第110回 文系・理系ともに最も重視する企業の魅力は「仕事の魅力」──HR総研「2021年卒学生 就職活動動向調査」

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

依然として大手志向の学生が6割以上

さて、ここのところ新型コロナウイルスが新卒採用に与えている影響について、企業の動向を見て来ましたので、ややタイミングがずれてしまった感がありますが、今回は3月8〜23日に「楽天みん就」の2021年卒業予定の会員学生を対象にして実施した「2021年卒学生の就職活動動向調査」の結果について紹介したいと思います。

まずは就職意識から見ていきましょう。就職活動を行う学生に対して「就職を希望する企業規模」を聞いたところ、文系・理系ともに「できれば大手企業(※)」が最も多く、文系47%、理系54%と半数前後を占めています[図表1]

※大手企業=1000人以上、中堅企業=300〜1000人未満、中小企業=300人未満と定義して質問
また、「絶対大手企業」は文系で14%、理系で16%となっており、これらを合計した「大手志向」の学生の割合は、文系で61%と6割を超え、理系では70%にも達しています。文系・理系ともに全体的な傾向は、前年同時期調査とほとんど変化はありません。依然として大手志向の学生が多くを占めていることが分かります。

一方で、「企業規模は問わない」とする割合は文系で24%、理系で15%となっており、文系のほうが企業規模へのこだわりが少ない学生が多いことがうかがえます。

「仕事の魅力」で重視するのは「仕事が面白そう」かどうか

学生が就職を志望する企業として重視する項目を「仕事」「会社」「社会的責任」「雇用」「採用活動」の五つのカテゴリーに分けて聞いてみました。

まず、「仕事の魅力」については、文系・理系ともに「仕事が面白そう」を最も重視する学生の割合が高くなっており、文系で46%、理系で37%となっています[図表2]。やはり、まずは「面白そう」と関心を持つ仕事に就きたいと思うのは当然でしょう。
これに次いで文系では「スキルが身につく」が20%、「希望する職種につける」が19%と同程度の割合で並んでいるのに対して、理系では、「希望する職種につける」が29%と3割であり、続いて「スキルが身につく」が22%となっています。理系学生は、大学で専門的な知識やスキルを習得してきているため、これらを生かせるような職種を希望する学生が多いと予測され、文系より「希望する職種につける」ことへのこだわりが強い傾向があるのでしょう。

文系では、前年同時期調査と各項目の割合にほとんど変化が見られませんが、理系では、「仕事が面白そう」が前年42%から今回37%へと5ポイント減少し、代わりに「希望する職種につける」が前年25%から今回29%へ、「スキルが身につく」も前年17%から22%へと、それぞれ4〜5ポイントも上昇しています。近年の職種別採用の流れがこの結果に影響しているのかもしれません。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

※『採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント』は、WEB労政時報に寄稿した原稿を約2週間遅れで転載しておりますので、内容的に時差が生じる場合があります。ご了承ください。
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