第10回 HRテクノロジー大賞『ラーニング部門優秀賞』
TOPPANホールディングス株式会社
最新テクノロジーによる学びの生産性向上~誰もがいつでもどこでも学べる環境の構築~
ホールディングス主催の対面研修を、一部フィールドワークも含めオンライン化。製造工程をVR化した360°工場見学や印刷博物館等の施設のVRコンテンツ化、ビジネススキルを学ぶサブスクリプション型eラーニング、メタバース空間でのアバター交流など、最新デジタル技術を駆使した教育プログラムを提供。従来の対面研修の質を保ちつつオンライン化することで、地域間格差を解消し、子育てや介護など様々なライフイベントと両立しながら働く社員も参加可能に。全社員の継続的な学習機会の創出に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール

下村 啓太 氏
TOPPANホールディングス株式会社
人事労政本部 人財開発センター
課長
2007年凸版印刷(当時)入社。総合研究所にて燃料電池部材の研究開発を3年、研究開発マネジメント手法の立案業務を4年行う。その後、本社人事労政本部にて、全社の人財開発を10年に渡り担当。各種階層別プログラム、選抜型リーダープログラムの企画・運営を実施。次世代型の人財開発を調査・研究・検証する「人財開発ラボ」を運営している。

山田 浩司 氏
TOPPANホールディングス株式会社
人事労政本部 人財開発センター
係長
2012年凸版印刷(当時)入社。広報本部にて宣伝販促、社内広報、メディア対応などに従事。現在は、人事労政本部 人財開発センターに所属し、階層別、リーダー育成、デジタル人財育成など、各種プログラムの企画・運営や、GX人財育成施策の立ち上げを推進。次世代型の人財開発を調査、研究、検証する「人財開発ラボ」の運営も担当。

コロナ禍をきっかけに、テクノロジーを駆使した「教育機会の均等化」へ
――はじめに、今回受賞された取り組み「最新テクノロジーによる学びの生産性向上〜誰もがいつでもどこでも学べる環境の構築〜」の概要を教えていただけますでしょうか。下村氏:当社ではもともと、社員一人ひとりの成長が企業の成長の原動力になるという「人間尊重」の信念のもと、人財開発の施策を推進しています。一方でコロナ禍前までは、全国に社員がいるのに対して研修の開催場所が東京に集中しており、教育機会の地域間格差や、育児・介護などで時間的な制約のある社員、また体が不自由な社員などが等しく学びやすい環境が必ずしも整っていないという課題がありました。この課題を解決するべく、人財開発体系を刷新し、様々なテクノロジーを活用した研修プログラムを構築しました。
具体的には、Zoomを用いたWeb配信による研修や、eラーニング形式でビジネススキルを学べるサブスクリプションコンテンツの提供のほか、ドローンを活用して収録したVR映像を組み込んだオンラインフィールドワーク研修の実施や、自社製品の工場の見学ができるVRコンテンツを制作し、VRゴーグルを用いた体感プログラムなどの施策を行いました。また、オンライン研修では社員同士のコミュニケーションが少なくなってしまう場合があると思いますが、その点を補完できるよう、メタバース空間上で対面に近いコミュニケーションを取りながら行える階層別研修も実施しています。
――とても充実した教育内容ですね。取り組みを開始された時期やきっかけについてもお聞かせください。
下村氏:人財開発センターでは、2012年度から毎年、全社員に人財開発の施策についてのアンケートを取っているのですが、社員からのコメントに「施策に地域間格差を感じる」「育児中で時間制約があり、宿泊型の研修への参加は難しい」といった声があり、教育環境の整備はもともと課題として認識していました。その上で取り組みの直接的なきっかけとなったのは、新型コロナの感染拡大で対面研修ができなくなったことです。入社式を含め、2020年4月1日の新入社員研修を同年3月からの1ヵ月間でなんとかオンライン研修に切り替えました。その時の新入社員研修のメイン担当が山田さんだったんです。

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この後、下記のトピックで、インタビューが続きます。
●コロナ禍をきっかけに、テクノロジーを駆使した「教育機会の均等化」へ
●地域やライフイベントの壁をなくすことでもたらされた、研修の「参加率向上」と「参加者の多様性」
●取り組みが、他部署のサービスの改善や販促につながるという気づき
●事業側の部署と連携しながら、社内のテクノロジーを人財開発に活かしていきたい
