ハウスコム株式会社(以下、ハウスコム)は2021年7月26日、「多様性を尊重した職場の実現」を目指し、ビジネスネーム制度を導入したと発表した。従業員は、戸籍上の氏名以外の「ハウスコムネーム」を使用して業務に携わることができる。これにより、従業員が互いの個性や人格を尊重しながら、いきいきと働くことができる職場環境を構築したい考えだ。
ビジネスネーム制度の導入を発表したハウスコム、業務において戸籍上以外の氏名を使うことを許可

従業員がアイデンティティを尊重しながら働けるよう配慮

セクシャルマイノリティの人々が、自身の「戸籍上の氏名」に苦しさを感じながら働いているケースは少なくないようだ。そういった課題を解決するため、個人の人権や人格を尊重する独自制度を取り入れる企業が増えつつある。

ハウスコムにおいては、これまで「国籍、性的指向、性自認、障がいの有無等にかかわらず、それぞれのアイデンティティを尊重することが、自分自身を理解する一番の近道」と考え、多様性を尊重する企業文化を大切にしてきた。2020年には、よりよい環境の実現に向け、社内プロジェクトを発足。その一環として、ビジネスネーム制度の導入を決定した。セクシャルマイノリティを自認する従業員が使用することを想定し、「戸籍上の氏名」で働くことに苦しさを感じずに済むよう、自身が設定した「ハウスコムネーム」の使用が許可されるという。

また、同社ではこれまでも、多様性を尊重する文化を醸成するための取り組みとして、「全従業員を対象としたLGBTQに関する研修の実施」、「パートナーシップ宣誓書の提出による婚姻関係の承認」、「同社が運営する部屋探しサイトおよび採用サイトの性別項目の削除」など、各種制度の見直しと改革を実施してきた。今後も従業員や顧客に対し、それぞれのアイデンティティを尊重できるような職場づくりを推進していく考えだ。

多様化が進む社会においては、自他の理解や認め合いが重要視される時代となりつつある。一人ひとりがのびのびと働けるような環境整備が、今後ますます求められていくだろう。

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