新型コロナの影響で採用活動のオンライン化が広まった一方、コミュニケーション不足により、学生への惹きつけや志望度醸成に課題を抱える企業も増えてきている。そうした中、注目されているのが、アクセンチュア社が実践する、フルオンライン採用によるハイタッチコミュニケーションだ。同社ではすべての採用フローをオンラインで完結しながら、学生を惹きつけるために組織一体となって、さまざまな工夫や取り組みを行っている。そこで今回は、同社が進める新卒採用活動と、オンライン採用を成功させるヒントを調査・研究などアカデミックな観点から著書も多く出版されている、株式会社ビジネスリサーチラボ 伊達 洋駆氏のファシリテートで伺った。

講師

  • 内海

    内海 鮎氏

    アクセンチュア株式会社 新卒採用統括

    2007年東京芸術大学音楽学部作曲科卒業、 その後モバイルマーケティングを扱うベンチャー企業に入社し、営業、メディアプランニングの業務に従事。 2012年デジタルマーケティング企業に転職し、人事にキャリアチェンジし採用・育成・人事企画等の領域を担当。 2015年アクセンチュア入社 中途採用チームマネージャーを経て、現在は新卒採用チームの統括を行う。



  • 伊達

    伊達 洋駆氏

    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

    神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。 2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。 以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。 研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。 著書に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)や 『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』(共著;日本能率協会マネジメントセンター)など。

アクセンチュアが挑戦する、フルオンライン採用で学生を惹きつける “ハイタッチコミュニケーション”とは

アクセンチュアが進める新卒採用状況

内海氏 まずは弊社の新卒採用についてご説明させていただきます。採用数は非公開ですが、数百名規模に上り、職種は約10職種と、非常に大規模な形で行っております。選考プロセスに関しては、標準的にはES提出⇒WEB適性検査⇒書類選考⇒グループディスカッション⇒一次面接⇒二次面接と一般的なものとなっており、各プロセスの中でアクセンチュアやコンサルティング業界について理解を深められるような仕掛けを作っている次第です。メインの施策としては、インターンシップとリクルーター活動を実施。また形式に関しては、内定者フォローなど一部対面もありますが、原則的には21卒活動後半よりフルオンラインで行っております。

23年卒採用を振り返らせていただきますと、採用数の増加とともに、11職種、6エリア、グローバル(英語選考)、女性、理系学生など、人材要件が非常に多様化しています。また採用ブランディングの強化や、若年層向けのキャリア支援施策の強化、オンライン対応の高度化なども進めました。またフルオンライン、かつ大規模採用、多職種採用だからこそ、個に目を向けた採用を行うべく、Candidate Experienceの向上についても意識をしてきました。

オンラインのコンテンツはかなり充実させてはおりますが、昨今は学生も情報過多な中で就活をされていると思いますので、弊社としては各学生が、必要な時に、必要な情報に、アクセスできる環境づくりを追求しております。同時に、オンラインの特徴でもありますが、情報は多いけれど、リアルなイメージがつきにくい、五感で感じにくい部分があるかと思います。だからこそ、なるべく一人ひとりの学生が異なる立場の社員と接点を持って、アクセンチュアの話を聞けるような仕組みを構築。人事やリクルーター、インターンサポーター、メンターなど、多方面からアプローチし、アクセンチュアの魅力をお伝えしております。

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