第110回 文系・理系ともに最も重視する企業の魅力は「仕事の魅力」──HR総研「2021年卒学生 就職活動動向調査」

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

新型コロナウイルスの感染拡大の中、「主催者側による中止を望む」学生が半数以上

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、合同企業説明会や企業個別のセミナーの中止が頻発するなど、今年の就職活動生は思うように就職活動ができない環境下に置かれてしまっていますが、この状況について、就職活動中の学生はどのように捉えているのでしょうか。

「セミナー中止か予定通りの実施か」に対する考え方としては、文系・理系ともに「感染リスクを考えれば中止すべきだ」が最も多く、文系で51%、理系で58%と5割以上となっています[図表11]
やはり、健康や命を第一優先した対応を求める学生が多く、主催者側で中止を決定してもらうことで、学生もリスクを冒して参加する必要もなくなり、安心して安全な行動を取れるようになります。『リクナビ』を運営するリクルートキャリアが、3月に全国で展開予定だった合同企業説明会をすべて中止することをいち早く発表し、マイナビをはじめとする多くの就職情報会社が同様に中止を発表する中、予定通り開催に踏み切った会社もあったようです。

2月に開催された就職イベントでは、出展企業や参加学生に対してマスク着用の呼びかけもなく、参加した学生からは自分だけマスクを着用することがはばかられ、着用することなく最後まで参加したという声もありました。個別企業の会社説明会にしても同様です。このような非常事態発生時の企業による対応も、その企業への学生の志望度や信頼を左右する重要なキッカケになるのではないでしょうか。

少なくとも1社以上のWEB説明会を視聴した学生は8割以上

新型コロナウイルス対策として、企業説明会やセミナーをWEB方式に切り替える企業が続出しましたが、3月時点において学生は、そのようなWEB説明会をどれだけ視聴したのでしょうか。

「現時点でのWEB説明会を視聴した企業数」については、文系・理系ともに「4〜5社」がトップで24%となりました[図表12]。少なくとも「1社以上」とする割合は文系で86%、理系で83%となっており、8割以上の学生がWEB説明会を視聴した経験を持っていることが分かります。『マイナビ』『リクナビ』等が主催する大型の合同企業説明会に出展予定だった大手企業が、急きょWEB説明会に切り替えた影響も大きいと思われます。
幸いにも、普段からスマートフォンやタブレット、PC等を使用してWEBと切っても切り離せない生活をしている学生にとっては、WEB説明会への参加に戸惑うことも少ないことが推測されますが、WEBリテラシーが高くない学生にとっては戸惑いもあったのではないかと考えられます。

逆に、企業側の戸惑いのほうが大きかったかもしれません。もともとWEB説明会を導入していた企業の割合はまだまだ少数派でしたし、話す内容はリアルな説明会とほとんど同じでも、目の前の学生の反応を見ながら話をするのと、何の反応も示さないWEBカメラを相手に話をするのでは、まるで勝手が違います。人事担当者にはまた一つ新たな課題ができたようです。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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