第110回 文系・理系ともに最も重視する企業の魅力は「仕事の魅力」──HR総研「2021年卒学生 就職活動動向調査」

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「会社の魅力」で重視するのは「安定感を持ちつつも成長し続けていること」

次に、「会社の魅力」については、文系・理系ともに「安定している」がトップとなり文系で42%、理系で31%となっています[図表3]。社会の変動が激しい世の中であるからこそ、就職する会社に対して、何よりも自分の将来を託せる安定感を求める学生が多いということでしょう。
これに次いで多いのは、文系では「成長性が高い」が27%、「経営者・ビジョンに共感」が21%となり、理系では「技術力がある」が29%、「成長性が高い」が23%となっており、文系と理系で「会社の魅力」として優先される項目が異なることがうかがえます。ただし、文系・理系いずれにおいても「安定感」と「成長性」は3位までに挙がっていることから、企業に対して「安定感を持ちつつも成長し続けていること」が学生から求められていることだと分かります。

前年同時期調査と比較すると、文系・理系ともに「経営者・ビジョンに共感」が大きくポイントを落としていることが分かります。特に文系では6ポイントも減少しています。それに代わって伸びているのが、文系では「安定している」(前年38%から今回42%)、理系では「技術力がある」(前年20%から今回29%)で、特に理系の「技術力がある」は9ポイントも上昇したことで、トップの「安定している」との差はわずか2ポイントにまで迫ってきています。次回の調査では逆転もあり得るかもしれませんね。

「社会的責任の魅力」で重視するのは「事業自体が社会貢献」

「社会的責任の魅力」として重視される項目については、文系・理系ともに「事業自体が社会貢献」が最も多く、文系40%、理系でも41%となっています[図表4]。世界全体でSDGsへの取り組みが進む中で、企業としてもSDGsへの取り組みを対外的にPRする場面が増え、学生も、自身が就職する企業による事業としての社会貢献について、意識する機会が増加しているのではないでしょうか。
また、「事業自体が社会貢献」に次いで多い「女性活用の姿勢が強い」については、文系のほうが理系より3ポイント高く24%となっていますが、この要因として、理系より文系の方が女子の回答者比率が高いことがあるのではと推測されます。前年同時期調査と各項目の割合に大きな変化は見られません。理系では、「女性活用の姿勢が強い」が前年17%から今回21%へと4ポイントの上昇を見せていますが、こちらも理系女子の回答者比率の増加が影響している可能性が高そうです。

著者プロフィール

ProFuture代表 HR総研所長 寺澤 康介

1986年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、15年にProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。2012年、HR総研所長に就任。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』『経営と人事 対話のすすめ』、編著に『経営を変える、攻めの人事へ』(いずれもProFutureより出版)などがある。

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