セミナー参加段階で絞り込みが進む理系

次に、セミナー・会社説明会(以下、セミナー)への参加状況を開催形式別に見てみましょう。対面型のセミナーへの参加社数では、文系・理系ともに「0社」が最も多く、それぞれ47%、50%と半数程度となっています[図表2]。参加した社数を比較してみると、文系では「4~5社」が最多で13%、次いで「3社」(11%)、「1社」「6~10社」(ともに10%)で続きます。一方、理系では「1社」が21%で突出して多くなっており、次は「2社」8%、「3社」「4~5社」(ともに6%)などとなっています。インターンシップでは対面型を重視してきた理系ですが、セミナーでは対面型へのこだわりはそれほど強くないようです。
[図表2]文理別 対面型セミナー・会社説明会参加社数
オンライン型セミナーへの参加状況では、「0社」は文系11%、理系13%にとどまり、セミナーは対面型よりもオンライン型への参加が中心となっていることが分かります[図表3]。最も多かったのは、文系・理系ともに「6~10社」で、それぞれ22%、20%と2割程度となっています。文系では、「21社以上」(18%)が2割近くあり、「4~5社」(15%)が続きます。一方、理系は「4~5社」(18%)が2割近くあり、「3社」(10%)、「1社」(9%)が続き、文系で2割近かった「21社以上」は7%にとどまります。

プレエントリーの社数では、理系も文系と大きな差異は見られない活動量でしたが、セミナーへの参加社数では、対面型、オンライン型のいずれにおいても、文系のほうが理系よりも顕著に多くの社数に参加している様子がうかがえます。理系は、セミナーへの参加の段階で、企業を絞り込む傾向が強いようです。
[図表3]文理別 オンライン型セミナー・会社説明会参加社数

キャリアプランの有無による活動ペースの差が歴然

セミナーに初めて参加した時期を文理別と、2025年6月の本稿でも取り上げたキャリアプランの有無別でも比べてみます。

文理別では、文系・理系ともに最多は「2024年6月」で、それぞれ20%、23%と2割程度であり、次いで「2024年5月」がそれぞれ13%、20%で続きます[図表4]。「2023年12月以前」から「2024年3月」まではいずれも文系が理系を上回るペースでセミナーに参加し、「2024年4月」から「2024年7月」までは理系のペースのほうが上回ります。就職ナビがプレオープンした「2024年6月」までにセミナーに参加した経験のある割合は、文系59%に対して理系は63%と、理系のほうがやや高くなっています。

一方、「2025年1月」以降に初めてセミナーに参加した割合は、少数派ではあるものの、文系3%に対して理系はその倍の6%となるなど、のんびり動き出すタイプも理系のほうが多くなっているようです。
[図表4]文理別 初めてセミナー・会社説明会に参加した時期
次に、キャリアプランの有無別で比べてみます。「2024年6月」までにセミナーに参加した経験のある割合は、キャリアプランを「明確に持っている」学生群が68%と7割近いのに対して、「ぼんやりとしたイメージは持っている」学生群58%、「イメージを持っていない」学生群は45%で半数に満たないなど、キャリアプランがある学生ほど早くからセミナーに参加していることが分かります[図表5]。「2025年1月」以降に初めてセミナーに参加した割合でも、「明確に持っている」学生群5%、「ぼんやりとしたイメージは持っている」学生群 3%、これに対して「イメージを持っていない」学生群は15%と、「イメージを持っていない」学生群が顕著に高くなっています。キャリアプランがある(=目標がある)学生ほど早く動き出し、そうでない学生は周りが動き出してから仕方なく自分も動き出す様子がうかがえます。
[図表5]キャリアプランの有無別 初めてセミナー・会社説明会に参加した時期

面接は依然としてオンライン型が主流派

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