2020年代に企業と個人が求められるアクションを予見する「働き方改革×DXセミナー」開催

HRプロ編集部取材×注目人事トレンド

2019年11月、東京都中央区にて、HRプロ、一般社団法人働き方改革コンソーシアム(CESS)、株式会社チームスピリットの運営による「働き方改革×DXセミナー」が開催された。令和元年は“働き方改革本格化元年”として、各社・各個人により多様で柔軟な働き方が実践され、その動きはさらなる広がりをみせつつある。こうした動きの中、今後の産業や社会や生活を劇的に変えていこうとしているのがデジタルテクノロジーを用いて新たな価値を創造するDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。また、政府の働き方改革の重点項目には、がん、難病といった病気に直面した人が治療と仕事を両立できる環境を整えることが含まれ、人生100年時代におけるがん就労支援は企業にとって大きなテーマとなっている。これからの2020年代、社会はどのように変わり、働き手個人と企業はどのようなアクションが求められるのか。明日を予測し、変革の時代を生き抜くための指針が得られるセミナーの内容を抜粋して紹介する。

デジタル競争の敗者とならないために重要なのは、レガシーシステムからの脱却とデータの標準化

開会の挨拶に立ったのは、CESS理事長、慶應義塾大学SFC研究所上席所員の間中健介氏。「デジタル化を通してより良い働き方を実現していくことは、個々人が成長できる働き方を実現するというだけでなく、企業にとっても効率性や創造力の向上につながる」と、本セミナーに込めた意図を述べた。

続いて行われたのは、経済産業省CIO(最高情報責任者)補佐官の平本健二氏による「デジタル技術による社会変革の可能性」と題する講演だ。内閣官房 政府CIO上席補佐官も務め、データ連携基盤の整備を推進している平本氏は、冒頭、経済産業省が発表したいわゆる「2025年の崖問題」を紹介し、DXの本格的な展開に向けて克服することが迫られている問題について、次のように注意を喚起した。

「複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムを使い続ける企業は、爆発的に増加するデータを活用しきれず、デジタル競争の敗者になりかねません。そうした企業においてシステム刷新が行われなければ、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があります。また、データ活用のために、同じく重要なのがデータの標準化です。内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が運営する『政府CIOポータルサイト』では国際標準で決められた性別コードなどを公開しています。こうしたものを参考に、自社のデータを標準的な形で管理していただきたいと思います。」

次に、デジタル化による社会変革には「技術がジャンプアップすることにより、アナログ時代のやり方を方法論から全く変えてしまうインパクトがある」と述べたうえで、平本氏は、デジタル技術の最も注目すべき点は、「人の可能性を最大化できること」だと語る。チャットボットやAIで欲しい情報やアドバイスをもらえる、MOOC(ムーク)と呼ばれるインターネットを介した公開オンライン講座で世界の名門大学の講座を受講できるなど、デジタル技術とは人の成長をサポートしてくれるものであり、「人の仕事を奪うものではない」と平本氏は力を込める。

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。

HRサミット2019/HRテクノロジーサミット2019 アフターレポート公開中

関連リンク