日本の労働者の価値観は多様化してきている。その一つに働き方がある。時間や場所に縛られない働き方を求める声が大きくなっており、伴ってテレワークや時短勤務などの施策を導入する企業が増えている。しかし、働き方の多様化が進むと同時に、いかに別の時間や場所にいるメンバーを組織としてマネジメントしつつ、個々のパフォーマンスを引き出し、企業の業績を最大化させていくのか、といった悩みもつきまとう。「100人いれば100通りの働き方」をポリシーに、多様な働き方を実現し、なおかつ企業としても成長させている企業がある。グループウェアなどのクラウドサービスを手掛けるサイボウズ株式会社だ。同社が多様な働き方を成功している鍵はどこにあるのか。代表取締役社長の青野慶久氏に話を伺った。

ゲスト

  • 青野慶久 氏

    青野慶久 氏

    サイボウズ株式会社
    代表取締役社長

    1971年生まれ。愛媛県今治市出身。
    大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立(取締役副社長)。2005年4月代表取締役社長に就任。2018年1月代表取締役社長 兼 チームワーク総研所長。

働き方の多様化は、目的ではなく手段でしかない

──社員の働き方が多様化すると、メンバー間での情報共有などに問題が生じたり、生産性が落ちたりするのではないかという危惧があります。サイボウズでは、「100人いれば100通りの働き方」をポリシーに、多様な働き方を実現されていますが、どのようにして「多様な働き方」と「成果の出せる組織」を両立させているのでしょうか。

まず、「多様な働き方」と「成果の出せる組織」というのは、両立させるものではないと考えています。なぜなら、私たちにとって「多様な働き方」とは、「成果の出せる組織」を実現するための手段だからです。

私が代表取締役社長に就任した2005年当時、当社の離職率は28%。どこにでもある“普通のブラック企業”でした。採用しても採用しても、退職者が出てくる非常に経営効率が悪い状態です。その状態をどうにかしなければ、生産性も会社の業績も働く社員のモチベーションも上がりません。

つまり、私たちが多様な働き方を実現させるようになったのは、世の中の流れに従ったわけでもなく、単なる社員の福利厚生のためというわけでもなく、生産性と業績を上げるという目的を果たすための手段だったのです。両立させるのではなく、手段と目的の関係といったのは、そういう理由からです。

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