帝国データバンクが「働き方改革に対する企業の意識調査」を実施

2019年4月から大企業を対象として施行された「働き方改革関連法」。2020年4月からは、新たに中小企業にも一部分野が適用されることを受け、多くの企業は対応に迫られている。そのようななか、帝国データバンクが、働き方改革に対する企業の取り組み状況や見解について調査を実施。期間は、2019年12月16日〜2020年1月6日。全国の2万3,652社を対象としておこなわれた。働き方改革への取り組みの状況や内容、企業の意識が明らかになった。

働き方改革関連法の適用拡大を目前に、企業は取り組みに積極的な姿勢

帝国データバンクがおこなった 「働き方改革」への取り組み状況に関する調査は2018年にも行われており、その結果と今回の結果を比較したところ、2018年の結果では「取り組んでいる」が37.5%だったのに対し、2019年は60.4%と、22.9ポイント増加。また、「現在は取り組んでいないが、今後取り組む予定」と回答した企業は16.3%で、合計76.7%が取り組みに積極的であることがわかった。

一方、「取り組み予定はない」と回答した企業は、2018年では15.1%だったのに対し、2019年は8.9%に減少。働き方改革を時代の潮流として受け止め、前向きに対応する企業が増えていることが推測できる。

「休日取得の推進」と「長時間労働の是正」が具体的な取り組みの2トップに

続いて「現在取り組んでいる項目」について具体的な内容を質問したところ、「休日取得の推進」が77.2%で最多、続いて「長時間労働の是正」が71.0%となり、群を抜いて高い回答となった。そのほか、「人材育成」が49.6%、「健康管理の充実」が45.9%、「職場風土づくり・意識の改善、コミュニケーションの活性化」が44.7%、「業務の合理化や効率化のためのIT・機器・システムの導入」が43.6%と、いずれも5割弱で続いた。企業が、社員のワークライフバランスを重視した施策を積極的に取り入れようとしている姿勢がうかがえる結果となった。

サテライトオフィスやテレワークが今後の取り組みとして注目を集める

今後の取り組みに関しての問いには、「サテライトオフィスやテレワークの導入」が23.6%と最も高い。その次は「副業の許可」が22.5%と労働環境を改善していこうと感じさせる回答が続き、どちらも現在の実施状況では1割を下回っていたが、今後はさまざま企業で導入されていくと推測される。

働き方改革に取り組む目的として、最も重要視されているのは「従業員のモチベーション向上」(32.4%)や「人材の定着」(20.2%)、「生産性向上」(13.5%)が上位を占める結果となり、従業員に目を向けた取り組みがおこなわれている傾向があるようだ。

その一方で、先の調査結果のとおり「取り組む予定はない」という回答もあり、その理由は「必要性を感じない」や「効果を期待できない」、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」といったものが挙げられた。今なお取り組みに消極的な企業もあるのは確かだ。

人材の定着や生産性向上など、自社が抱える課題の解消が期待できる「働き方改革」。従業員が働きやすい職場環境を整えるための取り組みではあるが、実務をおこなう現場には優先して進めたい項目があったり、なかなか推進できなかったりと、各々に事情があるようだ。それぞれの企業が自社の状況を把握し、柔軟な姿勢で取り組んでいくことが肝要だといえるだろう。

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。

総務が備えるべきパンデミック対策特集