株式会社エルテスは2022年8月3日、「大手企業におけるSNSリスクマネジメントの実態調査」の結果を発表した。調査は2022年6月に実施され、従業員規模1,000名以上の企業に勤めるビジネスパーソン146名から回答を得ている。調査からは、SNSリスクマネジメントにおける課題や、SNSリスクが事業戦略に何らかの影響を与えている可能性がうかがえた。
“SNSリスク回避”のために各社が行っているリスクマネジメント施策とは。「リソース不足」、「ノウハウ不足」が課題か

約8割が“SNSリスクへの理解を促す研修”を「全社員に行っている」と回答

マーケティング戦略において“SNSの活用”が重要な要素となっている中、企業のSNSリスクへの対応の実態はどうだろうか。エルテスはまず、「従業員に対し、SNSリスクへの理解を促すコンプライアンス研修等を実施しているか」を尋ねている。すると、「全社員(アルバイト等は除く)に実施」が79.5%で最多だった。以下、「アルバイトスタッフに実施」が9.6%、「実施していない」が8.9%、「SNS運用担当者などの関連部門に実施」が7.5%となった。
“SNSリスク回避”のために各社が行っているリスクマネジメント施策とは。「リソース不足」、「ノウハウ不足」が課題か

“内部起因のリスク”を警戒する傾向が明らかに

同社は次に、「気にしているSNSリスク」を尋ねている。すると、最も多い回答は「関係者からの内部告発・情報漏えい投稿」で63%、次いで「従業員による不適切投稿」が60.3%と続いた。SNSリスクへの危機感として“内部起因”によるものに目が向けられている傾向がうかがえる。
“SNSリスク回避”のために各社が行っているリスクマネジメント施策とは。「リソース不足」、「ノウハウ不足」が課題か

リスクマネジメントにおいては「社内リソース」、「ノウハウ不足」が課題か

また同社は、「SNSデータを活用したリスクマネジメントにおける課題」を尋ねている。すると、「24時間365日の監視・対応体制が困難」が39%で最多となった。以下、「自社に関連するSNSデータ収集が困難」が32.9%、「社内リソースの確保が困難」が30.8%、「わからない」が30.1%、「リスク判断のノウハウがない」が20.5%となった。
“SNSリスク回避”のために各社が行っているリスクマネジメント施策とは。「リソース不足」、「ノウハウ不足」が課題か

SNSリスクへの対策として、4割が「研修」を実施。SNS活用自体を抑制する企業も

最後に、「SNSリスクに対する現状の対策」を尋ねている。すると、「SNSリスクに関する研修を実施」が47.9%で最多だった。以下、「SNS活用ルールを策定」が43.2%、「インシデント発生時のエスカレーションフローを策定」が26.7%、「SNS上を監視」が17.8%、「リスクがあるので、SNSマーケティング等を抑制」が11%となった。
“SNSリスク回避”のために各社が行っているリスクマネジメント施策とは。「リソース不足」、「ノウハウ不足」が課題か
本調査から、大手企業のSNSリスク対策の多くは「研修の実施」や「ルール策定」など、リスクを未然に防ぐ対策であることがわかった。また、SNSリスクを回避するために、SNSマーケティング自体を抑制する企業も存在するようだ。SNSを活用し有効にマーケティングに活用していくためには、現状の対策の見直しが必要かもしれない。

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