「アウトソーシング(Outsourcing)」とは、必要なビジネスプロセスの一部あるいは全部を外部の専門業者に任せることで、外部委託と訳されます。1980年代後半から一般化してきました。最初は給与計算といった定型的な業務でしたが、今ではさまざまな業務で活用されています。

アウトソーシングをする際には、外部の専門業者との間で請負契約、あるいは準委任契約が必要です。委託される業務の内容、範囲、障害対応、違約の場合の補償などについて、双方が契約内容を確認します。

注意したいのは、アウトソーシングは人材派遣とは違うという点です。人材派遣の場合、派遣スタッフは派遣先企業の社員の指揮命令の元で業務を行います。一方、アウトソーシングの場合は社員による指揮命令はできません。たとえ、業務を行う場所が社内であっても、それは変わりません。実態は人材派遣にも関わらずアウトソーシングを装い、問題になるケースもありますので、注意が必要です。

アウトソーシングのメリットはさまざまあります。たとえば、社内で人材を育成しようとすれば大変な費用や時間がかかりますが、アウトソーシングを利用すれば、それが必要ありません。また、外部業者は品質やスピードの面で社員に勝ることがしばしばです。専門特化することで、ノウハウが蓄積されているからです。

とはいえ、すべての業務をアウトソーシングすることは得策ではありません。企業にとってコアになる技術や業務に関わる人材は、社内で育成し、ノウハウも蓄積していくべきです。何をアウトソーシングして、何をアウトソーシングしないかは、経営戦略にも関わる部分ですので、しっかりとした方針を立てることが重要です。