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リファラル採用とは
リファラル採用とは、社員に自社の採用基準に見合った友人や知人を紹介してもらう採用手法だ。リファラル(referral)とは、日本語で「紹介・推薦」を意味する。元々、欧米で広まったものだが、近年は日本でもベンチャー企業を中心に導入企業が増えている。●リファラル採用が注目される背景
リファラル採用が注目されるようになった背景には、人材採用の激化がある。企業はさまざまな採用手法を駆使しているが、リソースにも限界があり、「少しでも採用活動の精度を高めたい」と考えている。リファラル採用だと既に自社の社員や関係者というフィルターを経ているので安心感がある。また、応募する側も事前にリアルな情報が得られるので、マッチング精度の向上が期待できるとあって導入が広がっている。●リファラル採用の成功確率は?
株式会社プロフェッショナルバンクが、リファラル採用の導入企業193社に行ったアンケートによると、その成功確度について19%が「非常に高い」、61%が「高い」と回答している。合計で80%にも上り、リファラル採用の成功確率が高いことが窺える。●リファラル採用と縁故採用の違い
「リファラル採用と縁故採用では何が違うのか」と聞かれて戸惑う方もいるかもしれない。紹介者の仲介という意味では、共通しているからだ。しかし、本質は大きく異なる。縁故採用は「特別枠」的な位置づけであり、基本的には内定が前提となる。一方、リファラル採用では、紹介してもらった候補者が会社として要求する水準に達していなければ採用は見送られる。リファラル採用の仕組みと流れ
自社にマッチする人材をリファラル採用で効果的に呼び込むには、制度設計だけでなく「動き方」の全体像を押さえることが重要だ。ここで仕組みと流れを説明しておこう。●推薦から選考・採用までのプロセス
リファラル採用では、まず企業が求める人物像や募集ポジションを明確にしたうえで、社員に対して「どのような人を、どのようなつながりで紹介してほしいか」を周知することから始まる。社員は、自身の友人・知人・元同僚などの中から自社にフィットしそうな人材をピックアップし、専用フォームや人事への直接の連絡などの方法で推薦する。推薦を受けた候補者は、カジュアル面談や通常選考など、企業ごとに設計されたフローに沿って選考が進む点では一般応募と変わらない。そのうえで、スキルや経験だけでなくカルチャーフィットも含めて総合的に判断し、採用可否が決定される仕組みであり、「紹介されたから必ず採用する」という性質ではないことが特徴だ。
●紹介者側の社員に求められる役割
紹介を行う社員には、自社のビジョンや事業内容、求める人物像を理解したうえで、「どのような人なら活躍できそうか」を見極める目利き役としての役割が求められる。同時に、候補者に対しては、仕事内容や職場の雰囲気、評価スタイルなどをできるだけ正確かつフラットに伝え、入社後のギャップを小さくする「情報提供者」としての役割も重要だ。また、推薦した候補者の選考状況をフォローし、必要に応じて人事と候補者の橋渡しを行うなど、「候補者のエンゲージメントを高めるサポーター」として動くことが、リファラル採用を成功に導くポイントと言える。
リファラル採用のメリット
次に、リファラル採用のメリットを取り上げたい。●マッチング精度の向上
リファラル採用の候補者は、社員の知人や友人を通じて事前に仕事内容や社風、事業内容などに関して生の情報を聞くことができる。それだけに、会社側からすると納得度の高い人材を迎え入れる確率が高まる。また、入社後のギャップが生じにくいため、結果的に定着率の向上につながりやすい。さらには、入社後に何か悩みや困りごとがあったとしても、社内にいる友人・知人に話を聞いてもらえるので不満が解消されやすい点もメリットと言える。●採用コストの削減
求人媒体で求人広告を掲載したり、人材紹介会社を活用したりするとなると多大なコストが必要となる。しかし、リファラル採用なら自社のリソースだけで採用を完結させることができる。実際、生じるコストは、紹介してくれた社員へのインセンティブや紹介を促す交際費などしかない。投下するコストには大きな差があると言える。●即戦力・専門人材の獲得
紹介してくれた社員に近い志向や価値観、能力を持った人材を集められる点も、リファラル採用のメリットとして見逃せない。例えば、紹介者がスキル・人柄ともに優れた人物であれば、候補者も即戦力や専門性を持った人材である可能性が高い。場合によっては採用マーケットに出ていない、掘り出し物の転職潜在層にアプローチできるかもしれない。●自社の魅力や課題点の可視化
長く会社にいると自社のやり方が当たり前となり、それが社外の人々にどう映っているのか、改善すべき点があるのか気づきにくくなりがちだ。その点、リファラル採用であれば、紹介者と候補者の距離感が近く、本音を引き出しやすいというメリットがある。●潜在層・非転職層へのアプローチ
リファラル採用では、転職サイトや人材紹介会社には登録していない「今すぐ転職するつもりはないが、いい話があれば検討したい」層ともつながりを持てる。社員が日常的に接点を持つ同業他社やコミュニティの仲間などに声をかけることで、顕在的な求職者だけでなく、潜在層・非転職層にも自然な形で情報を届けられる。採用競合が少ないタイミングでアプローチできるため、他社に先んじて優秀人材との関係性を築ける点は、大きなメリットと言える。●紹介者側の自己理解促進
紹介する社員にとっても、リファラル採用は自己理解を深めるきっかけとなる。自社の魅力や仕事のやりがい、求める人物像を第三者に説明しようとすると、「自分はなぜこの会社で働き続けているのか」、「どんな人と一緒に働きたいのか」を改めて言語化する必要があるからだ。そのプロセスを通じて、会社への理解や自分のキャリア観が整理され、結果的にエンゲージメントの向上やキャリアオーナーシップの醸成にもつながりやすい。リファラル採用のデメリット・注意点
リファラル採用はメリットばかりではない。デメリットもある。それらを取り上げたい。●人材の偏りが生じる可能性
採用コストを抑えられるからと言って、リファラル採用ばかりに重点を置くと、既存の社員と似た価値観や志向を持った候補者ばかりが集まり、人材に偏りが生じてしまう。また、特定の社員の知り合いが極端に増えると、グループや派閥が形成され、組織運営にマイナスな影響を及ぼすかもしれない。当然ながら、人材の多様化も進まなくなる。●社員のエンゲージメントが必要
「リファラル採用に協力してほしい」と社員に呼び掛けても、最初から協力をしてくれる社員ばかりとは限らない。「それは人事部の仕事ではないか」、「既存の業務が忙しく協力できるような余裕はない」などと言い出す社員もいる。社員にリファラル採用に協力してもらうためにも、まずはエンゲージメントを高めておかないといけない。●多数採用には不向き
リファラル採用だけでは多数の候補者を募ることは難しい。もし、一度に大量の人材を採用したいのであれば、他の採用手法との併用を考えるようにしたい。●報酬制度の設計リスク(違法のリスク)
制度設計の複雑さもリファラル採用のデメリットだ。具体的には、紹介者への報酬をどうするか、採用の流れを通常とは変えるのか、採用後の教育やフォロー活動をいかに考えるかなどを策定しなければいけない。特に、紹介者への報酬を高く設定しすぎると違法となるので注意を要する。●不採用時のトラブル
リファラル採用では、紹介された候補者が不採用となった場合に、紹介者と候補者の関係が気まずくなったり、紹介者が会社への不信感を募らせたりするリスクがある。特に、「紹介までしたのになぜ落ちたのか」、「自分の評価にも影響するのでは」と感じさせてしまうと、紹介への意欲が下がり、制度そのものの形骸化にもつながりかねない。そのため、不採用時には結果連絡のタイミングや伝え方に配慮し、紹介への感謝と選考基準の説明、今後につながるフィードバックなどを丁寧に行うことが重要となる。●採用までに時間がかかる可能性がある
リファラル採用は、社員が「思い当たる人」を探し、声をかけ、検討してもらうというプロセスを踏むため、求人を出して一気に応募を集める手法と比べると、母集団形成に時間がかかりやすい。候補者側も、今すぐ転職するとは決めていないケースが多く、情報収集から選考参加までの意思決定プロセスが長期化しがちだ。その結果、急ぎで人材を確保したいポジションにはフィットしない場面もあるため、他の手法と組み合わせて活用することが望ましい。リファラル採用の費用相場
他の採用手法よりも、コストを抑えられると言われるリファラル採用だが、実際のところどれぐらいの費用なのか。●リファラル採用にかかる費用
リファラル採用に要する費用として、インセンティブ、活動費、外部サービスの利用料金などの項目がある。それぞれの費用相場を見ていこう。・インセンティブ
インセンティブは、候補者を紹介してくれた社員への報酬だ。一人あたり1~10万円程度が相場とされている。
・活動費
活動費は、食事代などの交際費とイベントに参加するための交通費に大別できる。交際費としては、1回あたり3,000円~5,000円が相場であり、交通費は実費支給がほとんどだ。
・外部サービスの利用料金
リファラル採用を運営するにあたり、外部サービスを利用する場合、その利用費や導入費が必要となる。金額は、導入したサービス次第となってくる。
上記を合計したリファラル採用の総額は3~15万円前後+外部サービスの利用費となる。
●中途採用とのコスト比較
中途採用にはさまざまな手法があり、それぞれで一人当たりの平均採用コストは変わってくる。例えば、求人広告だと20~50万円。人材紹介だと100~150万円が相場。リファラル採用のコストが圧倒的に少ないのがわかる。しかも、リファラル採用で入社した社員は、離職しにくい傾向にある。結果として、離職コストも抑えられる。リファラル採用の導入手順
続いて、リファラル採用の導入手順を紹介したい。(1)KGIとKPIの設定
ここでのKGIとは採用目標。KPIとは各工程における目標を意味する。それぞれを設定することから活動がスタートする。具体的に、KPIを策定するにあたっては、採用したい人物像や目標期日、リファラル採用ルートで採用する人数を決めておきたい。KPIを定めるにあたっては、アプローチ数や紹介数、選考参加人数(率)、内定人数(率)、内定承諾数(率)を設け、その達成度を可視化することも重要となる。(2)制度ルール・仕組みを設計
次に、リファラル採用の制度ルールや仕組みを設計しよう。例えば、制度ルールに関しては、募集要項や採用基準、インセンティブ額、インセンティブに関する支払い条件、会食費の内容・条件などを決めておきたい。また、リファラル採用の運用を進める体制や仕組みも設計しよう。(3)限定した規模で開始
リファラル採用においてもスモールスタートを推奨したい。最初から全社レベルで運用すると、認識のズレや課題が表面化してしまうからだ。限定した規模で始めても課題や改善点が出てくるだろうが、対応は図りやすいはずだ。(4)全社への周知・展開
限定した規模で運営し、ある程度の成果が見えた段階で全社に周知・展開していこう。すぐに軌道に乗るわけではないので、経営陣から継続的にリファラル採用の重要性をメッセージしてもらう、リファラル採用の運用状況を社員に報告するなど、さまざまな取り組みを行っていく必要がある。リファラル採用に関するセミナー一覧はこちら
リファラル採用の成功に向けたポイント
最後に、リファラル採用を成功に導くためのポイントを整理しておこう。●社員への認知浸透と動機づけ
まずは、社員にリファラル採用を導入する意図や制度の内容などを十分に理解してもらう必要がある。そのためにも、社内報や自社のイントラネットなどを通じて認知浸透を図る必要がある。次に、社員に行動を喚起してもらえるよう、インセンティブやミッションを設定したり、ロイヤリティなどを明確にしたりしたい。●紹介しやすい環境づくり
社員が友人を社内に気軽に呼び込める雰囲気作りやルール設定も不可欠となる。例えば、面接の前に社内見学を織り込んでみてはどうだろうか。精神的なハードルが下がるはずだ。また、協力者への感謝を示すことも重要だ。会社としてリファラル採用に力を注いでいる姿勢が伝われば、紹介しやすい環境が醸成されていくはずだ。●協力者・紹介者への配慮
協力者や紹介者は自分の業務を抱えながら、候補者や人事担当者と連絡を取り合うことになる。紹介する負担が大きいと感じてしまうと、アクションを起こしてはくれない。少しでも負担を減らせるような工夫を施す必要がある。例えば、紹介の専用フォームを作成したり、名刺を渡すだけのシンプルな設計にしたり、選考の仕組みを容易にすると良い。さらに、不採用時も含めて人事側からこまめに感謝や経過を伝えることで、「紹介して終わり」ではない安心感を持ってもらうことが重要だ。●外部ツールやサービスの活用
外部の専用ツールや専門サービスの導入も検討したい。実際に、リファラル採用を進めていく上では、候補者の選定・紹介、応募、選考、採用などさまざまな工程が生じるためにプロセスが煩雑化しがちだ。紹介してくれる社員の負担を少しでも軽減しなければならないので、一連の流れを効率的に管理できるようなツールやサービスは効果的だ。具体的には、社員がワンクリックで知人に求人情報を共有できるリファラル専用ツールや、ATS(採用管理システム)と連携して紹介経路を自動で追跡できるサービス、社内SNSと連動して募集情報を配信できるプラットフォームなどを検討すると良いだろう。リファラル採用に関するサービス一覧はこちら
●報酬が違法にならないように注意する
紹介報酬が高額すぎたり、採用できた場合のみ成功報酬を払うとなったりすると有料職業紹介と見做される可能性がある。場合によっては、違法と判断されかねない。あくまでも、採用のみに成功報酬を与えているのではないと、就業規則や賃金規程に記載しておくようにしたい。●実施後の効果の共有
実施後の効果を共有することも重要だ。具体的には、採用に携わった社員にリファラル採用に関するインタビューを実施し、協力して良かった点や改善してほしい点を聞き、社内に告知してみてはどうだろうか。リファラル採用への関心を高めるきっかけとなるはずだ。まとめ
リファラル採用がフィットしやすい企業には共通した特徴がある。まずは、採用コストを削減したい企業だ。リファラル採用は社員という自社のリソースを活用できるとあって、コストパフォーマンスが非常に良い。二つ目が、高度な人材・専門性の高い人材確保に意欲的な企業だ。会社に自分の知人や友人を候補者として紹介・推薦するとなると、社員も中途半端な態度では臨めない。「この人だ」と自分が自信を持てる人に限られてくるので、その分人材の質は高まるはずだ。特に、ニッチな業界・職種には向いている。
もう一つは、組織としての価値観や文化が共有できている企業だ。実務に加えて、採用にも携わるとなると社員への負担は大きくなる。それを厭わず、取り組んでいくには、経営や人事が有する採用という大きな課題を自らの課題でもあると捉えられる姿勢が欠かせないからだ。自社が当てはまっているか、ぜひ検証してもらいたい。
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よくある質問
●リファラル採用のデメリットは?
リファラル採用では、既存の社員と似た価値観や志向を持った候補者ばかりが集まりやすく、人材の偏りが生じる可能性があったり、そもそも社員のエンゲージメントが高くなければ、社員の協力を得られない恐れがあったりする。また、多数採用には不向きである点や報酬制度の設計が複雑で、報酬を高く設定し過ぎれば違法のリスクもある点もデメリットとなる。- 1
