大学院生のインターンシップ採用を容認する方針を勝手に前倒し

次に、プレエントリーした時期を昨年の調査データと比較してみます。まずは文系ですが、採用広報の解禁月、すなわち就職ナビによるプレエントリー受付の開始月である「今年3月」だけが昨年の86%から83%へと3ポイント減少しているものの、その他の期間はすべて昨年を上回っています[図表3]
第112回 オンライン面接を受けた学生の感想は?
「今年4月」から「今年6月」の間は、新型コロナウイルス感染症により企業の選考活動が停滞し、焦った学生がその後も新たな企業探しをしていたと推測できますが、驚くべきは「今年2月」以前の動きです。昨年調査からの推移を見ると、「昨年12月以前」:23%→37%(14ポイント増)、「今年1月」:27%→43%(16%増)、「今年2月」:44%→63%(19ポイント増)と、軒並み大幅な増加を見せています。4月以降は最大の増加率でも「今年5月」:26%→33%の7ポイントですから、解禁前の伸びがいかに大きいかが分かります。「今年2月」に至っては、6割以上の学生がプレエントリーを行っています。就職ナビのプレエントリー受付は始まっていないので、個別企業のホームページからプレエントリーしたことになります。

理系はどうでしょうか。理系でも「昨年12月以前」から「今年2月」までの増加率には、目を見張るものがあります[図表4]
第112回 オンライン面接を受けた学生の感想は?
「昨年12月以前」:27%→39%(12ポイント増)、「今年1月」:27%→44%(17%増)、「今年2月」:44%→63%(19ポイント増)と、ほぼ文系と同じ傾向が確認できます。ただし、採用広報解禁の「今年3月」以降は、「6月」を除き昨年を下回る結果となっています。「今年3月」以降の数字を見ると、「今年3月」:文系83%・理系77%、「今年4月」:文系53%・理系36%、「今年5月」:文系33%・理系20%、「今年6月」:文系17%・理系9%と、大きな差異が生じています。

この差異が、理系のプレエントリー数が文系とは異なり、昨年よりも減少している要因の一つかと思われます。理系のほうが、文系よりも選考時期が早く始まった、あるいは選考スピードが速かったといえそうです。

文部科学省・経済産業省・厚生労働省は、インターンシップはあくまでも教育目的のためと位置付けており、現在は採用に直結するインターンシップを推奨していません。しかし、今年1月、その対象から大学院生を除外する方向で調整中であることが報道されたことから、インターンシップに参加した理系大学院生の選考を、ある意味堂々と実施した企業が少なくなかったと推測されます。

対面型とオンライン説明会、参加社数は同程度

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