「2024年12月」までに8割が面接を経験

インターンシップの事前選考は含まないものとして、初めて面接を受けた時期について見てみましょう。文理別に比べてみると、文系では「2024年10月」が17%で最多、次いで「2024年12月」(13%)、「2024年11月」(11%)と続きます[図表9]。一方の理系は、「2024年12月」が17%で最多、次いで「2024年11月」(16%)、「2025年1月」(15%)、「2024年10月」(12%)と続き、この4カ月間に初めて面接を受けた学生が6割を占めます。

「2024年4月」と「2024年5月」は文系が理系を上回り、「2024年6月」には理系が文系を上回るものの、「2024年6月」までに初めて面接を受けた割合では、文系23%、理系19%とやや文系のほうが多くなっています。「2024年10月」までで比べてみると、文系は58%と6割近くが面接を受け始めているのに対して、理系は47%とまだ半数に満たないペースとなっています。その後、「2024年11月」「2024年12月」は理系で面接を受け始める学生が増加し、「2024年12月」までで比較すると文系82%、理系80%とどちらも8割程度で並びます。学部3年(大学院1年)の12月までに大多数の学生が面接を受け始めている実態が浮かび上がります。
[図表9]文理別 初めて面接を受けた時期

キャリアプランの有無が早期内定にも関係あり

ここからは、内定に関する調査結果を取り上げます。まずは、文理別の2025年3月上旬時点で内定を受けた社数です。まだ1社からも内定を受けていない「0社」の割合は、文系23%、理系21%で、裏を返せば3月上旬時点の内定率はそれぞれ77%、79%と8割近いことが分かります[図表10]。最も多いのは、文系・理系ともに「1社」で、それぞれ33%、29%と3割程度となっています。残りは“2社以上”(「2社」~「10社以上」の合計)の複数内定を取得しており、文系で44%、理系では50%と半数に上っています。理系の内定取得が文系よりも早いペースで進行している様子がうかがえます。また、文系・理系ともに1割以上の学生が、既に“4社以上” (「4社」~「10社以上」の合計)の内定を取得していることが見て取れます。
[図表10]文理別 2025年3月上旬時点での内定社数
内定取得者を対象に、そのうちインターンシップに参加した企業からの内定社数を確認したところ、文系では「0社」が39%と4割程度だったのに対して、理系は29%と3割程度となっており、残りの文系の約6割、理系の約7割はインターンシップが内定につながっていることが分かります[図表11]。インターンシップをきっかけとした内定の割合が、理系のほうが10ポイント高くなっています。社数では、文系・理系ともに「1社」がそれぞれ32%、31%と3割程度を占め、最も多くなっています。“2社以上”のインターンシップ先から内定を取得しているのは、文系では28%と3割程度、理系では40%と4割に上ります。ただし、文系の中には、わずかながら「10社以上」という猛者もいます。
[図表11]文理別 インターンシップ経由での内定社数
2025年3月上旬時点で内定を受けた社数をキャリアプランの有無別に比較したグラフが[図表12]です。「0社」の割合は、キャリアプランを「明確に持っている」学生群17%と2割未満、「ぼんやりとしたイメージは持っている」学生群24%、「イメージを持っていない」学生群40%と、キャリアプランの有無によって内定の状況が異なっていることが分かります。内定社数「1社」では、「明確に持っている」学生群(31%)と「ぼんやりとしたイメージは持っている」学生群(32%)の間にはほとんど差がないのに対して、「イメージを持っていない」学生群は25%となっており、少なくとも何らかのイメージを持っているかどうかで6~7ポイントの差が見られます。また、“2社以上”で比較すると、「明確に持っている」学生群は52%と半数を超えるのに対して、「ぼんやりとしたイメージは持っている」学生群は44%、「イメージを持っていない」学生群はさらに少ない35%と、イメージの有無だけでなく、その明確さによっても顕著な差異が見られます。文系で「10社以上」の内定を保有するのも、「明確に持っている」学生でした。「明確に持っている」学生群ほど、インターンシップに積極的に参加し、それを成果(内定)につなげている様子がうかがえます。また、「明確に持っている」学生群は、採用する企業にとっても採用要件に沿う人材が多かったものと推測されます。
[図表12]キャリアプランの有無別 2025年3月上旬時点での内定社数

早々に内定承諾する学生たち

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