株式会社学情は2025年5月19日、企業・団体の人事担当者を対象に実施した「20代を対象としたキャリア採用」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2025年3月24日~4月16日で、人事担当者338人から回答を得ている。調査結果から、企業が新卒採用に加えて20代キャリア採用を実施する理由や、20代キャリア採用者に期待する点などが明らかになった。

中途採用が「若手人材確保」の主軸に? 20代の中途採用で企業が求めるのは“即戦力”か、育成前提の“中長期戦力”か

約半数の企業が「新卒採用だけでは若手人材を充足できない」

新卒一括採用の競争が激化する現代において、多くの企業が若手人材の確保に頭を悩ませているだろう。そのような中、20代の中途採用を強化する企業も増えているが、そうした企業はなぜ20代の中途採用を実施し、何を求めているのだろうか。

はじめに学情は、「20代を対象にしたキャリア採用を実施している理由」を尋ねた。その結果、「キャリア採用(経験者採用・第二新卒などの採用)強化のため」(46.3%)と「新卒採用だけでは、若手採用を充足できないから」(46%)が、僅差で並んで2トップという結果になった。同社はこの結果について、「新卒採用に苦戦して若手キャリア採用に乗り出した企業が多い」との見解を示している。

また、上記2回答以下には、「欠員補充のため」(41.2%)のほか、「事業拡大に基づく人材確保のため」(38.6%)、「組織の年齢構成比を最適化するため」(38.3)などの回答が続いた。
20代を対象にしたキャリア採用を実施している理由

20代中途採用者に期待することは「中長期的に戦力になること」

次に、20代を対象にしたキャリア採用において「入社後に期待すること」を尋ねると、最多となったのは「中長期的に戦力になること(育成を前提として長く働いてくれること)」で、83%と突出した。以下、「新卒学生よりも早期での戦力化」(46%)、「素直さ」(40.2%)、「社内に新しい風を吹き込んでくれる」(37.6%)、「若い世代ならではの新しいアイディア・意見・提案」(33.4%)などの回答が続いた。同社はこの結果に対し、「即戦力としてよりも、新卒の不足分を補おうとしている」と推察している。
入社後に期待すること
本調査では、20代キャリア採用を実施している理由として「キャリア採用強化のため」が最多となり、僅差で「新卒採用だけでは、若手採用を充足できないから」が続いた。また、入社後に期待することについては「中長期的に戦力になること(育成を前提として長く働いてくれること)」を選んだ企業が8割を超えて突出した。企業は、20代のキャリア採用を単なる欠員補充ではなく、新卒採用と並ぶ「若手人材確保」の重要な柱と捉えるべきだろう。中長期的な戦力育成を前提とした採用戦略を構築し、入社後のキャリアパスを明確に示すことが、優秀な20代人材の獲得と定着に繋がるかもしれない。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001409.000013485.html

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