働き方改革に代表されるように、各企業では業務の効率化が求められています。これまで、人の力によって行われていた人事・労務などのバックオフィス業務にも、HRテクノロジーを取り入れている企業が多くなってき
ました。HRテクノロジー領域に力を入れているChatWork株式会社で執行役員CLO(Chief Learning Officer)を務める田口光氏と、株式会社Donutsソリューション事業部の石山瑞樹氏が、多様性の実現や新時代のためのHRテクノロジーに対する考え方と、その活用方法についてご説明いたします。

講師

  • 石山 瑞樹

    石山 瑞樹氏

    株式会社Donuts ソリューション事業部 部長

    バックオフィス支援クラウドサービス「ジョブカン」の1stプロダクトである「ジョブカン勤怠管理」の成長を担い、その後ワークフロー、経費精算、採用管理などのサービス展開を推進している、「ジョブカン」シリーズにおける中心人物



  • 田口 光

    田口 光氏

    ChatWork株式会社 執行役員CLO(Chief Learning Officer)

    「世界の働き方を変える」というミッションの元、ビジネスコミュニケーションツール「チャットワーク」などを運営しているChatWork株式会社にて執行役員CLO
    (Chief Learning Officer) として管理部門を担当
    働き方に対する多様性や柔軟性、生産性向上への取り組みを実践し、ミッションの体現を推進している


新時代のための人事・労務の考え方とシステム活用方法

全体像をビジネスゴールから紡いでいく

田口氏 新時代のため人事・労務の考え方とシステム活用方法として、全体像、採用、リテンション(マネジメント)、体制についてお話しさせていただきます。まず、ChatWorkにおける人事施策の全体像ですが、会社の価値観やありたい姿は何かという企業としてのミッションと、マーケットのニーズやペインは何かを組み合わせると、何を実現したいのかというビジョンが見えてきます。それに対し現状の姿を鑑みて、ギャップを埋めることが戦略です。また、企業には競合がいますので、競合の戦略を加味し、戦略目標を立てます。これらをつなげて、組織戦略に落とし込むことを意識しているのが、弊社の全体像といえます。

そのため、戦略が変わるたびに、組織も変更しています。組織が変われば、それぞれ担う役割も変わってきますので、その役割に必要なスキルや知識を向上させてきました。これはあくまでも短期的なものですが、中長期的に結果が出るコンピテンシーもあると思います。そうした組織文化を維持・成長させる行動を人事評価にも入れています。このような全体像は、ビジネスゴールから紡いでいくことを重視しています。

採用コストを高くしてマネジメントコストを減らす

新時代のための人事・労務の考え方とシステム活用方法
その中で、重要となっているのが採用です。ChatWorkでは求める人物像が何項目もありますが、そうすると狭いファネルになってしまいます。これはマスマーケティングには適さない組織フェーズです。そのため、選ぶことが難しくなるので、逆に、選ばれることを重視して、そのバランスを取っています。具体的には、書類、一次面接の後に体験入社を設けました。弊社では、人事が採用責任を持たず、部門マネージャーが採用責任を持ちます。その部門がどれほど魅力的な仕事をしているのかを語ることができるのは、部門マネージャーが適任です。体験入社を設けることによって、テクニカルスキルを見たり、カルチャーフィットの度合いを確認したりします。それを経て、部署メンバー全員のOKが出た場合、最終面接に進んで担当の役員とCLOで面接をすることにしています。

まとめると、弊社では採用コストを高くして 入社以降のマネジメントコストを減らしています。採用プロセスに手間をかけると、勤務姿勢のチェックや怠惰・不正のチェック、会社理念・倫理観の教育が不要となるため、マネジメントコストを減らすことが可能です。また、スキル・経験以上に、カルチャーフィットを重視することによって、 入社以降のリアリティ・ショックを軽減し、早期にパフォーマンスを創出できるようになります。
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