ProFuture代表の寺澤です。
2月にマイナビが面白い調査結果を発表していますので、ご紹介します。大学4年/大学院2年以上で今年就職活動を終えた、もしくは現在活動中の子どもを持つ保護者1000名を対象にした「マイナビ 2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査」(Web調査)です。当社をはじめ、就活生向けの調査は多々ありますが、その保護者だけを対象にした調査は珍しいと思います。
第156回 25卒生が就活を不安視する理由とは。業界選びではメガバンク人気が復活か
それによると、“子どもが内定した企業から「オヤカク」(親への内定確認の連絡)を受けたか”という質問に対して、半数以上の52.4%が「受けた」と回答しており、直近3年間では微増傾向にあるとのこと。マイナビが実施した学生向けの調査で、内定先に関する意思決定の際に助言や意見を聞いた相手として、2位の「友人(学校内)」(23.9%)に大差をつけて、「父親・母親」が61.9%となっており、学生の意思決定への保護者の影響力の大きさに配慮した結果であろうと推測されます。

その他、親への連絡内容として、「保護者向け資料の送付」(8.6%)や「保護者向け説明会実施の案内」(2.2%)はかねてよりよく聞いていましたが、驚いたのはそれをはるかに上回る17.3%、実に2割近くの親が「内定式・入社式への招待」を受けていたということです。これまでも、フジテレビがアナウンサーとして入社が決まった子どもの親として著名歌手を招待したことが話題になったことはありましたが、一般企業でも珍しくなくなっているようですね。皆さんの会社でも保護者を「内定式・入社式へ招待」していますか?

8割以上が「2023年6月」までに就職活動を開始

さて、今回は、HR総研が新卒採用メディア「ONE CAREER」(株式会社ワンキャリア)と共同で実施した「2025年卒学生の就職活動動向調査」(2023年12月7~14日)の結果をお届けします。ぜひご参考にしてください。

まず、「就職活動を開始した時期」について見てみると、文系・理系ともに「2023年6月」が最多で、それぞれ37%、27%となっています[図表1]。主要な就職ナビがインターンシップ情報サイトとしてオープンするタイミングでもあり、これまでも6月が最多となることが通例でした。ただ、驚くべきことに、「2023年3月以前」から「2023年5月」までに、既に就職活動を開始していたと回答した割合が、文系で46%、理系では55%と半数以上にも及んでいます。「2023年6月」を合わせると、文系で83%、理系で82%と、文系・理系ともに8割以上の学生が2023年6月までに就職活動を開始していることが分かります。“2024年になってから”という学生もちらほらいますが、「2024年3月以降」と回答した学生は皆無です。
[図表1]就職活動を開始した(開始する予定の)時期
次に、「就職活動に対する印象(所感)」について聞いてみたところ、文系では「とても楽観している」と「やや楽観している」を合わせた「楽観派」(以下同じ)は29%となっているのに対し、「やや不安である」と「とても不安である」を合わせた「不安派」(以下同じ)は55%となっており、不安視している学生のほうが多いことが分かります[図表2]。理系についても同様で、「楽観派」が31%なのに対して、「不安派」は56%と、やはり不安視している学生のほうが多数派となっています。文系以上に企業からの引く手あまたの理系はもう少し「楽観派」が多いかと思っていましたが、理系学生の意識はそうでもないようです。
[図表2]就職活動に対する印象(所感)

楽観する理由は「既に内定があるから」

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