯で作成に至ったのでしょうか。

黒木貴志氏(以下、黒木) 「職種図鑑」は、ソニーマーケティングジャパン全体における組織機能や職種事例を“見える化”したコンテンツで、社内のあらゆる社員が自分のキャリア形成を理解・促進できるロールモデルを集めた百科事典のような存在です。

元々当社では「自分のキャリアは自分で築く」という基本姿勢が根付いており、これまでも社員は自らの想いや意志でキャリアを形成し、マネジメント層や人事もその実現をサポートしてきました。その中で、上司はこれまで自分が経験したキャリアを中心に、限定された情報を部下に届けていたのが現状で、これでは「社員が求める幅広いキャリアの可能性を十分に指し示すことができていないのではないか」、という課題意識がずっとありました。

そこで、社員が自ら自主的に考え行動するために、社内の各組織でどのような仕事があるのか、どのような経験を得られるのか、そこで学んだ経験が将来どのように役立つのか、といった内容が体系的にわかるキャリア情報が必要なのでは、と思ったのがきっかけです。

また、人事部の関わり方も意識しました。どうしても、人事の目線では、キャリアの内容が情報として整理されすぎてしまい、一般的な仕事や職種を網羅しただけの体系的な説明になってしまう、といった懸念があったのです。色々と悩みましたが、現場で働く社員から直接仕事に関する情報を提供してもらって載せることにしました。

嶋谷康太郎氏(以下、嶋谷) 公開前は、どんな反応があるか不安でしたが、一度作って公開することで、読者である他の社員から非常にポジティブな反応が得られることがわかりましたし、今回協力して自分のキャリア情報を出してくれた社員からも、「執筆して良かった、また何かあれば協力しますよ。」と「職種図鑑」の取り組みに対し、理解と積極的な協力が得られることが確認できました。

黒木 ただ、アナログな手法ですので、情報の網羅性やデータベースとしての情報の更新や蓄積には課題が残ります。しかし、雑誌的に今を輪切りにした情報を、あえて書き手の自分の声で語ってもらうことで、働く社員には理解しやすい内容になったと思います。「職種図鑑」の公開後は、自分でキャリアを構築する社員だけでなく、キャリア面談を行う上司からも「職種図鑑のような情報があって説明がしやすくなった」といった声をもらうことができました。
──編集スタッフの人選はどうされたのですか。

黒木 複数のスタッフではなく、人事に異動してきたばかりの嶋谷さん一人にお願いしました。彼は、営業やマーケティングの幅広いキャリアを持っていること、人事部に配属されてまだ日が浅いので、いい意味で現場に近い目線で作れるのではないかと考えました。

嶋谷 人事から社員に働き掛けると「何か面倒なことを頼まれる。」と捉えられがちですが、元々一緒に働いていた人たちということもあり、そういった警戒感もなく、すぐに協力してくれました。

――制作にかかった期間を教えてください。

嶋谷 トータルで半年程度です。フォーマットのベースとなる取り上げる項目や内容などは2週間程度でまとめられたのですが、それらが社員にとって本当に必要な情報でなくてはなりません。そこで、入社1年目から中堅社員に向けて、「キャリア構築のためにどんな情報が欲しいか」というアンケートを取り、追加でインタビューも行いました。その結果をもとに第1弾となる「職種図鑑」を作ってリリースし、すぐにレビュー調査を実施しました。そこで挙がった意見から、「もっとこういう部署も入れて欲しい」という声に応えて部署を追加したり、「用語が分からない」といニーズがあったので用語集を追加したりと改善を重ね、最終的にほぼ全部署を網羅したものができあがりました。

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