キャリアプランの有無が、仕事に専門性を活かしたい意向に大きく影響

次に、自身の専門性を活かして働くことへの意向について、まずは文系と理系で違いを比較してみます。文系では「学部や大学院での授業で培った知識を活かしたい」が最多で35%、「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」の12%と合わせた“専門性を活かしたい”の割合は47%と半数以下となっており、「専門性や文系・理系の特徴を活かしたいと思わない」の21%をはじめ、専門性にこだわらない学生が半数以上いることがうかがえます[図表3]

一方、理系では「学部や大学院での授業で培った知識を活かしたい」が最多で38%と4割近く、次いで「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」が30%で、“専門性を活かしたい”が68%と7割近くにも上っています。「専門性や文系・理系の特徴を活かしたいと思わない」は、文系の21%に対してわずか4%にとどまるなど、専門性にこだわらない理系学生は2割程度と少数派になります。これまでの調査でも見られたように、文系より理系のほうが“専門性を活かしたい”とする学生の割合が顕著に高いことが分かります。
[図表3]文理別 自身の専門性を活かして働くことへの意向
続いて、自身の専門性を活かして働くことへの意向についてキャリアプランの有無別に見ると、“明確に持っている”学生群では「学部や大学院での授業で培った知識を活かしたい」が45%と半近くを占め、「研究活動で培った知識や経験を概ねそのまま活かしたい」と合わせた“専門性を活かしたい”は65%と3分の2近くに及び、“専門性を活かしたい”は“ぼんやりとしたイメージは持っている”学生群では54%と半数を超えるものの、“イメージを持っていない”学生群では30%にとどまります[図表4]。また、“イメージを持っていない”学生群では「専門性や文系・理系の特徴を活かしたいと思わない」が25%と4分の1を占めるなど、キャリアプランが明確な学生ほど仕事に専門性を活かしたい傾向が顕著となっています。
[図表4]キャリアプランの有無別 自身の専門性を活かして働くことへの意向
2025年5月の本稿では、就職活動を開始した時期について、文理別と大学区分別に比較しましたが、今回はキャリアプランの有無別に違いを見てみましょう。

“明確に持っている”学生群では、「2024年4月」が24%で最も多く、次いで「2024年6月」(20%)、「2024年5月」(16%)、「2024年3月」(10%)などが多くなっています[図表5]。「2023年12月以前」から「2024年4月」までを合わせた“2024年4月以前”に開始している割合を比較すると、“明確に持っている”学生群では40%を占め、大学区分別で見た「旧帝大クラス」(45%)、「早慶大クラス」(43%)に準ずる高い割合となっています。

一方、“ぼんやりとしたイメージは持っている”学生群でも「2024年4月」が19%で最も多いものの、“2024年4月以前”に開始している割合は29%で3割以下となっており、“イメージを持っていない”学生群に至っては「2024年3月」までゼロが続き、「2024年4月」になってようやく10%となり、最も多かったのは「2024年6月」の35%となるなど、就職活動の開始時期から見ても、キャリアプランを“明確に持っている”学生のほうが早く動き出し、“イメージを持っていない”学生はゆっくりしている傾向が見られます。
[図表5]キャリアプランの有無別 就職活動の開始時期

「対面型」の理系、「オンライン型」の文系

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