株式会社マイナビは2025年8月20日、2027年卒業予定の大学生・大学院生(以下、27卒生)を対象とした「大学生キャリア意向調査7月<インターンシップ・キャリア形成活動>」の結果を発表した。調査期間は2025年7月20日~31日で、27卒生1,856人から回答を得ている。調査結果から、7月時点でのキャリア形成活動の参加率や夏季インターンへの参加意向や学生が理想とする就活スタイルなど、27卒生の最新動向が明らかになった。

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【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も

夏休みを前にキャリア形成活動の参加率が大幅に上昇

2027年卒の就職活動は、引き続き人材獲得競争が激化する「売り手市場」の様相を呈している。企業側ではインターンシップやオープン・カンパニーの拡充、早期接点を重視した取り組みが広がり、学生のキャリア形成活動も年々早期化・多様化しているようだ。こうした中、夏休み前の時点での27卒生の就活動向はどのようになっているのだろうか。

マイナビの調査によると、27卒生における7月のキャリア形成活動参加率は60.8%に達した。前月(6月)と比べて11.6ポイント増加しており、特に「仕事体験」への参加は26.4%(前月比12.6ポイント増)と大幅に伸びている。夏季休暇が近づくことで時間的な余裕が生まれ、企業イベントやインターンシップに参加しやすくなったことが背景にうかがえる結果だ。
【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も

夏季インターン参加意向は96.4%。理系学生は長期プログラムを志向

「夏季休暇中にインターンシップや仕事体験に参加したい」と答えた学生は96.4%と、ほぼ全員に近い結果となった。参加したいプログラムの形態をみると、単日で参加できる「オープン・カンパニー型」(企業説明会や業界イベント)が19%で最多であったが、就業体験を伴うプログラムも依然として根強い人気を持っている。
【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も
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特に注目されるのは理系学生の傾向で、「5日以上の長期プログラムに参加したい」と回答した割合は理系が23.9%にのぼり、文系の12.4%を11.5ポイント上回った。理系学生は、研究や専攻内容を社会や仕事にどう応用できるかを意識する傾向が強く、短期型よりも長期型で業務理解を深めたいニーズが高いことがうかがえる。
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学生が求めるのは「入社後数年のリアル」

インターンシップにおいて「話を聞いてみたい人」および「一緒に働いてみたい人」として、「2~5年目の若手社員」を挙げた学生が約7割に上った。1年目よりも業務に慣れ、かつ管理職層ほど距離感が遠くないことから、「数年後の自分をイメージできる存在」として学生に支持されていることが分かる。

なお、自由回答では「現場の実態を理解できそう」、「社会人として成長した姿を知りたい」、「年齢が近くて相談しやすい」といった声が目立った。企業としては、採用広報やインターン設計において、この層の若手社員を積極的に登場させることが、学生の期待に応える有効な手段になりそうだ。
【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も

理想の就活スタイルは「早く始めて、じっくり決めたい」が最多

理想とする就活スタイルについては、「早型・長期」(早く始めてじっくり決めたい)が51.7%と過半数を占めた。学生の多くは早い段階から情報収集を行い、複数企業を比較しながら時間をかけて進路を決めたいと考えているようだ。
【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も
一方で、マイナビが26卒学生を対象に実施した調査では、79.9%が「就活疲れを感じた」と回答しており、就職活動の長期化が精神的・身体的な負担につながる現実も浮かび上がっている。理想の就活スタイルを追求する中で、企業側からの情報提供や支援が不足すると、学生は「理想と現実のギャップ」に直面しやすくなり、結果としてモチベーション低下や活動停滞を招く可能性もありそうだ。
【27卒採用】96.4%の学生が夏季インターンを希望。理系は“長期志向”、就活長期化による「疲れ」の懸念も
本調査からは、2027年卒学生のキャリア形成に対する積極姿勢が浮き彫りになった。夏季インターンへの参加意欲は非常に高く、特に理系学生は長期志向が強いことが明らかである。また、学生は入社後数年のリアルな姿を求めており、若手社員との接点を重視している。さらに「早く始めてじっくり決めたい」という理想像と、就活長期化による疲労感とのギャップも確認された。企業にとっては、学生のニーズを的確に捉えたプログラム設計と、質の高い情報の早期提供が、今後の採用活動において一層重要となるだろう。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002238.000002955.html

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