HR総研:人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査 結果報告定着してきた「新入社員フォロー研修」、実施時期の最多は「入社半年後」

新入社員研修は、階層別研修のなかで最も実施されている研修で、実に9割以上の企業で行われている。今回のHR総研の調査は、新入社員研修とそれに続く、メンター制度、新入社員フォロー研修について、3月に実施したアンケート調査の結果を報告する。

新入社員研修の内容は、例年と同様に「社会人としての心構え」、「マナー」、「会社の仕組み・ルール」がトップ3となった。
新入社員研修の実施日数は、最多は「1週間程度」(24%)だが、「1か月」と「1か月以上」が合計で37%あり、3社に1社以上が1か月以上の新入社員研修を実施していることがわかった。

「新入社員フォロー研修」は、約7割が実施しており、定着してきたと言えるだろう。実施時期は、「入社半年後」が最多で46%という結果である。

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新入社員研修の内容は「社会人としての心構え」「マナー」が双璧

新入社員研修の内容は、「社会人としての心構え」(93%)、「マナー」(89%)が双璧で、第3位が「会社の仕組み・ルール」(81%)である。続いて「報連相」(74%)、「各事業の説明」(73%)、「コミュニケーション」(72%)、「コンプライアンス」(72%)である。「PCスキル」(37%)、「語学・英語」(7%)といったスキル系は実施企業が少なかった。

「ストレスマネジメント」は31%が実施している。最近の新入社員は「叱られることに慣れていない」という傾向があり、社会人になって周囲から注意を受けたりしたときに対処ができないケースもある。ストレスマネジメントを学習しておくことで、様々な人間関係への対応力をつけることを狙っているようだ。

【図表1】新入社員研修の内容

新入社員研修の日数は、「1週間程度」が最多24%

新入社員研修の実施日数を聞いたところ、もっとも多かったのは「1週間程度」で24%だった。次が「1か月以上」で21%だ。第3位が「2週間程度」で17%となっている。「1日」「2日」「3日」は、全部あわせて16%と少数であり、新入社員研修は1週間以上行うのがスタンダードになっていると言えるだろう。

【図表2】新入社員研修の実施日数

研修効果が「出ている」のは74%、約1/4は効果が感じられていない

新入社員研修の効果について聞いた。「大変出ている」は9%、「まあまあ出ている」が65%で、合わせて74%が効果がでていると感じている。
しかし一方で、「どちらとも言えない」が24%、「あまり出ていない」が2%で、目に見える効果が感じられていない企業も約1/4ある。

自由記述によると、次のような点がその理由のようだ。
「実務を経験していないため、研修をしてもなかなか実感できていないように感じる」(1001名以上、サービス)
「各事業部の話等(インプット)したいことはたくさんあるが、まだ、見ぬ現場なので、なかなか実感が伴わない」(1001名以上、メーカー)
「仕事に対する姿勢、進め方などを講義するものの、実際の現場に出ると理解できていないのか、実際の業務で活用できていない」(301〜1000名、メーカー)

新入社員にとっては、職場とはどういうところなのか、という実感値が無い状態で、職場ではこのようにする、という研修を行うことになる。リアリティが不足しているため、すぐに使えたり、できるようにはなっていない、ということのようだ。

【図表3】新入社員研修の効果

大規模企業では7割以上で「メンター制度」を導入

新入社員研修を終えて職場に配属されたのち、メンター(ブラザー・シスター等)制度を実施しているかを聞いた。企業規模によって差異があり、1001名以上の大規模企業では、72%が「メンター(それに準ずる制度・取り組み)がある」と回答した。301〜1000名では52%、300名以下では40%と半数を切っている。

【図表4】配属後のメンター制度(ブラザー・シスター等)

新入社員フォロー研修はほぼ定着。1001名以上では85%が実施

新入社員フォロー研修は、全体でみると68%が実施し、32%が実施していない。しかし規模別にみると、1001名以上規模では85%が実施しており、ほぼ定着化していると言える。
301〜1000名では65%、300名以下では58%の実施であり、小規模企業での実施率はまだ五分五分といったところだ。

【図表5】新入社員フォロー研修の実施

「新入社員フォロー研修」実施時期は入社半年後が約半数

「新入社員フォロー研修」を実施している企業に、その時期を聞いた。
最も多かったのは「入社半年後」で46%で約半数だ。「入社3か月後」と「入社年度末」が15%だった。





【図表6】新入社員フォロー研修の実施時期

フォロー研修実施時の新入社員が抱える課題は「モチベーション維持」

新入社員フォロー研修を実施する時点で、新入社員はどのような課題を抱えているのだろうか。第1位は「モチベーション維持」で62%、第2位は「配属先での悩み」で61%だった。
第3位が「早期戦力化」38%。第4位が「配属先とのミスマッチ」で35%だ。

新入社員フォロー研修の実施時期は「入社半年後」が最も多い(46%)が、入社から半年経つと、残念ながらモチベーションが低下してきてしまう。人間関係や業務など、新入社員が悩みを抱えている状況も多く見られる。また「早期戦力化」ができていないことは、本人にとっても受け入れ組織にとっても課題だろう。

そうしたなか、人事が最も気になるのは「配属先とのミスマッチ」ではないだろうか。これが原因となって「モチベーション維持」が難しいということも考えられる。キャリア採用では配属先の責任者が最終面接を行うが、新入社員ではそうではないのが一般的で、受け入れ先から「ミスマッチ」だと言われることもある。人事が適性を見て配属するものの、フォロー研修の時点でミスマッチだとわかるのであれば、早急に対策をとりたいところだ。

最近では、入社後の配属先組織とのマッチング機能をもつ適性検査やアセスメントなどのサービスが出てきているので、採用活動中に配属後のフィットの精度を高めていく施策を行っておくことで、ミスマッチを減少させるという方法もある。

【図表7】新入社員が抱えている課題(フォロー時)

新入社員研修の課題は配属後の職場との連携と知識の定着

新入社員研修の目的は、新入社員が職場に配属になったときに、より早く仕事をする環境に対応し、職務を遂行できるようになることだ。しかし、仕事の現場で要求される能力は、今日ますます高度化・専門化している。そうしたことから、新入社員研修を実施する教育担当者はさまざまな課題を抱えているようだ。
「新入社員研修に関する課題」について、コメントを紹介しよう。

「知識はつけることができるが、定着まではいかない。配属先での実践が重要と考えるが、現場との接続がまだまだできていない。職種が多岐にわたっているのも一因」(1001名以上、メーカー)
「相当な工数をかけて実施しているが、配属後の職場との連携が大変重要」(1001名以上、メーカー)
「研修終了後、現場に配属され『仕事との現実』に直面することになるが、そこがスムーズに入り込めていない新人が多い」(1001名以上、情報・通信)
「配属前にそれぞれの適性を判断することが難しい」(300名以下、サービス)
「新入社員の適性と職場の実務とのギャップをいかに早く埋めれるかが課題」(1001名以上、エネルギー)

【調査概要】

調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2017年3月8日〜3月21日
有効回答:195件(1001名以上:28%、301〜1000名:28%、300名以下:44%)

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