パーソルキャリア株式会社は2025年10月29日、「27卒学生(大学3年生・修士1年生)夏インターンシップ・オープンカンパニー参加後 実態調査」の結果を発表した。調査期間は2025年9月22日~28日で、27卒生275人から回答を得ている。調査結果から、27卒学生の就職活動の傾向や動向などが明らかになった。

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【27卒就活】9割がオープンカンパニー参加、“早期化”の一方で「選考企業の厳選」も顕著に。関心は“数”から“質”に変化か

約9割の学生がオープンカンパニーに参加。インターン参加は4割弱に

27卒採用でも「早期化」と「多様化」が一段と進んでいる。近年は採用広報の解禁前から学生との接点を持つために、1dayプログラムやオープンカンパニーを導入する企業が急増。学生にとっても、短期間で多くの企業を知る機会として一般化しつつある。一方で、プログラムの短期化や内容の形式化により、「企業理解が深まらない」「志望度形成につながりにくい」といった声も挙がっており、“早期接点の質”が新たな課題となっている。人材獲得競争の激化とともに学生側の行動や志望傾向も年々変化しているが、実際に27卒学生の就職活動はどのように進んでいるのだろうか。

はじめに、今夏のインターンシップ・オープンカンパニーの「参加状況」について尋ねると、89.1%がオープンカンパニーに参加しており、前年の26卒調査から2.6ポイント上昇した。
今夏のオープンカンパニーの「参加状況」
一方で、5日間程度のインターンシップ参加は38.2%にとどまったものの、前年の35.2%から微増。学生の参加意向自体は高いが、選考制プログラムの増加などにより、応募しても参加に至らないケースが一定数あるとみられる。
今夏のインターンシップの「参加状況」
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次に、「インターンシップ・オープンカンパニーに参加してよかった理由」について尋ねている。すると、「志望企業のことが理解できた」(43.3%)が最多となり、次いで「志望企業が明確になった」(38.5%)が続いた。早期接点を通じて“志望形成のきっかけ”を得る学生が多いことがわかる。
インターンシップ・オープンカンパニーに参加してよかった理由

選考に進む企業数は厳選傾向。一方で「志望企業への意欲」は上昇

「本選考に進もうと思った企業数」を尋ねたところ、「2社」(21.5%)が最多だった。一方、「5社以上」と回答した学生は24%で、前年より3.1ポイント上昇している。
本選考に進もうと思った企業数
さらに、「これから本選考を受けようと思っている企業」についても、「5社以上」が45.8%と前年の40.4%から増加しており、学生の選考意欲は決して低下していないことがうかがえた。

これらのことから、学生は闇雲に多くの企業に応募するのではなく、“参加を通じて理解が深まった企業に絞って選考に進む”傾向が強まっているといえる。企業にとっては、単なる早期接点ではなく「エントリーにつながる体験設計」が採用成果を左右するポイントになりそうだ。
これから本選考を受けようと思っている企業

4割が「大学4年の春」までに就活終了を希望。選考・内定の前倒しが進行

続いて、「就活を終えたい時期」を尋ねた結果では、「25年12月まで」から「26年4月まで(大学4年4月)」との回答が41.8%を占めた。26卒調査と同様に、大学4年春までに就職活動を終えたい学生が全体の4割を超える結果となり、選考・内定時期のさらなる早期化がうかがえる。
就活を終えたい時期
27卒採用市場では、オープンカンパニーを中心に学生と企業の接点がさらに前倒しされている一方で、学生は「自分に合う企業」を見極める姿勢を強めていることが分かった。闇雲に多くの企業に応募するのではなく、“参加を通じて理解が深まった企業に絞って選考に進む”傾向を強めているようだ。企業側としては、学生が本選考を受ける企業を早期に決める傾向が強まる中で、夏から秋にかけての情報発信や接点づくりの戦略を見直す必要がありそうだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000932.000022215.html

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