「メンタルヘルス対策」としてエンゲージメント向上につながる“涙活”とは──ベネッセの社内有志組織「One Benesse」がオンラインイベント「なみだの教室」を開催

HRプロ編集部取材×注目人事トレンド

ベネッセの社内有志組織「One Benesse」。2015年9月に同社の有志が集まり発足し、ベネッセの企業理念である「Benesse=よく生きる」をボトムアップで実現するため、 “つながる”、“まなぶ”、“とがる”を体現するさまざまな活動を行っている。HRプロではこれまでもその活動をレポート(※)してきたのでご存じの方も多いだろう。その「One Benesse」が、5月29日(金)、オンラインイベント「なみだの教室」を開催した。感涙療法士の吉田 英史 氏が講師を務め、「涙活」についての授業や体験会を行った。「涙活」とは意識的に泣くことでストレスを発散する健康法の一つ。従業員のメンタルヘルス対策としてエンゲージメント向上の効果も期待できるという。今回は、泣くことがテーマという一風変わったイベントの模様をお届けする。

講師

  • 吉田英史氏

    吉田英史氏

    感涙療法士

    鎌倉市出身、早稲田大学で心理学、教育学を学び、同大学院で人材マネジメントを研究。高齢者福祉施設(株式会社ハーフ・センチュリー・モア)、学校勤務(獨協高等学校、麻布高等学校)を経て、現職に。2014年、認定資格「感涙療法士」を医師、脳生理学者で、東邦大学医学部名誉教授の有田秀穂氏と創設。感涙療法士として、学校(生徒・先生・PTA向け)、病院(患者・医師や看護師等の医療関係者向け)、企業、自治体において、涙活ワークショップや講演会を実施している。元高校教師・スクールカウンセラー。通称、なみだ先生。
ベネッセの社内有志組織「One Benesse」が、オンラインイベント「なみだの教室」を5月29日(金)に開催した。コロナ禍によって物理的、精神的に距離感が求められる今、多くの人が孤独や不安、ストレスを抱えやすい状況にある。そこで、涙を能動的に流すことの効能を知ってもらうとともに、「涙活」の体験を通して、「参加者に少しでも元気になってもらいたい」というのが、今回のイベントの主旨となる。イベントに登壇するのは、感涙療法士の吉田 英史 氏。なみだ先生として、学校や企業、自治体などで「涙活」のワークショップや講演会を数多く行い、様々なメディアにも出演している。

1週間に1回の涙がストレス解消や免疫力アップに

「涙活とは、2〜3分だけでも能動的に涙を流すことで、心のデトックスを図る活動のことです」

吉田氏は冒頭、「涙活」についてこう紹介した。涙を流すことで、自立神経が、緊張やストレスを促す交感神経が優位な状態から、脳をリラックスさせる副交感神経が優位になる状態へ切り替わるというのだ。ストレス解消の健康法として、医学的な実証データもあるそう。

涙活についてひとしきり紹介すると、さっそく実践に移る。参加者に約30分間の「泣ける映像」を視聴し、涙活してもらおうというのだ。映像は家族愛をテーマにしたCMやドキュメンタリーが中心。具体的な内容は言及を避けるが、涙腺がそこまで緩くないという方でも、涙活を体感できる内容であったのは確かだ。

視聴後には参加者と意見交換する場面が設けられ、多くの参加者から「テーマに共感できて泣けました」という声が挙がった。一方で、泣けない人もおり、吉田氏は泣きのツボを把握することが重要だと解いた。その上で「ツボは過去の自分の体験と何かしらつながっているので、泣ける動画を探す際のヒントにしてください」と能動的に涙を流すポイントを説明。また、「涙活で何かの動画を観る際は、作り手の意図をあまり読まないほうがいいかもしれません」と作品に対して感情移入することも重要だと語った。

涙を流すことによる効果やメリットはさまざまあるそうだ。その一つがストレス解消。「1週間に1回、涙を流すだけで、その後1週間もリラックスの効果が持続するんです」と実験データを交えながら説明した。

また、涙活はストレス解消以外に、「コロナ対策」にも有効だという。涙を流すことで、免疫力が上がり、感染症対策にかかりにくくなるのだそうだ。さらに、コロナ禍によって在宅勤務が増え、パソコンのモニターを見る時間が増えているなか、涙活は「テクノストレス眼症」にも効くという。涙によって、ドライアイや目の充血の緩和にもつながるのもポイントだ。

ただ、涙にもいくつか種類があるという。例えば玉ねぎを切って流す「反射の涙」では効果がなく、動画を視聴して感動するといった何かに共感する「情動の涙」が有効だそうだ。

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HRプロ編集部

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