2020年5月27日(水)、オンライン上にて、EY アドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(以下EY)が、「新卒採用に関する調査2020と今後の採用・就職活動に関する提言」に関する記者発表会を行った。EYでは、経団連が「就活ルール(採用選考に関する指針)」を廃止したことを受け、昨年から学生と企業に対して「新卒採用に関する調査」を実施している。今回の発表会は、その2回目の調査をまとめ、レポートするもの。結果からは、就活ルールの形骸化が進む中、企業側が「通年採用」をベースに時期や採用手法、チャネルなどを模索し、学生は採用の多様化を受け「働き方の柔軟性」に期待を寄せている様子がうかがえた。また、発表会では今回の調査には含まれなかった、新型コロナウイルス感染拡大による新卒採用への影響についても言及があった。
冒頭、EYの人事コンサルティング部門で責任者を務めるピープル・アドバイザリー・サービス リーダー・パートナーの鵜沢慎一郎氏が登壇。「今回のサーベイは昨年に引き続き2回目ということで、共通項目のほかに新たな質問も入れながら、継続性を強く意識して実施しました。今回の調査は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言前に行われたものではありますが、今回の発表では、普遍的な示唆ができればと思っています」と挨拶した。

EYが新卒採用に関する調査を実施するのはこれで2回目。前回調査は、2018年10月に経団連が発表した「就活ルール廃止」の影響を分析するため、2019年2月に行われた。その後、2019年4月に経団連が大学側と通年採用の拡大を合意する、2019年10月に就活ルールの運用が政府主導となる、など新卒採用を取り巻く環境は急激に変化を遂げた。状況が変わったことにより、今回は、「初回からの定点観察」と「新たな質問を加えた分析」の2点を調査の目的とした。実施期間は2020年3月4日〜10日。オンラインサーベイにより学生334名、企業358社から回答を得ている。

今後も継続して、就活ルールに捉われない柔軟な採用手法・時期が浸透していく

調査結果と考察の発表は、EYのピープル・アドバイザリー・サービス・シニアマネージャーである小野祐輝氏が担当。開口一番、「前回の調査から、大きな傾向の違いというのはありませんでした」と語った。昨年同様に見られた傾向として、大きく下記の3つを挙げた。

【1】学生・企業ともに就活ルールの理解・関心は低く、ルール継続・廃止への要望も少ない
【2】企業の約半数が、通年採用や採用チャネルの多様化、柔軟な働き方の整備を検討している
【3】学生が採用企業に期待することと、企業の採用手法や方針変更の方向性は、共に「採用時期」と「柔軟な働き方」が多く挙がっていた


昨年同様、企業・学生共に就活ルールへの理解や関心は低く、継続を望む声も少ないという。このような中、企業の施策と学生の期待はともに「通年採用」と「柔軟な働き方」に関するものに絞られている。この結果を受け、小野氏は今後の新卒採用の見通しについて、「継続して、就活ルールに捉われない柔軟な採用手法・時期が浸透していく」と見解を述べた。

学生と企業の間で、「勤続年数の捉え方」や「情報源」に...