
入社後に「良いギャップがあった」は男女とも約半数に
新年度の慌ただしさが続く中、新卒として社会に出た若者の一部には、早くも転職を意識する動きが見られる。株式会社BOXとTesTee Labの共同調査によると、入社後1ヵ月で約4割が転職を検討。早期離職の背景には、入社前の期待と現実のギャップが存在すると考えられる。では、新卒たちは入社後の何にギャップを感じ、早期の転職を考えるに至っているのだろうか。はじめに同社らが、新卒で入社した企業について「良いギャップがあったか」を尋ねたところ、「ある」(ある+ややある)と回答した人は男性で51.1%、女性で47.2%となった。その差は3.9ポイントで、女性と比べて男性の方が、入社した企業に対してより良い印象を抱いていることが分かった。
あわせて、「どんな良いギャップを感じたか」を尋ねると、男女とも1位は「職場の雰囲気」となった。なお、男性の2位は「給与」、女性の2位は「勤務時間・休日休暇」となっており、2位以下には違いが見られた。

入社後の“悪いギャップ”は男性が「給与」、女性は「職場の雰囲気」
次に、「悪いギャップがあったか」を尋ねると、「ある」(ある+ややある)との回答は男性で41.2%、女性で39.2%となり、男女のスコア差は2ポイントだった。そこで、「どんな悪いギャップを感じたか」を尋ねたところ、男性の1位が「給与」であったのに対し、女性の1位は「職場の雰囲気」だった。女性は“良いギャップ”でも「職場の雰囲気」が1位となっており、良し悪しを問わず“雰囲気”に対する印象のギャップが大きいことがうかがえる。また、悪いギャップの内容については男女で大きな違いが見られている。

約4割の新卒社員が入社1ヵ月で退職・転職を検討
続いて、「退職や転職を意識した瞬間の有無」について尋ねた結果、「退職や転職を意識した瞬間がある」(ある+ややある)とした人は男性で38.9%、女性で39.5%と、男女で大きな違いは見られなかった。入社からおよそ1ヵ月時点で、約4割が入社した企業からの退職や転職を意識している様子がうかがえる。なお、同社らが“現在の転職活動実行率”についても調査したところ、「転職活動を行なっている」と回答した人は男性で16.8%、女性で11.4%となり、女性と比べて男性の方が転職活動の実行率が高いようだ。

新卒社員が転職活動の際に重視していることは?
「転職活動を行っている」と回答した人に対し、「転職活動の際に重視していること」を尋ねたところ、以下のような結果になったという。▼男性
第1位 仕事内容 50%
第2位 給与面 36.4%
第3位 成長性 27.3%
▼女性
第1位 仕事内容 52.5%
第2位 給与面 47.5%
第3位 やりがい 35%
男女とも、1位が「仕事内容」、2位が「給与面」となっていることから、新卒で入社した企業の仕事内容や給与面に不満を感じている人が多いことと考えられる。一方、3位については男女で違いがあり、男性は「成長性」、女性は「やりがい」となっている。この結果から、男性は“将来性”や“キャリアアップの機会”、女性は“充実感”や“モチベーション”を重視している傾向もうかがえた。
最後に、「入社後の悪いギャップは就職活動の段階で防げたと思うか」と質問した結果を見ると、「そう思う」と回答した人は男性で31.6%、女性で25.8%にとどまったという。この結果から、多くの新卒者が、企業の内情や実際の働きがいといった側面は、就職活動の段階では十分に把握できなかったと感じていることがうかがえる。企業には、採用活動においてより透明性の高い情報を提供し、入社後のミスマッチを防ぐ努力が求められるであろう。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000116928.html