第110回 文系・理系ともに最も重視する企業の魅力は「仕事の魅力」──HR総研「2021年卒学生 就職活動動向調査」

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

「雇用の魅力」で重視するのは「社風・居心地が良い」

続いて「雇用の魅力」については、文系と理系で傾向がやや異なっています[図表5]。文系では、「福利厚生がしっかりしている」が最多で38%と、前年の34%からさらに4ポイント上昇し、次いで「社風・居心地が良い」が37%で肉薄しています。一方、理系では「社風・居心地が良い」が最多で35%、次いで前年トップだった「福利厚生がしっかりしている」が前年の36%から7ポイントも落として29%となっています。
文系より理系学生のほうが「社風・居心地が良い」を重視する要因としては、職種の特徴としてチームで製品開発をするなど、同僚とのチームワークの良さが必要となる業務を想定されてのことではないかと推測されます。なお、理系では、「福利厚生がしっかりしている」が前年から7ポイント減少した代わりに、「教育研修に熱心」は前年7%から今回12%へと5ポイントの上昇を見せています。

「採用活動の魅力」で重視するのは「一般社員と接して好感が持てた」か

最後の「採用活動の魅力」では、文系・理系ともに「一般社員と接して好感が持てた」が最も多く、文系では35%(前年36%)、理系では前年の35%から10ポイントも上昇して45%にも及んでいます[図表6]
次いで、「採用担当者と接して好感が持てた」が文系で33%(同30%)、理系で25%(同30%)となっています。これらから、学生は、採用担当者より実際に一緒に仕事をすることになるであろう「一般社員への好感」を重視しており、企業は、採用担当者だけでなく一般社員に対して、学生との接し方について研修等を実施することで、学生に対する企業全体のイメージアップにつながることがうかがえます。

なお。理系では「セミナー・説明会での説明が詳細でわかりやすかった」も前年18%から今回13%へと5ポイントの減少となっています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、就職ナビや大学キャリアセンター等が主催する合同企業説明会の多くが中止になったほか、個別企業の会社説明会やセミナーも対面型からオンライン型へと変更になったことも要因の一つになっていると推測されます。

最も重視する企業の魅力は「仕事の魅力」で半数近く

ここまで、各カテゴリーの魅力について重視する項目を聞いてきましたが、これらをまとめて、「最も重視する企業の魅力」について聞いてみたところ、文系・理系ともに「仕事の魅力」がトップで、文系42%・理系48%といずれも4割以上となっています[図表7]。次いで「会社の魅力」が文系34%・理系29%と3割前後となり、「仕事の魅力」と「会社の魅力」で8割近くを占めていることが分かります。
前述のとおり、「仕事の魅力」としては「仕事が面白いこと」が特に重要であり、「会社の魅力」としては「安定して成長性が見込めること」が特に重要で、理系学生においては「技術力」も重視されているという結果が出ています。したがって、今後の採用活動で学生に自社をアピールする際には、これらのことを特に意識してアピールすることで、学生の心をつかみやすくなりそうです。

一方、「社会的責任の魅力」と「採用活動の魅力」は、文系・理系ともに回答率は1ケタにとどまります。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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