長期休暇中に集中する対面型インターンシップ参加

次に、インターンシップへの参加時期を「対面型」と「オンライン型」に分けて、それぞれの状況を文理別に比較していきます。

まずは、「対面型インターンシップ」への参加時期です。最も多かったのは、文系は「2024年8月」で64%、理系は「2024年8月」と「2024年9月」が62%で並びます[図表9]。文系も次いで「2024年9月」が高く、58%と6割近くとなっています。文系では、その前後の「2024年7月」と「2024年10月」もそれぞれ32%、40%と3割を超えていますが、理系はそれぞれ25%、26%となっており、ピークの2カ月間との落差が大きくなっています。

その後、「2024年12月」に文系・理系ともに37%、38%と4割近くに盛り返すものの、それ以後は下降の一途をたどります。
[図表9]文理別 対面型インターンシップ参加時期(複数回答)
一方、「オンライン型インターンシップ」への参加時期を見ると、ピークは「2024年8月」で対面型と変わらないものの、参加率は文系が71%と7割を超えるのに対して、理系は61%と10ポイントの差がついています[図表10]。次いで、文系・理系ともに「2024年9月」が高いものの、参加率はそれぞれ63%、54%とやはり10ポイント近い差がついています。「2024年10月」から「2024年12月」までは、文系・理系ともに30%以上の参加率が続くなど、「対面型」と比較すると参加率は高くなっています。

また、「オンライン型インターンシップ」の特徴として2点挙げられます。一つは、「2024年10月」では文系50%に対して理系39%となるなど、すべての月で文系の参加率が理系を上回っていること。もう一つは、「2024年12月」は「2024年11月」と比べて、文系では4ポイント盛り返したものの、理系では逆に5ポイント減少するなど、「対面型」で見られた「2024年12月」が二つ目のヤマにならなかったことです。「対面型」のインターンシップ参加時期は、おのずと長期休暇期間に集中しやすい傾向にならざるを得ないのでしょう。
[図表10]文理別 オンライン型インターンシップ参加時期(複数回答)

文系はリクルーターフォローが倍増

インターンシップに参加した企業からの事後のアプローチについて見てみると、最も多かったのは「早期選考会の案内」で、文系81%、理系83%と8割を超え、大半の学生がインターンシップ参加から早期選考へとつながっていたことが分かります[図表11]。2025年4月の本稿で紹介した、2024年12月実施の「2026年新卒学生の就職活動動向調査(12月)」(以下、12月調査)の結果では、「早期選考会の案内」は文系(69%)・理系(71%)ともに7割程度でしたので、3カ月の間に10ポイント以上増加しており、2024年12月~2025年2月に早期選考会を実施した企業が少なくなかったことがうかがえます。

次いで「(プレ)エントリー受付の開始案内」が文系56%、理系42%で続きますが、文系と理系でほとんどポイント差がなかった「早期選考会の案内」と比べると、文系と理系の間には14ポイントもの開きがあります。また、12月調査の結果と比べて、理系(41%→42%)はほとんど同じ割合なのに対して、文系(45%→56%)は10ポイント以上増加しています。理系には(プレ)エントリーを免除し、文系には改めて(プレ)エントリーの提出を求める企業があることが推察されます。

その他、12月調査からポイントの変化が見られた項目として、「リクルーターからのフォロー」が挙げられます。12月調査からの変化を比較すると、文系15%→30%、理系24%→29%と、いずれも3割程度の学生がリクルーターとの接触を挙げており、特に文系では倍増しています。選考会への参加誘導から早期内定者のフォローまで、企業の選考の進捗(しんちょく)によって、リクルーターの役割が広がっていることが推察されます。
[図表11]文理別 インターンシップ参加後の企業からのアプローチ(複数回答)

上位グループは複数日程の対面型、下位グループは半日の...

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