東京都は2019年11月、働き方や物流の工夫など、先進的な取り組みを積極的に行う企業や団体を表彰する「スムーズビズ推進大賞」を発表した。また、同じく11月に厚生労働省が、テレワークを活用することで労働者のワークライフバランスの実現を目指し、それによって顕著な成果をあげた企業を表彰する「輝くテレワーク賞」を発表した。この双方の賞を、東急株式会社が合わせて受賞したので、その取り組みを紹介する。
東京都主催「スムーズビズ推進大賞」および厚労省主催「輝くテレワーク賞」を、東急がダブル受賞

鉄道会社ならではの混雑緩和への取り組みと、多様な働き方の推奨が評価

まずは「スムーズビズ推進大賞」だが、東急は大賞を受賞した。従業員に対する継続的なサポートとして「柔軟な働き方を実現するための選択肢の用意」、また鉄道利用客に対する「通勤時間帯の多様なスタイルの提案」といった取り組みが大きな評価を得た。

そして、「輝くテレワーク賞」では特別奨励賞を受賞している。テレワーク導入時に多様な工夫を凝らし、他企業の模範となる取り組みを行ったことが評価された。

今回の受賞のきっかけとなった同社の取り組みとして、最初にオフピーク通勤の普及拡大に向けた働きが挙げられる。具体的には「時差ビズ臨時列車の運行」「時差ビズ応援クーポンの発行」「朝活講座の実施」などを導入。この他テレワーク推進にも注力し、実施した利用者に対してはポイントを付与する特典を設けた。

働く時間帯や場所の多様化、柔軟化に関する取り組みでは、同社の本社ビルで働く従業員約1,500人を対象に、職務や環境に合わせて働く時間と場所を柔軟に選択することを可能にした。分散出社を促すことを目的とした、7時30分始業のアーリーワークの他、ゆう活イベントなどを推進。1日平均160名がこの取り組みに参加したという。

そのほか、テレワーク推奨活動では、サテライトオフィス勤務や在宅勤務、モバイルワークなども取り入れた。その結果、期間中のテレワーク実施者は1日平均121名にも上ったとしている。本社だけでなく、都内に事業所がある同グループ企業約40社が「スムーズビズ」に参加登録するなど、東急グループ全体で多様な取り組みを行っていることも評価の対象となったようだ。

なお、東急はライフイベントによって就労継続が困難になった人材を、民鉄各社で相互に受け入れるスキーム「民鉄キャリアトレイン」を立ち上げ、ProFututeが主催する「日本HRチャレンジ大賞」も受賞している。

柔軟な働き方の推進によって、多くの人が活き活きと働ける取り組みを実施する同社に、今後も注目したい。


東京都:スムーズビズ
厚生労働省:輝くテレワーク賞
HRプロ:ライフイベントで離職する人材を相互に受け入れるスキーム「民鉄キャリアトレイン」への大手民鉄全16社の参画を東急電鉄が実現

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