貝印株式会社および製造部門のカイ インダストリーズ株式会社などからなるKAIグループは、2018年10月より国内の全グループ企業で、フルタイム勤務のパートタイマーが契約期間の定めのない無期労働契約の「職務限定正社員」に転換できる制度を導入した。
KAIグループ、有期労働契約のパートタイマーを無期労働契約の「職務限定正社員」に転換へ

KAIグループでは、1954年に初めて新聞に募集広告を掲載して以来、「パートタイマー」という職種が高度経済成長期を経て社内で拡大を続け、現在まで高品質で幅広い種類の商品づくりを支えていた。

これまで「マイスター制度」などの各種手当を採用していたが、2018年に創業110周年を迎え、同年3月には新工場も立ち上がるなど、カミソリ事業を中心にますます顧客からの注文が増加し、グループ全体の事業規模が拡大していることから、従業員がこれまで培ってきた技術を次世代に継承してくことが、さらに必要になると考えたという。

そうした背景に加え、改正労働契約法の施行により「無期転換ルール」が適用され、2013年4月1日以降に締結した有期雇用契約を繰り返し更新して契約期間が通算5年以上となる場合、労働者の申し込みによって無期労働契約に転換することができるようになった。

これらを受けて同社グループは、国が推進する「働き方改革」に合わせて、パートタイマーとして働く有期雇用契約の方を無期雇用契約へ、さらに非正規雇用を正規雇用へと転換することで、安心して長く働いてもらえる環境を整え、日本の活力増強に貢献することを目的に、本制度を導入する運びとなった。

現在(2018年9月28日時点)同社グループのパート従業員は、フルタイム勤務と短時間勤務を合わせて、カイインダストリーズで291人、貝印で67人を雇用しており、本制度はフルタイムのパートタイマー250名が対象となる。

パートタイマーから職務限定正社員への転換に伴い、工場勤務に限って働く「職務限定制度」も新たに導入する。時短勤務や産休などの制度はそのまま利用でき、これまでなかった評価制度をもとに新たに賞与を設け、昇給も定期的に行っていくのだという。

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