「コロナ禍がDXを加速させる」と9割以上のSaaS提供会社が予測。今後、業務のデジタル化はさらに進む

米Salesforce Ventures(セールスフォース・ベンチャーズ)と日米VCファンドのDNX Venturesは、2020年10月、「新型コロナウイルスのSaaS企業への影響に関する実態調査」の結果を共同発表した。調査期間は2020年7〜8月下旬、B2B向けにSaaSビジネスを展開する国内のスタートアップ企業、39社から回答を得た。SaaSビジネス企業の受注状況と今後の見込みに関するヒアリング結果から、企業のDX推進状況を探ってみたい。

SaaS企業の2020年度の見通しは「横ばい」または「増加」が3割以上

新型コロナウイルス感染症拡大により、企業の「SaaS(サース、Software as a Service)」の導入・活用状況はどのように変化したのだろうか? 「新型コロナ流行以前の計画を100として、本年度通期の現時点での受注見通しはどう変化したか」と尋ねたところ、新型コロナ以前より「25%以上減」と回答した企業は合わせて18%にとどまり、逆に「横ばい」または「増加」を見込む企業は33.4%にのぼった。新型コロナによるマイナスの影響は小さく、むしろDXを推進する企業が増えたと捉えている企業も多いようだ。

SaaSの導入を検討する企業の状況は?

次に、「2020年3月以降の、新規顧客との営業パイプライン(案件数)の状況」を聞いた。「増加:50%以上」は7.7%、「増加:25〜50%未満」は5.1%、「増加:0〜25%未満」は23.1%となり、「増加した」と答えた企業は合計で35.9%となった。また、「変化無し」は12.8%で、「増加」と合わせると48.7%という結果だった。一方、減少に転じたケースは「減少:0〜25%未満」(33.3%)、「減少:25〜50%未満」(15.4%)、「減少:50%以上」(2.6%)で、合計51.3%に。約半数は安定しており、SaaSビジネスの底堅さが現れている。

SaaS提供企業の7割以上が「新たな収益ビジネスがスタートした」と回答

また、「コロナ禍で、自社の新たな収益機会を見出したか」の質問には、71.8%が「はい」と回答し、新たな見込み案件やユーザーが現れたとしている。これは「いいえ」の28.2%を大きく引き離しており、コロナ禍で企業が業務サービスのデジタル化を推し進めていることがうかがえる。

ほぼ10割が「新型コロナはSaaS普及の追い風になる」と予測

最後に、「新型コロナがDXを加速させ、自社にとって追い風になると考えるか」を聞くと、97.4%(39社中38社)が「はい」と回答。SaaS企業は、新型コロナの流行を契機として、DXが更に加速すると予測しているようだ。
コロナ禍により、多くの企業がオンラインサービスの導入や検討を進め、DX推進の契機となったことが窺える。これからDX化に取り組む企業は、自社にとって必要なデジタルツールについて比較・検討を進めることが、先行きが見えないコロナ禍の対応策として有効になりそうだ。