パーソルキャリア株式会社(以下、パーソルキャリア)は2022年10月12日、育児休業(以下、育休)中に就労を希望する社員に対し、社内で一時的な就労機会を提供する「育休ウェルカムバック制度」を創設し、同日より制度運用を開始したと発表した。同社はこれにより、社員の仕事と育児の両立に対する不安軽減などを目指すとともに、社員が自らの意思でキャリアや人生を選択する「キャリアオーナーシップ」を育みたい考えだ。
育休中の社員に就労機会を提供する「育休ウェルカムバック制度」をパーソルキャリアが導入。育休における孤立感や不安感の軽減へ

育休取得にまつわる心理的・物理的な不安解消や、育休からの段階的な復帰に効果

2017年の「育児・介護休業法」改正により、最長で子どもが満2歳まで育休が取得できるようになった。また、2022年10月からは、子どもが生まれてから8週間以内に育休を2回に分けて取得できる制度「産後パパ育休」がスタートするなど、性別を問わず育休を柔軟に取得しやすい制度が整備されている。

一方で、育休期間に会社や社会から分断されることによる孤立感を抱える人が多いことや、十分な準備期間を持てずに仕事と育児の両立生活を開始することで、復職後のキャリアや働き方に不安を抱える人も多いのが現状だ。

同社ではそうした課題の解消に向け、育休中で就労を希望する社員24名に対し、2021年5月~2022年9月にかけて社内で就労機会を提供するトライアル実験を行い、効果を検証した。その結果、育休中の社員の満足度は9割を超え、社員からは「在宅勤務への移行や社内システムの変更など、就労環境が大きく変わったタイミングだったので、本格的に復職する前に状況を把握できてよかった」、「育休復帰後は一時的なキャリアダウンも考えていたが、育休中に業務に関わることで、育児もキャリアも諦めない気持ちが強くなった」といった声が聞かれたという。この検証により「就労ニーズ」と「導入効果」の高さが確認できたことから、同社は今回、新たな制度として「育休ウェルカムバック制度」の正式導入を決定した。新制度の概要は以下の通り。

「育休ウェルカムバック制度」の概要
育休期間中で、かつ就労を希望する社員を対象にした、社内で一時的な就労機会を提供する制度。業務の遂行に必要な経験やスキルの保有といった条件を満たす社員と受け入れ部門を、人事でマッチングして就労する。

【導入の目的】
●育休からの復職前に抱くことの多い、「仕事と育児の両立に対する不安感」の軽減
●社会や会社から分断されることによって生まれる「心理的な孤立感」の緩和
●復職前に仕事の勘を取り戻しすことによる、「スムーズな職場復帰」の支援

【就労の主な条件】
●対象
3ヵ月以上の育児休業を取得しており、かつ一時的な就労を希望する社員。募集業務を遂行できる経験やスキルを保有する社員

●就労条件
休職者ごとに定められた育児休業給付金の「支給単位期間内」毎に、月に10日以下かつ80時間以下


本制度は、「育休からの復職」に不安を抱えている社員や、「育休中も業務に携わりたい」という希望を持つ社員に寄り添う制度といえそうだ。他社の取り組みにも目を向けながら、育休取得や育休中、復職後の制度を整えていきたい。

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