採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント第75回 2018年卒向けインターンシップの振返り ── 好評だった企業とその内容 | 採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 12/5開催 働き方改革とHRTech最前線
採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

第75回 2018年卒向けインターンシップの振返り ── 好評だった企業とその内容

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介
2017/06/30

ProFuture代表の寺澤です。
6月1日、いよいよ経団連の指針による面接選考が解禁されました。大手企業では5月までに実質的な面接が水面下で進められ、この日は確認面接だけが行われ、即日内々定を手にした学生も少なくなかったようです。依然として、カタチだけの解禁日が今年も各地で繰り広げられたといえます。HR総研では、6月下旬に企業、学生双方に採用・就職活動動向調査を行いますので、その結果はまた来月以降にお知らせします。

早くも過熱する2019年卒向けインターンシップ

さて、同じ6月1日、次の世代に向けた就職ナビが一斉にオープンいたしました。正式なオープンは来年3月1日となりますので、この時期はプレオープンと呼ばれ、2018年卒者向けに掲載された採用情報と企業情報等が閲覧できるようになっています。採用情報はあくまでも前年のものになりますので、こちらにプレエントリーできるわけではありません。プレオープン期間のメイン情報は、何と言ってもインターンシップ募集情報です。
就職のナビの2強を形成している「マイナビ」と「リクナビ」に掲載されているインターンシップ情報を確認してみましょう(いずれも6月6日現在)。

まずは「マイナビ2019」です。全掲載企業数は3,177社、掲載コース数は4,622件。開催時期で検索してみると、早くも6月に開催の情報が397社もあります[図表1]。以下、7月開催 829社、8月開催 2,256社、9月開催 1,937社、10月開催 362社、11月開催 366社、12月開催 452社、2017年1月開催505社、2月開催 586社、3月以降開催 11社と、やはり8〜9月開催が最初のピークになっています。後半開催の情報は、まだこれから順次追加掲載されていくのでしょうが、1〜2月開催の情報がこの時点ですでに500社以上掲載されています。
8〜9月開催の情報だけをベースに、開催タイプ(期間)別で確認してみると、これまで経団連が規定していた5日間以上(1週間以上)は770社なのに対して、1日タイプは1,650社と、圧倒的に1日タイプが多いことが分かります。1日タイプの掲載企業の中には、積水化学工業、第一生命保険、明治安田生命保険などの大手企業も含まれ、経団連が「5日間以上」の制約を外したことによる変化が早速現れています。

1Dayインターンシップが席巻

次に「リクナビ2019」の掲載情報を見てみましょう。掲載社数は、「マイナビ2019」の2倍以上の8,618社にも及びます。開催時期で検索してみると、6月 371社、7月 1,121社、8月 4,343社、9月 2,684社、10月 828社、11月 778社、12社 1,006社、2018年1月 1,233社、2月 2,899社、3月 157社となっています[図表2]
8月開催分だけで4,000社以上の企業のインターンシップ情報が掲載されていることも驚きですが、さらに驚くべきは来年2月開催分の情報がすでに3,000社近く掲載されていることです。最終的には何社になるのでしょうか。昨年まで「5日間以上」の制約があった大手企業の中には、サマーインターンシップは開催するものの、1〜2月に5日間以上のインターンシップの開催は難しいとの判断から開催をしてこなかった企業が少なくありません。今年、「5日間以上」の制約がなくなったことで、1〜2月に開催される大手企業の1日タイプのインターンシップが急増することが予想されています。
こちらも8〜9月に絞って開催タイプ(期間)別で確認してみると、1週間以上タイプは1,338社なのに対して、1日タイプは実に3,088社にも及びます。1日タイプは、開催日が複数設定されていることがほとんどであること、1開催当たりの受け入れ人数が1週間以上タイプよりも格段に多いことを考えると、総受け入れ人数では比べものにならないほどの差になります。学生の志向も、1週間以上タイプで深く体験するよりも、1日タイプに数多く参加することに向いてしまっているようです。本来のインターンシップとはどんどんかけ離れてしまい、ここでも日本独特の“ガラパゴス”状態になりつつあります。

プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年慶應義塾大学文学部卒業。就職情報会社に入社後、企画制作部長などを経て、2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役などを経て、2007年採用プロドットコム(現社名=HRプロ)を設立、代表取締役社長に就任、現在に至る。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用、人事関連のコンサルティングを行ってきた。現在はHRプロ代表とともにHR総合調査研究所所長を兼任し、人事領域全般を対象にした調査、研究を実施している。
HRプロは人事担当者のポータルサイトとして約8千社、1万4千人の会員(2012年3月現在)を持ち、採用、人材育成、人事労務など、人事関連の最新情報を提供している。

<執筆、出演、記事掲載メディア等>
「週刊東洋経済」「東洋経済オンライン」「日経ビジネス」「日経アソシエ」「労政時報」「企業と人材」「人材教育」「人事マネジメント」「企業実務」「NHK(テレビ、ラジオ)」「朝日新聞」「読売新聞」 「日本経済新聞」「産経新聞」「文春」「アエラ」「サンデー毎日」など

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
WEB労政時報体験版はこちら

12/5開催 働き方改革とHRTech最前線

関連リンク

  • 特別読み切り

    『モモ』に学ぶ、“聴く”ことと“時間”の大切さ

    『モモ』はドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品。人間が時間泥棒に盗まれた時間を取り返してくれた女の子の物語だ。40年以上前に書かれた本だが、働き方改革を行っている現代日本でも、大変参考になる部分が多い。働き方改革の目指すものは、いわば、長時間労働とマスが支えた生産から、適正な時間と個々の持ち味・能力を活かした生産へ変革すること、そして、働く人々の心を豊かにすることだ。『モモ』において主人公の女の子モモは、いかにして周りの人々の心を豊かに変えたか、他ならぬ「相手の話を聴く」ことによってである。

  • 大学の就職支援室からみた新卒採用

    第61回 応募倍率の罠

    最近、特に行政関係の方から「民間企業の採用意欲が旺盛で公務員志望者が少なくなっている、学内で求人説明会をやらせて欲しい」という依頼を受けることが多くなりました。応募者が集まらないのは認知度が低くアピールが足りないためではないか。もっと知ってもらう機会が必要なので、大学で直接学生にアピールさせてほしい、というロジックのようです。

  • 書籍レビュー

    『人材育成ハンドブック――いま知っておくべき100のテーマ』 ―― 人材育成を網羅・俯瞰した実用性の高い参考書

    働き方に関する考え方や仕事のやり方の変化、人材の多様化など、時代の変化が目まぐるしい中、企業における人材育成の在り方・やり方の見直しは急務となっている。さらにAIの登場などテクノロジーの進歩で、人間にしかできないことも問われていると言えるだろう。 本書は、のべ13,000社・200万人以上の人材育成をサポートしてきたトーマツ イノベーション株式会社により、人材育成に関する基礎知識や理論が広範に収録。再認識しておきたい用語・概念から新たに学びを必要とする領域までを網羅しており、経営層や人事担当者の参考書としても活躍する一冊となっている。

  • マネジメント、リーダーシップを超える力、「イノベーターシップ」

    第9回 イノベーターシップを実現するライフシフト〜30代での挑戦の意味とは?〜

    この連載では、多摩大学大学院のキーコンセプトである「イノベーターシップ」について述べている。前回からは「イノベーターシップを実現するためのライフシフト」について考えており、今回のテーマは「30代での自分づくり」だ。人生100年時代において、イノベーターシップを生涯現役として発揮しつづけるためには、自分らしいライフシフトを実現し続けなければならない。そのためには、30代をどのように位置づけ、どんな風に過ごしたらいいのだろうか。

  • 特別読み切り

    セルフ・キャリアドック導入の効果的な導入方法(その効用について)(4) 「外的キャリア」の不可解さ ── 「複合頭脳」と身体性

    2015年に閣議決定された「日本再興戦略」において、雇用制度改革・人材力強化のための施策の一つとして織り込まれ、また、2016年度より「キャリア形成促進助成金」(2017年度より「人材開発支援助成金」)の支給対象制度になった「セルフ・キャリアドック」。 中小企業においても導入が進んでいるが、効果的な導入運用方法について考えてみたい。

  • 人事の人生

    巨大カンパニーの「職場復帰支援強化」への挑戦

    メンタルヘルス対策についてお客様にお悩み事を伺うと、「職場復帰支援」に関することは、「お悩みトップ3」に入るといっていいだろう。 今回は、国内グループ連結従業員数20万人を超える巨大カンパニーを束ねる人事ご担当者(産業保健・衛生分野ご担当)の松島(仮名)さんに、インタビューを実施した。