調査レポート

HR総研:働き方改革「多様な働き方とダイバーシティに関するアンケート調査」vol.3
テレワーク実施は大手では4割。高齢者継続雇用は8割。

働き方改革「多様な働き方とダイバーシティに関するアンケート調査」vol.3では、テレワーク、高齢者雇用、外国人雇用、障害者雇用についての調査結果を報告する。

テレワークは全体の22%が実施しており、1001名以上の大規模企業では4割以上で導入が進んでいることがわかった。
テレワークの目的としては、「生産性向上/業務効率向上」が71%、「仕事と育児の両立」が69%と多くの企業がこれらを目的としている。テレワーク実施の効果としては、「仕事と育児の両立」がトップで43%の企業が効果ありと回答した。
「生産性向上/業務効率向上」についても31%が効果ありと回答している。

高齢者雇用では、「65歳までの継続雇用制度を導入」した企業が約8割だが、定年廃止などの取り組みは少なく、全体として消極性は否めない。

外国人雇用に関しては、全体で6割弱、大手では8割以上が外国人雇用を行っていて、外国人雇用自体は特別なことではなく普通のことになってきている。

障害者については、法定遵守のためというところが一般的であるが、人事の意識としては「ニーズに合致すれば障害の有無に関わらず採用したい」が46%にのぼった。

全体の22%がテレワークを実施、大手では4割以上
安倍政権が推進する働き方改革では柔軟な働き方が提起されている。その1つの形態がテレワークだ。IT機器を活用し、時間や場所の制約を受けずに働くことができる。
今回の調査でも、全体の22%がテレワークを実施しているという結果になった。「1001名以上」の大手では41%が実施している。

テレワークには、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3つの形態がある。テレワークを実施している企業がどの形態をとっているかを聞いたところ、「在宅勤務」が最も多く86%、「モバイルワーク」は37%、「サテライトオフィス勤務」は29%という結果となった。

[図表1]テレワークの実施
テレワークの目的は生産性向上71%、仕事と育児の両立69%
テレワークを実施する目的のトップ3は「生産性向上/業務効率向上」(71%)、「仕事と育児の両立」(69%)、「ワークライフバランス」(63%)だ。
テレワークでは通勤時間が削減でき、都心では電車の混雑による疲労が軽減されることも、生産性や業務効率の向上に寄与するだろう。仕事と育児の両立については、テレワークによりサポートされる部分は多くあると考えられる。また女性活躍支援だけでなく、広くワークライフバランスを保持するためにも、テレワークが役立つということだ。
「介護離職防止」「優秀な人材の確保」「病気治療と仕事の両立」「非常時の事業継続(震災・インフルエンザ等)」を目的としているとの回答は20〜30%程度だが、地震や災害時には、テレワークができる体制があることで事業継続が可能になる。リスク管理の面でも、テレワークを導入する価値はあるだろう。

[図表2]テレワーク実施の目的
テレワークの効果は「仕事と育児の両立」が4割超で最多
テレワークを実施した場合、どのような効果が出ているのだろうか。
「仕事と育児の両立」が43%、「ワークライフバランス」が37%、「生産性向上/業務効率向上」が31%であり、テレワークによる効果が出たと回答している。
具体的な効果がどうだったかについて自由記述で回答いただいたので、代表的なコメントをご紹介しよう。

・生産性の向上は、通勤時間をかけずして、オフィスにいるのと同じ仕事ができていること。仕事と育児、病気治療との両立は、オフィスと自宅とを活用して、間に発生する学校イベントなどへの参加しても、最短距離で仕事に戻ることができるようになった点。介護離職防止は、自宅における隙間時間での業務につけるようになったこと。(商社・流通、1001名以上)
・通勤時間がゼロになることによる、心理的、体力的な負担は大きく軽減されている。また、企画系職種は、落ち着いて考える環境を作る事が出来、生産性が高いとの声も聞いた。(商社・流通、1001名以上)
・家庭の事情(育児、介護、その他)でオフィスでの就業の難しい社員に、勤務を継続してもらうことが出来る(人材を失わない)。オフィスに来る必要の無い日(ミーティング等が設定されていない)に在宅で業務に集中すれば、通勤時間分の時間が余裕時間になり、生活の向上に貢献する。(メーカー、300名以下)

[図表3]テレワークの効果
高齢者雇用:約8割が「65歳までの継続雇用制度を導入」
平成25年4月に改正高齢者雇用安定法が施行された。その内容は、年金支給と雇用を接続するために65歳までの雇用を確保するというもので、企業に「定年引き上げ」「継続雇用制度を導入」「定年の定めの廃止」のいずれかの措置を実施することを義務づけている。どのような実態なのか、調査結果を紹介しよう。
もっとも多いのは「65歳までの継続雇用制度を導入」で全体の約8割を占めている。続いて「65歳まで定年年齢を引き上げ」が8%だが、「継続雇用制度導入」に比べると圧倒的に少ない。さらに「定年制を廃止」になると2%に過ぎない。
高齢者雇用には消極的な企業の姿が見えるようだ。

[図表4]高齢者の就労促進のために導入している措置
外国人雇用は全体で6割弱、大手では8割以上が実施
厚生労働省が発表した外国人雇用の届出状況によれば、2016年10月末時点で外国人を雇用している事業所数は17万2798ヵ所、外国人労働者数は108万3769人、はじめて100万人を超え、前年同期比19.4%増加し、4年連続で過去最高を更新した。外国人採用が一般的になりつつあることは今回の調査でも確認できる。

「新卒採用のみ行っている」(11%)、「中途採用のみ行っている」(14%)、「新卒・中途の両方の採用を行っている」(32%)を合わせると57%と約6割弱である。
規模別で見ると大手では何らかの形で外国人を採用している企業は87%に達しており、「普通の採用」になっているようだ。ただし「301名〜1000名」の外国人採用企業は半数強、「300名以下」では半数弱である。

[図版5]外国人雇用の実施
障害者雇用:大手は100%が雇用、社員数300名以下の雇用企業は半数強
障害者雇用促進法によって、従業員50人以上の企業には障害者雇用が義務づけられている。実態を見てみよう。

全体では「雇用している」のは75%、「雇用していない」のは25%。4社に3社は雇用している。
規模別に見ると、「1001名以上」では100%が「雇用している」。「301名〜1000名」では93%だから、ほぼすべてが「雇用している」。しかし「300名以下」になると53%なので半数近くが「雇用している」という状況である。


[図版6]障害者雇用の実施
「採用ニーズにあえば障害にかかわらず雇用したい」が4割以上
障害者について、「法定雇用率を超えて積極的に雇用したい」という企業は全体の16%と少ないが、「法定雇用率にあわせて雇用したい」と考えている人事担当者は51%と半数を超えている。また「採用ニーズに合う能力のある人材がいれば障害に関わらず雇用したい」という人は46%で半数に近い。企業人事の半数近くは障害の有無にかかわらず、自社が求めるスキルやニーズに合致する人材であれば雇用したい意欲があるといえる。

[図表7]障害者雇用についての考え
【調査概要】
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2017年5月10日〜5月17日
有効回答:212件(1,001名以上:25%、301〜1,000名:26%、300名以下:48%)

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