企業や組織の継続的発展に不可欠な要素のひとつ「マネジメント力」。現在、働き方や従業員の価値観が多様になり、これまで以上にマネジメント力が求められている。部下の育成や目標達成などで悩んでいる管理職も多いだろう。本稿では、「マネジメント」の意味や目的、役割のほか、欠かせない4つのスキル、多岐にわたるマネジメントの種類などを徹底解説していく。
マネジメント

マネジメントとは

「マネジメント」とは、企業が、組織の成果を上げるために経営資源(ヒト・モノ・カネ)を効率的に活用し、リスク管理のもとに、「目標」や「ミッション」の達成を目指すことである。もともとの「マネジメント(management)」が持つ意味は、「経営」や「管理」などで、これがビジネスシーンに転用された。現在通用している「企業におけるマネジメント」とは、「経営管理」や「組織運営」といった意味となる。

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●ドラッカーの「マネジメント」の概念と定義

「マネジメント」の概念は、アメリカの経営学者、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(P.H.ドラッカー)が、1973年に刊行した著書『マネジメント』の中で提唱した言葉だとされている。教育やコンサルティング活動と並行して、ビジネスに有用な経営・経済に関する著作を多く執筆。2005年の逝去後は「経済学の父」、「マネジメントの父」と称えられている。ビジネスパーソンなら1度は名前を見聞きしたことがある人物だろう。また、近年ではドラッカーの「マネジメント」を汎用化し生活に取り入れてみる、といったコンセプトの書籍や映画などのメディアコンテンツも誕生したことは記憶に新しいかもしれない。

ドラッカーが著書の中で定義した「マネジメント」と、マネジメントの遂行者である「マネージャー」とは、以下のような内容である。

・マネジメント
組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関

・マネージャー
組織の成果に責任を持つ人物


マネージャーは「成果の責任者」である以上、組織が確実に目標達成を可能にするよう「的確なマネジメント力」が必要不可欠なのだ。

●マネジメントの必要性

では、何故、企業にはマネジメントが必要なのだろうか。それは、マネジメントが企業の持続的な発展に欠かせないからである。そのため、企業は特に下記を意識すべきだろう。

・組織が果たすべき目標を明確に把握し、達成するための組織運営を実施する
・組織を発展させるために、既存人材の能力を発揮するのに相応しい活躍の場を与える。また、これによって成果の最大化をはかる
・従業員を、成果を最大化できるような人材に育成する


また、企業・組織の目標とは、社会全体にとって良い影響を与えるものでなくてはならない。単に自社の業績向上を目指すだけではなく、マネジメントを通して「社会貢献」すること、それが組織の負う責任であることを自覚することが重要なのだ。

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●「マネージャー」と「リーダー」の違い

さて、先に紹介した「マネジメント」の生みの親・ドラッカーは、「マネージャー」を「組織の成果に責任を持つ者」と定義している。マネージャーは組織の成果を向上するため、責任を持ってマネジメントする必要があり、その役割には、以下のようなことを挙げている。

・組織作りとミッション達成
目標を設定して組織を作り、ミッション達成に向けて業務を遂行する

・部下の統率・育成
部下とコミュニケーションをはかり、目標達成のための動機づけを行う

・成果の評価測定
評価に留まらず、その結果に基づいて部下への指導や人材育成を行う

一方、「リーダー」の役割とは、強いリーダーシップを発揮して、企業や組織が目指すべき方向性や具体的な目標を示すことである。リーダーが担う主なミッションは下記のようなものだ。

・従業員の自律・自走や、生産性向上を促す
・従業員に権限を与えることを前提として事業推進をはかる
・組織運営では、組織内の人員配置~意思決定といったプロセス・ガイドラインの制定


まとめると、経営方針や目標を示すのがリーダーで、リーダーの意思に沿って目標達成までの道筋を示すのがマネージャーとなる。マネージャーには、リーダーが示した方向性を理解して、どのように目標達成するかを示し、組織が目標に向かって正しく進むように指導・先導するのが任務である。リーダーが決定したメンバーを統率し、意思決定プロセスに従って、組織を円滑に運営することが求められるのだ。

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●「マネジメント」と「リーダーシップ」の違い

また、「マネジメント」と同じような意味として使用されがちな言葉に「リーダーシップ」がある。本来は別の意味をもつため、ここできちんと確認しておこう。

リーダーシップ:具体的な「方向性を示す」ことが目的
マネジメント:「設定した目標に沿って組織を運営する」ための手段を示すことが目的


つまり、「どんなサービスを作るか」について方針を出すのがリーダーシップで、「そのサービスの具体的な内容」を考案し、実施へと導くのがマネジメント、ということになる。

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●マネジメントの役割

・組織が果たすべきミッションの達成


社会貢献に向けて、各組織で特有の目的とミッションを把握し、使命を果たしていかなければならない。適切なマネジメントによって目標を達成し、成果を上げ、組織の持続的な発展を目指す役割を持っている。

・社会貢献

組織は顧客だけでなく、「社会」が求めるニーズに応える必要がある。そのため、企業が掲げる目標が達成されるということは、最終的に社会貢献に繋がらなければ意味がない。

・組織で働く人を活かす

企業・組織は、そこで働く人たちに仕事を通じて自己実現できる機会や対価・地位を与えて、マネジメントすることによって、一人ひとりの強みを業務に活かし、成果を上げさせる。組織に所属する従業員は、その与えられた場で「自己実現」を目指すことになる。

マネジメントの具体的な業務内容とは

ここまで概念や役割を解説してきたが、ここからはマネジメントの具体的な業務の内容について解説してゆく。

●目標設定

マネジメントを行う場合、まずは「目標」と「ゴール」を明確で具体的に示す必要がある。次に、決定した目標の実現に向けて、何をすべきかを決める。その上で、従業員たちにその目標を周知し、理解させ、社内全体に浸透させることが必要なのだ。

【関連記事】モチベーションを高める「目標設定」のコツとは? 5つのフレームワークを具体例を交えて紹介

●組織化

組織するというのは、目標達成のために必要な活動や意思決定、そして関係などについて分析し、その「仕事」を分類する。さらに「仕事」を、「活動」、「作業」に分け、それぞれの業務ごとに組織作りを行う。また、組織に必要不可欠な「人材」、マネジメントを行う者、実際に業務を遂行する人などの人選も行う。

●動機付け

「動機付け」とは、つまりモチベーションの維持である。マネージャーは、仕事そのものや、インセンティブ・報酬・昇進昇格などによって、部下のモチベーションの維持をはかる必要がある。これは、上司と部下、管理者と業務担当者といった双方向のコミュニケーションによって行われるべきであり、この「動機付け」によってチームがまとまっていく。

●評価

マネージャーは部下や業務に当たる従業員を評価するための「基準」を設けなければならない。組織で働く人材に限らず、組織そのものに大きな影響を及ぼすものであり、マネージャーは、従業員が「組織全体の成果」と「自身が担当する仕事」に対して、きちんと向き合えるように促す必要がある。さらに、部下や従業員の仕事ぶりを分析・評価し、フィードバックも行う。

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●人材育成

マネージャーが行うマネジメントのあり方次第で、従業員の強みや特性を発揮させることもあれば、能力や強みを引き出せないまま終わってしまう危険もある。マネジメントが正しく行われ、マネージャー自身を始めとした全従業員に向けた「人材育成」に取り組む必要があるといえる。

●予算管理

マネージャーは、組織やプロジェクトの目標を達成するために、限られた資金を効果的に配分・活用する必要がある。経費や人件費、設備投資などの支出を把握し、無駄を削減しながらも成果を最大化することが求められる。さらに、予算実績とのギャップを定期的に確認し、必要に応じて修正を行うことで、健全な財務運営と業務の安定化を実現することが重要だ。

●部署連携

組織の成果は、個々の部署が独立して業務を進めるだけでなく、相互に連携しながら全体最適を追求することで高まる。その中でマネージャーは、自部門の目標と他部署の目的を整合させ、情報共有や協力体制を築く役割を担う。部署間の意思疎通を円滑にし、課題やリスクを共有しながら解決策を検討することで、組織全体のパフォーマンスを向上させることができる。

マネジメントで大切な5つのスキル

ここでは、マネジメントを遂行するうえで欠かせない5つのスキルを紹介したい。

●意思決定

マネージャーはとにかく重要な局面で判断を迫られることが多い。その際、全員の賛同を得られることはめったにない。多くの異論や対立があるなかで、客観的な材料だけでなく、自分の軸も持ちながら意思決定をしなければならない。組織のビジョンと矛盾したり、方針にブレがあったりすれば、リーダーやメンバーなど部下からの信頼度が著しく低下するため、意思決定には慎重さが求められる。

●コミュニケーション

組織の目標を示すだけでなく、達成に向けた方法を伝えたうえで、マネージャーは自分の考えを部下に理解してもらわなければならない。そのためには、組織内の認識をすりあわせ、意思疎通をはかるためのコミュニケーションが欠かせない。注意したいのは、一方的な会話になっていないかどうかだ。ただ話を伝えるだけでは、部下の納得感を醸成することはできない。部下の意見に耳を傾けたうえで、相手の考えに沿って話すといった双方向のコミュニケーションを取ろう。

【関連記事】「コミュニケーションスキル」とは? 人事が研修に向けておさえておきたい種類や能力アップのポイントなどを解説

●管理

組織を率いて成果を出していくためには、管理のスキルも忘れてはいけない。「目標達成に向けて、組織を適切に機能させることができているか」、「生産性向上のために、適切な組織構成や業務振り分けができているかどうか」、「仕事に対する基準を高めながら、組織全体の業務の質が上がっているか」、これらの観点で組織を見ることが求められる。正しい管理に向けて、効果測定だけでなく、部下にフィードバックを適宜実施し、強みを発揮できる環境を整えなければならない。

●分析

組織の課題解決や目標達成は、経験や勘だけで実現することはできない。データを分析しながら戦略を立てていかなければ、的外れな施策ばかりを生み、組織を誤った方向に導いてしまう。また、成果を最大化させるために、PDCAを回すのはもちろんのこと、データを短期で見るのか長期で見るのか、分析するうえでのスパンにも留意したい。

●コーチング

マネージャーに求められるコーチングとは、単に指示や助言を行うことではなく、部下自身の成長を引き出すための対話を重ねることである。部下が自ら課題を発見し、主体的に行動できるように促す姿勢が重要だ。そのためには、傾聴と質問を通じて相手の思考や感情を理解し、適切なフィードバックを行う必要がある。また、部下の現状を正確に把握するための「アセスメントスキル(評価力)」も欠かせない。能力や特性、課題を客観的に見極める力があってこそ、個々に合ったサポートや目標設定が可能になる。コーチングは、部下一人ひとりの潜在能力を高め、組織全体の自律性とパフォーマンスを向上させるマネジメントスキルといえる。

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「階層別マネジメント」と、その種類

ここからは、マネジメントの具体的な手法について紹介・解説していこう。まずは「階層別マネジメント」である。役割によって3つに分けられており、その階層ごとに求められるものが異なる。

●トップマネジメント

最高経営者層、組織の最高経営者陣のことで、該当するのは、会長、社長、副社長、常務、専務など取締役会のメンバーや、組織の各部門を取り仕切る執行役員など。日本語では最高経営者層、最高管理者層などと訳される。

「トップマネジメント」は、組織の基本的な方針を決定し経営計画を立てる、組織の運営方針を決めるなど、経営に関する総合的な意思決定と同時に最終的な責任を担う役割があり、強力なリーダーシップが求められる層であるといえる。

●ミドルマネジメント

部門的経営管理を担う「トップマネジメント」と、現場の作業管理者である「ローアーマネジメント」の間に位置し、いわゆる「中間管理者層」のことを指す。該当するのは、支店長・工場長・部長・課長・係長・マネージャーなどで、一般に「管理職」と呼ばれる。

中間管理者には、トップマネジメントをサポートし、戦略的判断や指示・命令、組織の運営方針を部下へ通達することが求められる。また、ローアーマネジメント層を指揮監督し、現場からの意見を吸い上げる役割もある。経営層と現場で業務に当たる従業員をつなぐ重要なパイプ役であり、組織内の意思疎通に欠かせない。そのため、組織の規模が大きければ大きいほど重要なポジションと見なされる。

●ローアーマネジメント

トップマネジメント、ミドルマネジメントに次ぐ位置にいる。該当するのは係長や主任・現場リーダー・チーフなどの、いわゆる「監督者層」、「下級管理者層」。ローアーマネジメントは、直接末端の業務遂行を指揮・統制し、組織戦略や施策を現場の活動へ反映させて、上層部が描いたビジョンの実現を目指す。

「業務別マネジメント」の種類

業務別マネジメントには下記4つの要素がある。それぞれ代表的な物を紹介し、解説しておこう。

【組織運営】

・チームマネジメント

主に中堅社員やチームリーダーに求められるマネジメント手法であり、メンバー一人ひとりの能力や特性を把握し、チームとして最大の成果を発揮できるように導くことが目的である。明確な目標設定と役割分担を行い、信頼関係を構築しながら協働を促していく。成果を上げるためには、コミュニケーションを通じてメンバーのモチベーションを高め、トラブル発生時には迅速な調整・支援を行うことが重要となる。

・ナレッジマネジメント

組織内の個人が保有する知識・経験・ノウハウを共有し、組織全体の知的資産として活用するためのマネジメント手法。暗黙知を形式知化し、再利用できる形で蓄積することで、業務効率や生産性の向上につなげる。社内共有ツールの整備や学習文化の醸成など、「知識の循環」を促す環境づくりが、持続的成長を実現する鍵となる。

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・プロジェクトマネジメント

目的を達成するために、限られた期間とリソースの中で計画・遂行・管理を行うマネジメントのこと。スケジュール管理、コスト配分、リスク対策、人員調整などを総合的に行い、プロジェクト全体を最適化する。リーダーには、進捗状況の把握だけでなく、ステークホルダー間の調整やチームのモチベーション維持も求められる。

【関連記事】「プロジェクトマネジメント」の手法やプロセスとは? 研修実施に役立つ基本スキルも解説

・ファシリティマネジメント

企業が保有・利用するオフィスや設備、空間などの資産を最適に運用・管理することを目的とするマネジメント手法である。働きやすい職場環境を維持しつつ、コスト削減や生産性向上、安全性の確保を同時に実現することが求められる。近年は、リモートワークやハイブリッド勤務の普及を背景に、柔軟な空間設計やオフィスの再定義といった観点からも重要性が高まっている。

・ダイバーシティマネジメント

性別・年齢・国籍・働き方など、多様な背景を持つ人材がそれぞれの強みを発揮できるようにするマネジメントのこと。マネージャーには、公平な評価制度や柔軟な労働環境の整備に加え、無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を排除するための取り組みも求められる。多様な視点や価値観を活かすことで、組織のイノベーションと競争力を高めることができる。

・コンフリクトマネジメント

組織内で起こる意見の対立や利害の衝突を、建設的に解決するためのマネジメント手法である。マネージャーは、対立の背景にある課題を冷静に整理し、双方の意見を尊重しながら合意形成を図ることが重要だ。対立のマネジメントは、チームの心理的安全性を高め、健全な議論を通じて組織を成長させる土台となる。

【人材管理】

・タレントマネジメント

タレントマネジメントは、近年注目されている人材マネジメント手法で、近年では一般用語化し「タレマネ」などとも略されている。組織の中で優秀な人材を「タレント」と位置づけ、彼らが持っているスキルを的確に把握し、人材配置や人材育成などを適切に行うことで、パフォーマンスを最大化させる。

【関連記事】採用や育成で注目の「タレントマネジメント」とは何か? 定義や目的を整理し、導入フローもチェック

・パフォーマンスマネジメント

従業員の「スキル」と「モチベーション」を向上させながら、同時に「目標達成」させることを目的としたマネジメント手法である。

・モチベーションマネジメント

組織の生産性向上を目的として、組織内において従業員に「動機付け」を行い、成果を出すための行動を促すこと。

【メンタルヘルス】

・メンタルヘルスマネジメント

「心の健康管理」のことで、近年増加している職場における心の不調による離職・休職への対策である。「ストレスマネジメント」と近い手法で、従業員が心の不調や疾患を抱えることなく、自身の能力を最大限に発揮して活躍するために必要な手法となっている。

【セルフマネジメント】

・アンガーマネジメント

「アンガー(怒り)」+「マネジメント(管理)」の名称の通り、適切なコミュニケーションのため、自身の怒りの感情をコントロールすることだ。自身が抱いた怒りの感情を客観視し、原因を把握することにより、感情に任せた行動の抑制を習慣化することができるという。近年では、著名人がメディアを通して言及していることでも有名になり、「怒りの6秒間」コントロールなどを耳にしたことがある人もいるだろう。リーダーシップ研修と同時にアンガーマネジメント研修を導入するなど、ビジネス面での注目が高まっている。

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・ストレスマネジメント

職場内ストレスをコントロールし、従業員のパフォーマンス向上を目指す取り組みである。企業が近年実施している定期的な「ストレスチェック」も、この一環である。過度な負荷を防ぐためには、業務量の調整や職場環境の改善、上司や同僚とのコミュニケーション強化が重要だ。ストレスの要因を早期に把握し、心身の健康を維持することで、持続的な成果を支える基盤をつくることができる。

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・タイムマネジメント

限られた時間の中で仕事の優先順位をはっきりさせ、生産性を高めるための考え方や方法を指す。重要度や緊急度に合わせてスケジュールを組み立て、無理なく効率的に進めることがポイントだ。ToDoリストやタイマーの活用といった個人の工夫に加え、チーム全体で予定を共有し、業務の分担を見直すことも効果的である。

【関連記事】「タイムマネジメント」の意味とは? タイムマネジメント能力を高めるコツやツール、優先順位の決め方を解説

・タスクマネジメント

目標を達成するために必要な仕事を整理し、計画的に進めていくための手法である。やるべき業務を洗い出し、優先順位をつけて管理することで、抜け漏れや遅延を防ぐことができる。タスク管理ツールの活用や、進捗を定期的に見直す仕組みを取り入れることで、チーム全体の効率と成果の質を安定して保つことができる。

【関連記事】「セルフマネジメント」の意味とは? 必要な能力や身につけるためのポイントを解説

マネジメントの課題と解決策

マネジメントには、組織を動かす責任と同時に、さまざまな課題がつきものだ。リーダーシップの発揮やメンバー育成、チームの生産性維持など、多方面の対応力が求められる。ここでは、現場でよく見られる4つの課題と、その解決の方向性を紹介する。

●部下のパフォーマンス低下

部下の成果が思うように上がらない場合、その背景には目標設定の不明確さや役割認識のズレ、コミュニケーション不足などがあることが多い。マネージャーは、まず現状を可視化し、業務量・スキル・モチベーションのどこに課題があるかを見極めることが重要だ。その上で、適切なフィードバックやサポート体制を整え、成長につながる目標を共有する。短期的な成果だけでなく、長期的な視点での育成を意識することで、持続的に成果を上げられるチームへと改善できる。

●チームワークの悪化

チーム内の連携がうまくいかないと、情報共有の遅れや責任の不明確化が発生し、結果として生産性やモチベーションの低下につながる。原因は、コミュニケーション不足や相互理解の欠如、組織目標の共有不足などが考えられる。マネージャーは、定期的なミーティングや1on1でチーム状況を把握し、メンバー同士の相互理解を促すことが大切だ。また、成果をチーム全体のものとして評価する文化をつくることで、協働意識が高まり、健全なチームワークを取り戻せる。

●マイクロマネジメント

部下の業務を細かく管理しすぎる「マイクロマネジメント」は、短期的には精度を保てるものの、長期的には信頼関係や主体性を損なう大きなリスクがある。マネージャーは、業務の進め方を逐一指示するよりも、成果を出すための目的やゴールを明確に示すことが重要となる。加えて、部下が自律的に判断・行動できる余白を与えることで、モチベーションやエンゲージメントが高まり、結果としてチーム全体の成果も向上する。

●マネージャー自身のプレッシャー

成果責任や上層部の期待、部下の育成など、マネージャーは組織の中でも特に多くのプレッシャーに晒される立場だ。このストレスを放置すると判断力の低下や燃え尽き(バーンアウト)を引き起こす可能性がある。重要なのは、「一人で抱え込まない」こと。上司や同僚と課題を共有し、定期的に心身をリフレッシュする時間を設けることが大切だ。また、自己理解を深め、マネジメントスタイルに自信を持つことも、安定したリーダーシップ発揮につながる。

まとめ

企業・組織を正しい方向に導くことや、部下・従業員という「人財」を育成していくためには、適切なマネジメントが不可欠だ。従業員の働き方や価値観が多様化しているのを機に、今一度、マネジメントの意味や役割、業務内容などについて、管理職を中心に社内で確認し合ってみてはいかがだろうか。



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