内定者充足率の低い企業ほど選考時期を早める傾向

2027年卒採用の面接開始時期を月ごとの割合を見てみると、大企業では「2025年6月」までに開始している企業が21%と2割程度あり、中堅企業の10%、中小企業の8%と比べると2倍以上となっており、大企業が先行して面接を開始していることがうかがえます[図表9]
[図表9] 企業規模別 2027年卒採用の面接の開始時期(予定含む)
「2025年10月」までに開始する予定の割合を見ると、大企業と中堅企業で38%、中小企業では33%となっており、この時期までには中堅企業は大企業と同程度のペースで4割近くが開始するとしています。

月ごとに見た面接開始時期のピークは、すべての企業規模で「2026年3月」(「2026年3月前半」と「2026年3月後半」の合計)となっていますが、大企業15%、中堅企業20%、中小企業24%と、企業規模が小さくなるほどその割合は高くなっています。

2026年卒採用の内定者充足率別に比較してみると、インターンシップが最盛期となる以前の「2025年7月」までに開始する割合は、「内定者充足率80%以上」の企業群では12%と1割程度にとどまるのに対して、「内定者充足率20~80%未満」では17%と2割に近くなり、「内定者充足率20%未満」では27%と3割近くになっています[図表10]
[図表10] 2026年卒の内定者充足率別 2027年卒採用の面接の開始時期(予定含む)
内定者充足率が低い企業群ほど、早期から面接選考を開始する傾向が顕著に表れているといえます。

内定者充足率別に、2027年卒採用の面接の開始時期を2026年卒採用と比較してみると、いずれの充足率においても「ほぼ変わらない」が最も多く7~8割程度に上っており、「遅くなる」とする企業はないことが分かります[図表11]
[図表11] 2026年卒の内定者充足率別 2027年卒採用の面接の開始時期(2026年卒採用との比較)
「早くなる」(「2週間程度早くなる」~「1カ月以上早くなる」の合計)の割合は、「内定者充足率80%以上」の企業群では16%と2割未満なのに対して、「内定者充足率20~80%未満」では29%と3割近く、「内定者充足率20%未満」では32%と3割を超えており、内定者充足率が低い企業ほど2026年卒採用よりも面接時期を早めようとしていることがうかがえます。特に「内定者充足率20%未満」では「1カ月以上早くなる」が27%と3割近くにも達しており、2027年卒採用活動のさらなる早期化を計画しているようです。

中堅企業で大企業よりも内定出しのペースが早まる可能性

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