ダイバーシティ&インクルージョンの推進を人事政策の重点事項と位置づけ、多様な人財の活躍支援の取り組みを進める明治安田生命保険相互会社。経営トップのコミットメントのもと、さまざまなプログラムや人事制度の拡充を進め、10年間で女性管理職比率を3.8%から34.9%(2023年4月時点)と驚異的な引き上げを実現されました。その実績は厚生労働省の「グッドキャリア企業アワード2022」受賞をはじめ、高い評価を受けています。

今回、明治安田生命保険相互会社 執行役員 人事部長 片山 圭子 氏、人事部 ダイバーシティ推進室長の淡路なな恵氏をお迎えし、株式会社マネジメントサービスセンター(MSC)のコンサルタント 芝沼芳枝、高田和加子が、人財育成の考え方やダイバーシティ&インクルージョンのお取り組みを伺いました。(以下敬称略)


プロフィール


  •  片山 圭子 氏

    明治安田生命保険相互会社 執行役員 人事部長 片山圭子 氏

    1991年 明治生命保険相互会社(現:明治安田生命保険相互会社)に女性総合職5期生として入社。湘南支社、営業所長などの現場業務と、総務部、企画部、営業教育部などの本社業務の両方を経験。2回目の育休後に、人事部にて、ダイバーシティ推進室の立ち上げに携わる。その後は川崎支社 業務推進部長、「お客さまの声」統括部 グループマネジャー、2019年に総務部長、コンプライアンス統括部長を経て、2022年から現職。
    横浜国立大学 教育学部卒、神奈川県出身。夫、中学3年生、中学1年生の4人家族

  • 淡路 なな恵 氏

    明治安田生命保険相互会社 人事部 ダイバーシティ推進室長 淡路 なな恵 氏

    1988年 明治生命保険相互会社(現:明治安田生命保険相互会社))に職域営業職として入社。28歳で所長職を経験後に総合職(地域型)に変更。結婚、出産後は、夫の実家近くに勤務地を変更し、所長、センター長、教育部長、人事部ダイバーシティ推進室スタッフ経験後に、総合職(全国型)に変更。その後は町田支社 業務推進部長、横須賀営業支社長、東京マーケット開発部 統括部長を経て、2020年から現職。
    産能短大卒、2023年慶應義塾大学大学院(経営管理研究科)修了。夫、娘、義母の4人家族

  • 芝沼 芳枝 氏

    株式会社マネジメントサービスセンター コンサルタント 芝沼 芳枝

    印刷会社入社後、(現)一般財団法人労務行政研究所にて『労政時報』の編集部に所属。人事コンサルティング会社にてマーケティング・営業の責任者を務める。株式会社マネジメントサービスセンター入社後、営業副本部長、事業企画室長を経て現在に至る。専門は、人事制度設計、労務アドバイザリー、エグゼクティブ・コーチング、次世代リーダー育成。人事・人材業界における知見を豊富に有し、経営及び組織感覚溢れる実践的コンサルティング・講師としての指導力に定評がある。

  • 高田 和加子 氏

    株式会社マネジメントサービスセンター コンサルタント 高田 和加子

    前職では、分譲マンションの管理会社にて提案営業を担当。在職中に中央大学大学院にて経営戦略研究科でMBA資格を取得。その後、株式会社マネジメントセンターに入社し、若手・中堅社員を対象とした問題解決スキル向上やリーダーシップ開発のトレーニングを提供。研修前後のサポートや学習ツールを組み合わせた行動変容を促す能力開発に定評がある。また、個別コーチング等による能力開発や、職場の育成体制構築のコンサルティングにも力を注いでいる。

高田様・淡路様・片山様・芝沼様

「明治安田フィロソフィー」を体現する人財を、長期的な視点で育成する

芝沼:本日は、明治安田生命様のダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)の取り組みについて伺いたいと思います。まずはD&I施策の根幹にある理念についてお話しいただけますでしょうか。

片山:D&Iの根幹にある概念は、当社のパーパスである「明治安田フィロソフィー」です。当社すべての従業員の行動の羅針盤として位置づけられ、経営理念「確かな安心を、いつまでも」、企業ビジョン「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」、明治安田バリュー「お客さま志向・倫理観」「挑戦・創造」「協働・成長」で構成されています。
片山様
このフィロソフィーの原点は、2011年の東日本大震災です。当時、多くの職員やMYリンクコーディネーター(営業職員)は自らも被災したにもかかわらず、避難所を1軒1軒訪問し、お客さまの安否確認と保険金・給付金の請求有無の確認にあたってくれました。特に会社から命ぜられずとも、自らの意志で行動したのです。このときの経験や使命感が、私たちのDNAに刻まれ、今日の「明治安田フィロソフィー」につながっています。

芝沼:2020年4月からスタートした10年計画「MY Mutual Way 2030」も、このフィロソフィーがベースとなっているのでしょうか。

片山:その通りです。「明治安田生命10年計画 『MY Mutual Way 2030』」では、2030年に目指す姿を「『ひとに健康を、まちに元気を。』最も身近なリーディング生保へ」と定めています。保険を販売して利益を得るだけではなく、私たちには社会的使命があります。社会的価値の向上と経済的価値の向上、両方の好循環を実現し、持続可能な社会づくりに貢献していくことが「MY Mutual Way 2030」の目的です。

芝沼:そうした大きな経営計画の中での人財についての考えや具体的な育成計画についてもお聞かせいただけますでしょうか。

片山:生命保険ビジネスは目に見える工場も商品も持たない「人」産業であり、生命保険会社は、お客さまを長期的な時間軸でお守りすることが求められます。そして、お客さまに寄り添えるのは「人」だけです。そこで、変化に強い経営を続けることはもちろん、長期的な視点で「明治安田フィロソフィー」を体現でき、不断の自己変革・自己成長を続けられる人財育成に取り組んでいます。

日本のD&I黎明期から、ダイバーシティ推進室を中心に施策を展開

芝沼:続いて、D&Iの具体的な取り組みについて伺います。貴社では2012年からD&I施策を推進していらっしゃいますが、まずはその旗振り役であるダイバーシティ推進室立ち上げの背景を教えてください。

淡路:保険会社は女性が非常に多く、当社も女性従業員が9割を占めています。会社にいる多くの女性従業員に活躍いただくことが、会社の成長と人財の活用において最重要と考えました。そして、当時の社長の根岸(現取締役会長)が音頭を取り、片山が2011年に準備室を立ち上げ、現在人事担当の常務の浅野が初代室長に着任し、ダイバーシティ推進室がスタートしました。

芝沼:今でこそ、女性活躍推進は世の中で当たり前の取り組みになっていますが、10年前は試行錯誤の連続だったのではないかと思います。簡単に、その歩みをお話しいただけますか。

淡路:まず、2012年に「L-NEXT」という女性管理職登用候補者の育成プログラムをスタートし、
女性管理職の計画的な育成・登用に向けた研修体制を年々ブラッシュアップしていきました。
淡路様
また、2017年には職種の再編・統合を行ないました。当社は女性が多い組織ではありますが、多くは地方の支社や事務センター等で働く従業員です。彼女たちは旧来の人事制度では多様なキャリアを歩みにくかったため、新たに「総合職地域型」としてマネジメント層に登用できる道を作りました。

さらに、2021年には契約社員約2,000名を正社員化し、一人ひとりの能力を発揮しやすい人事制度を整備。合わせて、管理職への意識醸成のための研修や、上司である管理職に対しても管下女性職員のキャリア意欲醸成に資する研修を行なっています。

ただ、制度や仕組みの充実だけでは不十分で、実際に登用されたロールモデルを見ることで、管理職登用について自分事化していくものです。そこで「L-NEXT」を各階層に網の目のように張り巡らせ、研修を続けることで、実際に女性管理職を登用し、多くのロールモデルを見せ、後押しをしていきました。




この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●明治安田生命のダイバーシティ&インクルージョン~根幹にある理念
●「明治安田フィロソフィー」制定の原点誕生のきっかけとは?
●D&I施策の旗振り役であるダイバーシティ推進室立ち上げの背景
●女性管理職の継続的かつ計画的な輩出に向けた育成プログラム「L-NEXT」の具体的な中身に迫る
●女性活躍推進にとどまらない、明治安田生命のD&Iビジョン

提供:株式会社マネジメントサービスセンター
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