新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、私たちの働き方は劇的に変化した。これにより、HRにも大きな変革が求められている。ここでは現代の働き方のトレンドを整理しながら、その中でHRの専門家が“新たな働き方”のために「どのように動くべきか」、「どのようにリーダーシップを発揮することが求められるか」を考える。
「働き方改革」から「働き方革命」へ向かう現代、HRに求められる変化と“新しい標準”とは
ブライアン・シャーマン 氏
登壇者:

グラマシーエンゲージメントグループ株式会社 代表取締役 ブライアン・シャーマン 氏

在米日系企業を対象に人事コンサルタントとして従事。その後米国住商情報システム人事総務部長として人事の現場を内と外の視点で支える。来日後株式会社ファーストリテイリングでのグローバル人事業務に参画。2010年グラマシーエングージメントグループ株式会社設立。日本企業の人事のグローバル化をサポートするコンサルタント・ファシリテーター・コーチとして活躍中。米国ニューヨーク州出身、米国Williams College卒 早稲田大学トランスナショナルHRM研究所 招聘研究員 【資格】コーアクティブ®・プロフェッショナル・認定コーチ (CPCC) 【著書】『英語 de 人事® 日英対訳による実践的人事』(白木三秀 と共著、文眞堂、2020年)
グラマシーエンゲージメントグループ株式会社

白木 三秀 氏
登壇者:

早稲田大学 名誉教授/国士舘大学大学院 客員教授/早稲田大学 トランスナショナルHRM研究所 顧問 白木 三秀 氏

早稲田大学政治経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。専門は労働政策、国際人的資源管理。最近の主な著作に、『国際人的資源管理の比較分析』(単著、有斐閣、06年)、『グローバル・マネジャーの育成と評価』(編著、早稲田大学出版部、14年)、『人的資源管理の力』(編著、文眞堂、2018年)、『英語de人事:日英対訳による実践的人事』(ブライアン・シャーマンと共著、文眞堂、20年)、『変革せよ!企業人事部―テレワークがもたらした働き方革命―』(早稲田新書(早稲田大学出版部)2023年7月)等がある
早稲田大学

パンデミック以降に起きた働き方の変化

シャーマン氏:新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、私たちの働き方には様々な変化が起こっています。今回はそうした変化をHRの視点から見て、特に重要と思われる3つの現象について考えていきましょう。

現象1:仕事と生活の優先順位が変わってきている
現象2:人事管理(HRM)の領域が拡大している
現象3:従来の日本の雇用慣行が、競争上の優位性を失っている

それでは【現象1:仕事と生活の優先順位が変わってきている】からお話しさせていただきます。この現象の背景には、以下の3つの要因があると考えています。

<現象1の主な要因>
(1)リモートワークの普及により、仕事よりも家庭を優先すべき場面が多くなった
(2)多くの人々が「できれば転勤や単身赴任を回避したい」と考えるようになった
(3)男性と女性の伝統的な役割分担の在り方が変化し、両方のキャリアを大切に考えることが求められるようになった

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