東京大学大学院 情報理工学系研究科が産学連携の強化を目指すプラットフォーム「UMP-JUST」を発足

東京大学大学院 情報理工学系研究科は2019年12月、産学連携の新たなプラットフォームとして、教育研究サポーター組織である「UMP-JUST(Unified Multiple Projects - JUST)」を2020年度から開始すると発表した。大学と産業界の関係を強化し、教育研究活動を発展的にサポートする基盤組織を目指すとしている。

高度専門分野での人材不足解消を目指して「UMP-JUST」を開始

近年、情報関連科学技術の飛躍的な進歩にともない、社会や産業構造も目まぐるしく変化している。経済の発展と社会的課題の解決を、仮想と現実を融合させたシステムによって両立させた人間中心の社会、いわゆる「超スマート社会」の実現が現実味を帯びてきた。そのような中、AIや数理・データサイエンス、サイバーセキュリティとシステム構築の技術、そしてバーチャルリアリティなど、情報科学技術に関する先端的技術の研究や開発と同じように、対応できるスキルを持った「高度専門人材」の育成が緊急課題となった。

高度専門人材育成への社会的要請を受け、東大情報工学系研究科では、分野や領域を超えた教育研究体制の整備といった抜本的改革を実践している。その一環として、大学と産業界の関係強化を図りながら、教育における研究活動を発展的に支えることを目的とした「UMP-JUST」が設立された。

企業との連携を強化し共同研究、共同教育を推進

UMP-JUSTでは、「新たな技術導入に意欲的な技術系専門企業」、「金融機関や保険会社などのユーザー系企業」、「スタートアップ企業」「技術系総合企業」の4グループが、それぞれに適した協力関係を確立する。それぞれのグループがもつ多様性を活かしながら、ゆるやかな統制のもとに協力体制を構築することで、より強い連携をもって大学と産業界が共同で人材育成に取り組むことが可能になるという。

大学側の研究サイドとしては、「次世代知能科学研究センター」や「数理・情報教育研究センター」など、多種多様な研究センターを通し、分野融合と領域横断による共同研究や技術支援をおこなう。例えば、PoC(Proof of Concept)やMVP(Minimum Viable Product)を作成するための環境整備のほか、System of Systemsの導入によって現在の社会的ニーズの先にあってまだ顕在化されていない社会受容性を探求する。さらに、専門のコーディネーターによる企業との共同開発プロジェクトの設定も計画しており、研究成果を社会実装に繋げて、AIやデータサイエンスの次に来る情報科学技術の発展に貢献することも目標のひとつだ。

また、人材育成の面では、分野を超越した課題解決が可能な高度専門人材に注目し、産業界からの直接的支援を得ながら育てていくことを目指す。従来の、学生に向けた奨学金や寄付金といった人材育成支援に加えて、大学院生の共同研究への参加や社会人の再教育なども推進する。幅広い分野や領域で活躍できる情報系人材の育成を加速すると同時に、量的確保にもつなげる狙いがある。

産学の強いパートナーシップにより密接な関係性を構築することで、人事やDXの領域にも大きなメリットがもたらされることが期待できそうだ。

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HRプロ編集部

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