上位グループは複数日程の対面型、下位グループは半日のオンライン型

学生が望ましいと考えるインターンシップの日数タイプについて、「対面型」と「オンライン型」に分けて、全体の傾向のほか、大学区分別の特徴を見ていきましょう。

まずは、「対面型インターンシップの望ましい日数タイプ」です。全体では、「2~3日タイプ」が37%と4割近くで最も多く、次いで「1週間程度タイプ」(24%)、「1日タイプ」(23%)が続きます[図表12]。せっかく会社や会場まで足を運ぶのであれば、「半日タイプ」では物足りないと感じるのか、「半日タイプ」を推す割合はわずか9%にとどまり、「1日タイプ」と合わせた“1日タイプ」以下”を望む割合は32%と3割程度となっています。

大学区分別で比べると、「旧帝大クラス」「早慶大クラス」「上位国公立大」では“1日タイプ以下”を望む割合はいずれも2割未満で、残りの8割以上が“2~3日タイプ以上”の比較的長期間タイプを望んでいます。一方、「上位私立大」「その他国公立大」「中堅私立大」「その他私立大」では、“1日タイプ以下”を望む割合は3割以上となっており、中でも「上位私立大」は54%と半数を超え、「その他私立大」でも48%と半数程度に上っています。したがって、上位クラスの学生のほうが“2~3日タイプ以上”を求める割合が高い傾向にあることがうかがえます。
[図表12]大学区分別 対面型インターンシップの望ましい日数タイプ
続いて、「オンライン型インターンシップの望ましい日数タイプ」です。全体では、「1日タイプ」が39%でほぼ4割を占め、最多となっています[図表13]。「半日タイプ」も38%とほぼ同程度の高い割合となっています。「2~3日タイプ」は17%で2割に満たず、「1週間程度タイプ」(6%)と合わせてようやく2割を超えます。

大学区分別で比べると、「1日タイプ」の割合は「その他私立大」を除いて4~5割程度で大きな差異はないものの、「半日タイプ」は大学区分によって大きく異なります。「旧帝大クラス」と「早慶大クラス」がそれぞれ13%、19%と2割未満なのに対して、「上位国公立大」「上位私立大」「その他国公立大」「中堅私立大」では3~5割近くとなっており、「その他私立大」に至っては74%とほぼ4分の3に上ります。「インターンシップ(オープンキャンパス)」というよりも、「セミナー」の感覚で捉えている学生が多いようです。

“1日タイプ以下”を望む割合を見ると、「旧帝大クラス」が最も低くて58%と6割程度、次いで「早慶大クラス」が69%と7割程度、「上位国公立大」をはじめ残りの大学区分は全て8割以上を望んでおり、オンライン型では対面型と異なり、中長期タイプを望まない学生が圧倒的に多いことが分かります。
[図表13]大学区分別 オンライン型インターンシップの望ましい日数タイプ
就職活動の初期のステップとして、学生はさまざまなタイプの就活サイトに会員登録し、気になる業界の動向情報のほか、インターンシップの募集情報やエントリー、過去のエントリーシートの内容をはじめとした先輩の就活体験談など、多くの情報を収集するために活用します。2025年3月までの「就職活動中に活用している就活サイト」を複数回答で聞いた結果について、文理別にまとめたものが[図表14]です。

まず、文系においては、「マイナビ」が88%と9割近くで最多、次いで「リクナビ」が61%と6割、「就活会議」が51%で半数、「ONE CAREER」が43%で4割などとなっています。上位二つに挙がる就活サイトは、例年どおりの傾向が続いているようです。

理系においては、「マイナビ」が最多であるものの79%と8割程度にとどまり、次いで「リクナビ」が57%と6割に届かず、「就活会議」と「ONE CAREER」がそれぞれ51%、49%で僅差となり、ともに半数程度となっています。上位に挙がる就活サイトの並び順は文系と同じでありながら、各サイトの割合で見ると、「マイナビ」の割合は文系より理系のほうが9ポイント低く、逆に「ONE CAREER」は文系より理系のほうが6ポイント高くなっているなど、文系と理系による違いもわずかながら見られます。また、理系では、「LabBase」(32%)、「TECH OFFER」(25%)、「アカリク」(13%)と、理系学生に特化した就活サイトが三つもランクインしています。
[図表14]文理別 活用している就活サイトTOP10(複数回答)
「就職活動中に“最も”活用している就活サイト」について、文理別にまとめたものが[図表15]です。

文系・理系ともに上位二つは同じで、「マイナビ」が1位、「ONE CAREER」が2位となっていますが、得票率で比較すると、「マイナビ」は理系より文系のほうが高く52%と過半数に上る一方、「ONE CAREER」については文系より理系のほうが高く26%と4分の1以上を獲得しています。[図表14]では文系・理系ともに2位だった「リクナビ」は、文系では4位、理系では3位にランクダウンするだけでなく、それぞれ得票率は5%、8%と、ともに1桁台にとどまり、ポイント落差は最大となっています。「リクナビ」を活用はしているものの、メインで活用している学生は多くないということになります。
[図表15]文理別 “最も”活用している就活サイトTOP5
最後に、大学区分別に「“最も”活用している就活サイト」を見てみると、「旧帝大クラス」では、「ONE CAREER」が42%で1位となっており、次いで「マイナビ」が24%となっています[図表16]。全体では、文系・理系ともに「マイナビ」がトップで、「ONE CAREER」は20%台でしたが、立場が逆転しています。また、「OpenWork」の得票率が11%で3位に食い込んでいます。

「上位私立大」では、順位こそ全体と同じく1位「マイナビ」、2位「ONE CAREER」となっていますが、こちらも「ONE CAREER」の得票率が伸びており、30%と1位の「マイナビ」とはわずか4ポイント差となっています。

「中堅私立大」では、「マイナビ」が70%と7割にも達している一方、「就活会議」(8%)が「ONE CAREER」を上回って2位にランクインしています。「旧帝大クラス」では4割以上の支持を受けていた「ONE CAREER」ですが、「中堅私立大」ではわずか5%の支持にとどまる結果となっています。

このように、文系と理系や大学区分によっても、活用度の高い就活サイトは異なる傾向がうかがえます。どの層の学生をターゲットにするかによって、利用する就活サイトを見直す必要があるかもしれません。
[図表16]大学区分別 “最も”活用している就活サイトTOP5
次回も、引き続き「2026年新卒学生の就職活動動向調査(3月)」の結果から、面接や内定などの具体的な就職活動の傾向を探っていきます。

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