株式会社日経BPは2025年5月7日、2025年版「女性が活躍する会社BEST100」を発表した。同ランキングは、日経BPが発行する女性誌『日経ウーマン』と、日本経済新聞社グループの「日経ウーマノミクス・プロジェクト」が共同で実施した「企業の女性活躍度調査」の結果をもとにまとめたもの。調査は467社の回答をもとに、4つの指標で評価・採点し、総合スコアを算出しているという。

【2025年版】「女性が活躍する会社BEST100」を日経BPが発表。総合1位のEY Japanは“女性管理職・役員割合”が高評価

調査のポイント・4つの指標について

今回発表したランキングにおいて日経BPは、上場企業など4543社を対象に実施したアンケート(回答企業467社)をもとに、以下の4つの観点で企業を評価している。

●管理職登用度:女性管理職比率や登用実績

●女性活躍推進度:女性のキャリア支援や育成プログラム

●ワークライフバランス度:育児や介護との両立支援、柔軟な働き方

●人材多様性度:多様な人材の活躍や社内のダイバーシティ推進

『女性が活躍する会社』総合ランキング1位は「EY Japan」

2025年版「女性が活躍する会社BEST100」で総合1位となったのは、昨年の総合7位から順位を上げたEY Japan。同社は女性向け階層別選抜研修を実施し、“同性の良きライバル”の可視化などにより昇進意欲を高めている。そのほか、管理職手前層向けの研修では参加者の約4割が昇格。女性役員候補育成のために役員クラスがマンツーマンで指導にあたる「スポンサーシッププログラム」も強化しているという。こうした実績から、後述の部門別ランキング・管理職登用度においても1位となっている。

2位にランクインしたのは、昨年6位だった日本航空(JAL)だ。客室乗務員から営業支店長への就任など、女性管理職の職種横断的な登用が進むほか、マネジメントを学ぶ管理職一歩手前層向け研修や、社内キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングも実施しているという。本ランキングにおいて、部門別では管理職登用度で3位、人材多様性度で3位となっている。

続く3位となったのは、全日本空輸(ANA)。役員候補者の育成のため、部長クラスの女性社員を関連会社の社長や役員に登用し、事業運営に必要な知識・経験を積む場を提供しているという。なお、2024年6月時点で女性役員数は11人、女性役員比率は23.4%となっている。
2025年版「女性が活躍する会社BEST100」

部門別は“女性活躍推進”で大和証券、“ワークライフバランス”で日本生命など

上述の総合ランキングに加え、日経BPは4つの「部門別ランキング」も作成。各部門の評価ポイントおよび各部門の上位企業は以下の通りだ。

「管理職登用度」部門

「管理職登用度」については、女性役員数や管理職に占める女性割合などを評価しているほか、社内・外取締役における女性の人数などもチェックしているという。

同部門で1位となったのは、総合1位にランクインしたEY Japan。管理職手前層に研修と並行して個人主導プロジェクトを導入しており、取締役会相当の経営会議メンバー17人中、6人が女性だ。また女性管理職比率は20.4%となっている。

2位はPwC Japanグループ。女性の部長職や役員輩出に向けた研修が充実しており、伴走する役員や上司向けの研修にも力を注いでいるという。なお、24年度の女性管理職比率は23.9%。

3位は日本航空。客室乗務員出身の社長を筆頭に、出身部門と異なる領域かつ重要な職務への女性登用が進んでいる。24年の女性役員比率は21.3%となっている。
「管理職登用度」部門

「女性活躍推進度」部門

「女性活躍推進度」については、女性活躍の専任組織の有無や、女性社員向けの研修制度などに関する評価がなされている。

同部門の1位には、大和証券グループ、東日本電信電話(NTT東日本)が並んだ。大和証券グループは、総合職などに職制転向した社員が累計1720人超。「営業員再雇用制度」の利用者も累計80人を超えるなど、女性管理職候補者が大幅に増加している。

一方の東日本電信電話は、管理職一歩手前層にキャリア志向をヒアリングし、データベース化しているという。本人の意向や適性に基づいた育成プランを策定し、選抜研修などを展開しているようだ。
「女性活躍推進度」部門

「ワークライフバランス度」部門

「ワークライフバランス度」は、年間総労働時間や有給休暇取得率、男女の育休取得率などによって評価されている。

同部門で1位となったのは、日本生命保険だ。男性育休について12年連続取得率100%を達成している同社は、全国約1110園の企業主導型保育所を職員が利用可能で、早期復職や退社抑制など優秀な人材の確保にも貢献しているという。

2位の住友生命保険は、「生産性評価」を人事考課に導入している。残業時間の削減に伴う給与の減少分について、人事評価に応じて賞与に加算し支給する給与制度を運用している点もポイントだ。

3位の明治安田生命保険は、5年連続で男性育休取得率100%を達成。2024年度からは、男性が配偶者の出産予定日8週前から育休を取得できる「産前パパ育休」を導入している。
「ワークライフバランス度」部門

「人材多様性度」部門

「人材多様性度」の評価には、勤続年数などの定着率に加え、障がい者雇用率やLGBTQ+理解促進に関する施策の有無なども考慮されている。

同部門で1位となったKDDIは、新卒の入社3年後在籍率が94%。男女の平均勤続年数の差が小さく(男性19年、女性16年2ヵ月)、働きやすい職場を実現しているという。

2位の三越伊勢丹は、社員の平均勤続年数が男性で23年4ヵ月、女性で22年2ヵ月となっている。また、2024年は障がいのある社員が活躍し、グループで法定雇用率を上回る3%を達成した。
「人材多様性度」部門
そのほか、業種別のランキング等については下記より確認できる。時代とともに女性活躍度の高い企業に対する世間の印象は良くなってきている。本ランキングにおける上位企業の事例を参考に、自社の今後の施策検討をしてみてはいかがだろうか。

出典:https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20250507/

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