株式会社scoutyは、2018年8月、全国のIT、ソフトウェア、情報処理・サービス業に従事する20~60代の採用担当者を対象に「タレントプールの利用実態と活用にあたっての課題」についてアンケート調査を実施。このたび、結果を公表した。
タレントプール運用の課題は「アプローチタイミング」と「情報のアップデート」

“タレントプール”とは、将来的に採用する可能性がある候補者をリスト管理しておき、採用枠が空いたタイミングや、候補者が転職を考えはじめたタイミングで、応募を促す採用手法のこと。

調査ではまず「会社の現状の採用課題」を尋ねている。上位3つは以下の通り。

1位:求めているスキルの人材を見つけ出せない(51.6%)
2位:十分な候補者数が集まらない(42.4%)
3位:採用費用の増大(26.0%)

次に、「選考に進んでもらう前に、カジュアルな面談やイベントでの会話、メッセージのやりとりなどで候補者と接点を持つことがあるか」と尋ねたところ、「ある」が54%。

これは「スキルマッチした人材の発見」、「母集団形成」といった採用課題を解決するため、自社に少しでも興味を持った人をより強く惹きつけて選考に乗せるという採用手法をとる企業が増えてきているためと考えられる。

次に、「選考に進まなかった候補者をリスト化(タレントプール化)しているか」と尋ねたところ、結果は以下の通り。

・している(32.4%)
・現在はしていないが、してみたい(20.4%)
・現在しておらず、する予定もない(47.2%)

「タレントプールをしている」と回答した企業に、「タレントプールしたデータを使いこなせているか」と尋ねると、「はい」が54.3%、「いいえ」が45.7%。

半数近くの企業がタレントプールを使いこなせておらず、不満を感じつつも現状のツール・手法でタレントプールの運用をしているようだとレポートは伝えている。

さらに、「タレントプールをしている」と回答した企業に、「タレントプールを運用する上での課題」を尋ねると、上位3つは以下の通り。

1位:候補者への適切なアプローチタイミングがわからない(49.4%)
2位:候補者の現況が窺い知れない(46.9%)
3位:候補者への適切なアプローチ方法がわからない(38.3%)

タレントプールの運用上の課題については「リストに入っている候補者への適切なアプローチタイミングがわからない」が49.4%で最多。タレントプールに候補者を登録したとしても、直近では転職しない候補者に対してどのタイミングでアプローチすればいいのかがわからないため、効果的な採用活動に繋がっていないようだ。

また、2番目に多かったのは「リストに入っている候補者の現況を窺い知れない」の46.9%。タレントプールに登録した候補者が現在転職を考えているのか、すでに他の会社に転職してしまっているのかなど、直近の情報を把握できないことが問題になっているようだ。

このような「アプローチタイミング」と「情報のアップデート」といった課題の背景には、タレントプールの運用スキームが整っていないことに加え、既存のタレントプールに使用されているツールがスプレッドシートの延長のような「入力した候補者情報を保存する」機能のみに特化しているという問題が大きいと考えられる。情報が自動的にアップデートされ、効果的なアプローチタイミングを提案してくれるタレントプールの登場が望まれるかもしれない。

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