企業規模により振り返り効果に違い

では、振り返りを実施した企業は、どのような項目を26卒採用に向けたKPIとして設定したのでしょうか。複数回答で聞いたところ、大企業では「内定承諾数・内定承諾率(内定辞退率)」がトップで50%とちょうど半数、次いで「内定数・内定率」(46%)、「インターンシップ応募者数」「選考辞退率」(ともに38%)が続きます[図表5]
[図表5]企業規模別 26卒採用向けにKPIとして設定された項目(複数回答)
中堅企業においても「内定承諾数・内定承諾率(内定辞退率)」が47%で最多であるものの、「内定数・内定率」は29%と3割を下回り、代わりに「エントリー数・エントリー率」と「セミナー・会社説明会参加者数・参加率」がともに35%で2位となっています。

一方、中小企業では「セミナー・会社説明会参加者数・参加率」が50%で最多となっており、次いで「内定承諾数・内定承諾率(内定辞退率)」、「内定数・内定率」、「エントリー数・エントリー率」、「セミナー・会社説明会応募者数」がいずれも45%で並んでいます。大企業や中堅企業と同様に「内定」を重要なKPIとしつつも、採用活動の初期段階である「エントリー」や「セミナー・会社説明会」をKPIとしてより重視しているところに、応募母集団形成に苦戦している様子がうかがえます。

では、前年度までの振り返りと課題抽出を実施した企業では、ここまでの26卒採用において、どの程度の効果が出ているのでしょうか。企業規模別に見ると、大企業では“効果が出ている”(「十分に効果が出ている」と「ある程度効果が出ている」の合計)が75%、“効果が出ていない”(「あまり効果が出ていない」と「全く効果が出ていない」の合計)が25%で、 “効果が出ている”企業の割合が圧倒的に高くなっています[図表6]
[図表6]企業規模別 26卒採用における25卒採用の振り返りによる効果
中堅企業では、“効果が出ている”は大企業より10ポイント低い65%、“効果が出ていない”は30%で、中小企業では“効果が出ている”は40%と4割にとどまり、逆に“効果が出ていない”が45%で逆転しています。規模が小さくなるほど、抽出した課題に対して何らかの対策を施しても、その効果を十分に感じられていない現状がうかがえます。対策が不十分だった企業もあるかもしれませんが、中小企業を取り巻く環境自体が年々厳しくなっていることは否めないと思います。

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