経団連の就活ルールの廃止、採用活動期間の早期化・長期化、ジョブ型採用の広がりなど、目まぐるしく変化する新卒採用市場。さらには、少子高齢化による若年層の減少も、採用市場に大きな影響を与えている。2020年には新型コロナ感染症の流行による採用活動のオンライン化も進み、新卒採用市場の変化はより複雑さを増している。

そんな中で注目されているのが、企業から学生にオファーを送る、いわゆる「逆求人サイト」と言われるダイレクトリクルーティングサービスだ。今後、新卒採用市場はどのように変化し、ダイレクトリクルーティングサービスはどのような役割を果たすのか。株式会社ベネッセi-キャリア 新卒事業本部 本部長 大竹 航氏と
と、ProFuture株式会社 代表取締役 寺澤 康介が議論を展開した。


プロフィール


  • 大竹 航 氏プロフィール

    大竹 航 氏プロフィール

    株式会社ベネッセi-キャリア 新卒事業本部 本部長
    2002年 大手総合人材サービスのインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。人材派遣、人材紹介、公共など、一貫して採用・育成関連事業に携わる。その後、新卒採用領域に携わった経験から、2015年4月ベネッセコーポレーションとの合弁企業である株式会社ベネッセi-キャリアを創設。

学生・企業・大学それぞれを支援するベネッセi-キャリア

キャリア教育に力を入れるベネッセホールディングスと手を組み、事業を展開

寺澤:本日は、ベネッセi-キャリアの大竹さんと、新卒採用の現状や今後、そしてその中で期待されるダイレクトリクルーティングの可能性についてお話をしていきます。貴社は2015年にベネッセホールディングスとインテリジェンス(現:パーソルキャリア)の合弁で誕生、2017年に新卒オファー型サービス「dodaキャンパス」事業を立ち上げていらっしゃいますね。その経緯をお聞かせください。

大竹氏:私は2002年に旧インテリジェンスに入社し、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、公共事業など、HR領域で幅広い事業を経験した後、2014年頃から新卒紹介事業に携わるようになりました。その中で、「もっと学生と企業が、公平な立場、共通の言語で会話できなくてはいけない。そのためにはもっと早いタイミングで、学生と接点を持たなければいけない」という想いが芽生えたのです。
ベネッセi-キャリア大竹様
当時、経団連の採用活動に関する「倫理憲章」、いわゆる就活ルールの下では、学生はいきなり就職活動に突入することが多く、納得のいく就職活動を行えている学生は少ないように思いました。そこで、日本で一番大学とのコネクションがあり、キャリア教育にも力をいれているベネッセホールディングスと手を組んで、大学の学びを社会に接続するという領域で事業を展開することを決め、ベネッセi-キャリアはスタートしたのです。
ベネッセホールディングス

学生・大学・企業を支援する3つの事業

寺澤:大学教育と企業採用の分断は、日本社会が抱える根深い課題です。その解決に向け、まさに貴社のスローガンである「“まなぶ”と“はたらく”をつなぐ」を掲げ、手を携えたのですね。貴社では学生・大学・企業の三者を支援する事業を展開していらっしゃいますが、その全体像について教えていただけますか。

大竹氏:3つの事業の柱があります。1つ目は、「新卒紹介事業」です。転職領域では、エージェント登録が当たり前の行動になっていますが、新卒領域でも浸透しています。学生の3〜4人に1人はエージェントに登録しており、ナビサイト等と併用した就職活動がメジャーになりつつあります。

2つ目は、急成長中の新卒ダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」です。従来の就職活動は、学生が企業を探して応募するという方法でしたが、こちらは企業側が学生を特定のスキルなどでサーチしてオファーを出す仕組みとなっています。

なかでも、dodaキャンパスの特徴は、大学1年生から登録できることです。早期から活動している学生や、それらの学生をインターンとして接点を持ちたい企業にとってニーズが増しているサービスで、2021年5月時点で約67万人(4学年の合計) が登録しています。

3つ目は、「大学支援サービス」です。大学におけるキャリア教育の中で、どの程度社会に通じる力が培われたのか、問題を解決するための力・思考力を測る「GPS」やビジネス・日常生活シーンを想定した英語コミュニケーション能力を測る「『GTEC』Academic」というアセスメントを独自に開発し、大学に提供しています。
ベネッセi-キャリアサービス

企業と働く人との関係性の変化により、新卒採用市場は過渡期に

学生が納得のいく就職活動ができるように、最適な仕組みを構築する

寺澤:昨今、新卒ダイレクトリクルーティング市場が急成長していますが、これは新卒採用市場の変化が大きな要因といえるでしょう。その背景を、これから大竹さんと探っていきたいと思います。
ProFuture寺澤

この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●学生が納得のいく就職活動ができる、最適な仕組みを構築
●欧米と違う「日本型採用」を目指す
●「個」を重視する採用に必要な学歴以外の評価軸とは
●ダイレクトリクルーティングをベースにした理想的な就活


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