株式会社商船三井(以下、商船三井)は2022年4月18日、同社における人権尊重の基本方針として、「商船三井グループ 人権方針」(以下、人権方針)を策定したと発表した。同時に、自社の調達活動においても人権等に配慮する姿勢を示すべく「商船三井グループ 調達基本方針」(以下、調達方針)を改定。また、取引先への理解と協力を求める事項をまとめた「商船三井グループ 取引先調達ガイドライン」(以下、取引先ガイドライン)を新たに策定した。これにより、「人権尊重」と「責任ある調達」をテーマとして、サステナビリティ課題への取り組みを強化したい考えだ。
商船三井、人権尊重の基本方針を示す「人権方針」を策定。企業価値向上に向け、サステナビリティ課題への取り組みを強化へ

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「人権方針」を策定

商船三井グループでは、「人権を尊重することはすべての事業活動において最も配慮するべき事項の1つ」との考えのもと、あらゆる人権侵害の排除に努めている。この考えに則り、人権尊重の考え方を“グループ全体の共通認識”としてより明確化し、取り組みの強化を図るため、国連の示す「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した形で、同社の「人権方針」を策定したという。方針の概要は以下の通り。

1.関連する法令・ガイドラインの遵守

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、企業として人権尊重にかかる責任を果たす。

2.事業活動における人権尊重

人種・宗教・国籍・年齢・性別・心身の障害・性的指向および性自認等による差別を禁止する。

3.人権尊重にかかる取り組み

人権侵害の発生を予防するため、バリューチェーンを通じた「人権デュー・ディリジェンス」のプロセスを構築し、継続的に実践する。

4.ステークホルダーとの対話

取引先(サプライヤー、顧客含む)や株主等をはじめ、同社グループの事業活動によって人権侵害を受ける可能性のあるステークホルダーの人々と、継続的な対話を図る。

「調達基本方針」の改定および「取引先調達ガイドライン」を策定

同社グループでは、持続可能なバリューチェーンの構築による、環境・安全・人権等に配慮した高品質な商品・サービスの安定供給が重要な使命であると考えている。このような考えに基づき、「人権方針」の策定と合わせて、調達活動においても人権に配慮する姿勢を示すべく、2012年策定の「調達基本方針」に、人権に関する事項を追加し、改定したという。

また、持続可能なバリューチェーンの構築に向けては、取引先の協力を得ることが不可欠であるとの考えから、「取引先ガイドライン」を新たに策定している。本ガイドラインでは、取引先の事業活動において配慮を求める事項をまとめているという。今後は、本ガイドラインへの理解を取引先に深めてもらうよう、浸透活動に取り組む予定だとしている。

なお、「調達方針」および「取引先ガイドライン」の詳細は、同社ホームページより確認できる。

同社グループは、事業を通じて優先的に取り組むべき項目を定めた「サステナビリティ課題」の1つに、「Governance(事業を支えるガバナンス・コンプライアンス)」を掲げ、その取り組みのテーマとして「人権尊重」と「責任ある調達」を設定している。今後は、持続可能な社会の実現および同社グループの企業価値向上に向けたサステナビリティ計画である「MOL Sustainability Plan」に沿い、各取り組みを加速させていきたい考えだ。
SDGsを通じ、世界各国で人権尊重が重要視されていると考えられる。グローバル人材への差別等を防ぐには、国連の原則に準じた人権方針や社外に向けたガイドライン等を策定することも1つの有効策となるだろう。社内・社外に向け、人権尊重に関する方針を明示するなど、自社における取り組みを強化してみてはいかがだろうか。