「ソー活」とは、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Mixi(ミクシー)、LINE(ライン)といったソーシャルメディアを利用して行う就職活動のことをいいます。

ソーシャルメディアの「ソー」と、双方向コミュニケーションの「そう」を取って「ソー活」と呼ばれるようになったと言われています。新たに始まったこの取組みにより、2011年は「ソー活元年」と言われており、急速に活用が広まった背景には、応募者(主に新卒就職活動中の学生)が既にデジタルネイティブ世代となっていることも後押ししたことでしょう。

具体的には、企業と学生の双方が各々ソーシャルメディアに参加することで、そのメディア内で情報交換を行うことがメインです。応募者は自分の経歴やプロフィールといった個人情報や、Web上での人間関係や繋がりを示すソーシャルグラフを企業向けに公開するのに対し、企業は採用情報の詳細を公開します。

また、企業の人事担当者が社内のイベントや出来事を伝えることで、企業をあらゆる側面から知ってもらおうという取組みもあります。企業が掲載する「つぶやき」や「イベント」、「ブログ」や「日記」に対して応募者がコメントを入れることで双方向のコミュニケーションも可能となり、応募者にとってはより身近に、そしてタイムリーに興味のある企業について知ることが可能となりました。

Facebookを活用したソー活では、大手企業が立ち上げたファンページに、応募者がファン登録することで双方向の情報交換が可能になり、また、企業によってはFacebook上で登録している友人の数が多い応募者を優先して選考段階を進ませる場合もあるようです。

上記のように、ソー活のメリットは企業と応募者の間の情報交換にとどまらず、面接ではなかなか本音が見えにくい応募者の素顔をソーシャルメディアを通じて知ることができるという点です。新卒採用のソー活を支援するポータルサイトも多数存在しており、2013年2月5日に電通パブリックリレーションズ(電通PR)が発表した調査結果によると、就職活動中の大学3年生の45.3%がソー活を行っているということでした。

これは、前年に引き続き「大学の就職課もしくはキャリアセンターで情報収集する」の40%を上回っているため、ソー活が就職活動のツールとして定着したことがうかがえるでしょう。しかし、他方ではネットでしか意見がいえないような応募者に対して懐疑的になる企業もあるようです。ソー活が就職活動の全てではなく、あくまで自己アピールと情報収集を行うツールの一つとして取り組むのが昨今の流れのようです。