セクハラ、パワハラなどハラスメント行為者へのヒヤリングのポイント

セクハラやパワハラの相談が社内相談窓口に寄せられた場合、次に必要となるのは、ハラスメント行為者への事実確認(ヒヤリング)である。だが、これはなかなか厄介だ。行為者として名指しされた人にとっては、話を聴かれるということ自体が屈辱であり、「自分こそ被害者だ」という意識に凝り固まってしまうことがある。行為者からのヒヤリングをトラブルなくおこなうためには、どのような点に気をつければよいのだろうか。

最初から“加害者だ”と決めつけない

ハラスメントの行為者にヒヤリングする場合、担当者は被害を相談しに来た人(以下、「相談者」という)から直接内容を聞いているか、そうではない場合もある程度の内容を承知した上で臨むことになる。この段階では、まだ一方の話を聞いただけで、それが事実かどうかはわからないのだが、人間は最初に聞いた話が判断のベースになってしまうことがよくある。

また、人事労務担当者という立場では、「なんでこんな面倒事を起こしたんだ。たださえ忙しいのに、仕事が増えてしまう」という感情も当然湧くだろう。これらのことは、行為者に対する怒りの感情につながりがちだ。そうなると、最初から「ハラスメント行為があった」と決めてかかって、ヒヤリング相手を犯人扱いすることになってしまう。

だが、自分を頭から犯人扱いして責める相手に対して、信頼感を持って本当のことを言おうとする人はいない。加害者扱いされた行為者は、亀が甲羅の中に首をひっこめるように過度に防衛的になり、「なにもしていない。なにも覚えていない。わたしは陥れられた」という話しかしない。これでは、ヒヤリングは失敗である。

たとえヒヤリング担当者の心証としては間違いなくても、また、行為者が他の事案でもハラスメント行為をおこなったことを知っていたとしても、「“今回の件に関しては”、まだなにもわかっていない」という前提で話を聞かなければならない。まずは、行為者のプライドを尊重し、次の3点を最初に伝えておこう。

(1)ヒヤリングに協力してくれることに対するねぎらい
(2)被害の申告はあったが、まだ事実はわかっていないので当事者にヒヤリングしていること
(3)体調や睡眠の状況に対する質問

3つ目は、相談者に対して聞かなければならないことだが、行為者も、会社から「ハラスメント行為の相談があり、行為者としてあなたの話を聞きたい」という話が来た時点で、大きなストレスを感じている。眠れなくなるというのは、よくあることだ。その点について配慮を見せることで、信頼感を持ってもらうことにつながる。

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HRプロ編集部

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