採用活動へのAIの導入は「書類選考まで」と考える人が56.0%

人事担当者の負担が減り、感情に左右されない公平な選考ができるとして、AI採用が注目を浴びているが、求職者側ではこうした動きにどのような印象を持っているのだろうか。総合転職エージェントのワークポートは2019年3月、全国の転職希望者300人を対象に実施した、「AI採用についてアンケート調査」の結果を発表した。
AI選考の話題はよく聞くが、実際に受けたことがあるのは何人くらいいるのだろうか。本調査で聞いており、「いいえ」と回答したのが実に81.3%であった。企業がAIによる選考を公表していない場合もあるが、実際にAIによる選考を経験した人はまだ2.3%ほどしかいなかった。
転職活動の選考過程で、AIを使うケースがあるのは理解していても、どこまでが適切だと考えているのだろうか。『採用活動にAIを導入する際、どの段階までが適切だと思うか』と質問している。

「書類選考まで」が56%で最多。回答者からは「一番候補者が多い工程だから担当者の負担を減らせる(30代・女性・事務)」といった公平性や効率化を挙げる意見のほか、「人の魅力は対話で判断されるべき(20代・男性・営業)」といった面接以降はAIではなく人同士で行う必要性が寄せられた。
「AIを導入するべきではない」と回答した人の中からは、「人生を機械に判断されるのは嫌だ」という抵抗感を訴える声のほか、「採用する人材の多様性の欠如」や「AIへの信頼度不足」を懸念する声が挙がった。

なお、「今後AIを導入した採用活動は増えていくと思いますか?」と尋ねると、82.0%が「はい」と回答していることから、AI採用を導入する企業が増えることは、ある程度必然であると捉えられているようだ。

企業にとってAIによる選考を行っているか否かで、志望度が変化するのかは気になるところ。レポートによると、企業がAI採用を導入しても「志望度は変わらない」との回答が64.0%。回答者からは「その企業へのイメージと採用手法は別物だから(30代・男性・営業)」といった声が挙がるとともに、AIによる採用を経験したことがないため判断がつかない、という声も寄せられた。

一方で、20.3%がAIを導入することで「志望度が低くなる」と回答。理由としては、「個性が認められない会社というイメージが出てしまう(40代・男性・管理)」といった、会社の信頼度低下に繋がるという意見が目立った。
日常生活に浸透し便利さや信頼度を実感しつつあるAIだが、今回の調査の結果、「自分をAIに判断される」となると、その信頼度はまだ不足しているようだ。

今後、採用活動にAIを導入する場合は、企業側だけでなく判断される求職者側のメリットも打ち出しながら不安を取り除き、信頼度を上げることが課題となってくると考えられる。

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HRプロ編集部

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