第97回 就活ルールは2020年卒から実質廃止状態? ── HR総研「2019年&2020年新卒採用動向調査」

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

ProFuture代表の寺澤です。
4月1日には、多くの会社で入社式を行われたことと思いますが、皆さんの会社では採用計画どおりの採用はできたでしょうか? HR総研では、3月18〜27日にかけて、企業の採用担当者を対象とした「2019年&2020年新卒採用動向調査」を実施しましたが、今回は初めて、本年入社者の最終の採用(内定)状況についても聞いてみました。3月1日に解禁されたばかりの新卒採用の活動状況に先立ち、まずはこちらの結果から紹介いたします。

2019年卒を計画どおり採用できた企業は3割以下

3月下旬時点での、2019年卒採用計画数に対する有効な内定者数の割合(内定充足率)を聞いてみたところ、「100%以上」と回答した企業は、全体で27%にとどまり、最も多かったのは「90〜100%未満」の29%という結果になりました。計画に対して9割以上ではあるものの、残念ながら100%には到達しなかった企業が3割もあったということです。
近年は、「厳選採用」の名の下、採用基準や自社への熱意にこだわり、無理してまでも採用計画数字を達成しようとする動きは減ってきています。それがこの数字に表れているのではないでしょうか。中には、いったんは採用計画数字に到達していたものの、遅めの内定辞退者が発生したことで、ぎりぎり採用計画数に対して未達になってしまった企業もあるかもしれません。学生が内定を受け取る社数が増える傾向にあり、必然的に、それに比例して内定辞退の数も増える傾向となっています。

さて、企業規模別に見てみると意外な結果が出ています。「100%以上」と回答した企業の割合は、300名以下の中小企業で30%、301〜1000名以下の中堅企業で33%なのに対して、1001名以上の大企業は16%と、最も少なくなっていることです。ただ、大企業では「90〜100%未満」の割合は43%と他の企業規模よりも高く、両者を合わせた「90%以上」の割合で見てみると、大企業は59%となり、中堅企業の61%にはわずかに及ばないものの、中小企業の54%よりは多くなっています。

一方、「70%未満」の企業の割合で見てみると、大企業はわずか8%なのに対して、中堅・中小企業はいずれも16%と2倍になっており、中小企業に至ってはそのうち半分の8%が内定者ゼロと回答しています。企業規模による明暗が分かれたともいえますが、これまでの採用担当者向けの調査では、中堅企業の苦戦ぶりが毎回あぶり出されていたことを考えると、その差はそれほどでもありません。採用活動の後半戦で、地道な採用活動を続けた中堅企業が盛り返しに成功したということなのでしょうか。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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